脳内扁桃体の回路は、興奮と抑制刺激を繰り返しながら廻っている。

海馬も扁桃体も近い部分ですが、いずれも、脳の比較的古い部分に存在しています。ウキペディアには、アーモンド型の扁桃体内部の、細かい神経核部分が、きれいに図示されています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%81%E6%A1%83%E4%BD%93
 
人も動物も、恐怖を感じると、大脳辺縁系の神経核から繊維を送っている脳幹の循環器・呼吸器の制御部位が興奮し(恐怖対抗モード)、さらに顔面神経や三叉神経を介して、顔に恐怖の表情が現れます。
 
BLA(前回ブログ参照)には、グルタミン作動性神経が9割位に存在し、一方、CeA(CeM及びCeL)には、抑制性のGABA作動性神経が中心です。CeMで恐怖を感じると、その刺激は脳幹に伝わります。CeMからの刺激は、CeLにも伝わり、ここから、不安を抑える刺激が生じて、不安は軽減されると考えられています。今回の研究から示されたように、GABA神経は、恐怖をおさえる方向だけに働くとは、簡単には言えないようです。
 
光受容体の導入により、脳内光源を光らせて、神経細胞を刺激する方法が開発されました。微小光源は、レンズの角度をかえることにより、焦点を限定して光をあてることができるようなので、細胞体にあてたたり、その長い軸先が到達した先のシナプスに限定的に光をあてて、興奮させることができます。
 
BLAからのシナプスがCeLニューロンに抑制の信号をだしています。CeMは、脳幹に神経突起をつなげていますが、CeMに光があたった時には、興奮しますが、同じCeMニューロンは、自らの繊維をのばしている先のCeLに光があたると、抑制性に働きます。このように、3箇所で、相互に抑制が働きます。
 
マウスでは、手綱外側核(lateral habenula、LHbと略)にある神経細胞で、神経突起を腹側被蓋野(ventral tegmental area、VTAと略)に、投影する細胞が興奮すると、不安が起きました。単に、伝達物質が足りないとか、過剰とかの問題でなく、特定神経細胞の興奮すると、不安と関係することがわかります。
 
今の精神医学の治療は、患者に対する医師の細かい観察眼と経験に頼っており、職人芸と言った感じです。しかし、医師の考えはばらつきが起きます。今後の脳科学の進歩により、医師の経験が、理論的に裏付けられ、特異的な薬の開発につながれば良いと思います。医師や薬への不信感が少なくなって欲しいです。
 
エストロゲンが、女性の不安を解消するという実験成果も、卵巣を除去したメスのげっ歯類に、エストロゲンを投与したら、元気になったとの実験結果から、エストロゲン神話につながりました。実際には、更年期うつに対して、エストロゲンの治療効果は不十分で、その理由がわからないと言われてきましたが、動物実験とは違うのは当然です。エストロゲンは、核内転写物質以外に、神経伝達物質として働くことを考えると、この多機能物質(エストロゲン)が、女性の心を鎮静に導く物質とは考えにくいです。
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