FES1 FES2を比較をすることで、いろいろわかったことが多い。

謎が多いSTAP事件において、FES1 FES2を比較をすることで、いろいろわかったことが多い。
FES1 FES2の両者のSNPにおいて、不一致点をピックアップして比較することで、二つの大事なことがわかった。

第一は、FES1 FES2のSNPの乖離が大きい事から、コロニーが違いが疑われること、
第二は、そのFES1 FES2のSNPの乖離を利用することで、STAP関連株の近縁関係がわかったことである。


桂報告書6-7ページに、SNPの考え方が書いてあります。

これら 5 種類の細胞の SNPs 分布を詳細に観察すると、特に疑義の生じている STAP 幹細胞 FLS3、FI 幹細胞 CTS1、ES 細胞 129/GFP ES および FES1 の 4 細胞株の遺伝的背景は酷似していることが判明した。他方、ES 細胞 FES1 と同時に樹立された ES 細胞 FES2 は、ES 細胞 FES1 とかなり類似した SNPs 分布を有するものの、第 6 染色体、第 11 染色体および第 12 染色体の一部に ES 細胞 FES1 と異なる領域が存在していた。これら 3 領域では、ES 細胞 FES2 で B6/B6 の SNPs が ES 細胞 FES1 ではおしなべて B6/129 となっており、また、ES 細胞 FES2 で B6/129 の SNPs は ES 細胞 FES1 で全て 129/129 であるという極めて特徴的な SNPs パターンの相違を示した。このことから、ES 細胞 FES1 と ES 細胞 FES2の樹立当時、交配に用いられた親マウスの遺伝的背景は均一ではなく、第 6、第 11、第12 染色体のこれらの領域が B6 の SNPs のものと 129 の SNPs を持つものが併存していたと推定される。そして、ES 細胞 FES1 と FES2 は、樹立時にそれぞれ異なる SNPs を持つ染色体を親マウスから受け継いだ可能性が高い。ES 細胞 FES1 と FES2 で異なる SNPs を示すこれら3つの染色体領域に関して、2012年に樹立されたとされるSTAP幹細胞FLS3、FI 幹細胞 CTS1 および小保方研ストックの由来不明 ES 細胞 129/GFP ES は、ES 細胞 FES1とほぼ同一の SNPs パターンを示し、ES 細胞 FES2 とは異なっていた。
上記の 129 由来のホモクラスターは、染色体上の狭い領域に突然変異によって生じたSNPs が点在するものであり、今回 4 種の幹細胞には、第 6、第 11、第 12 染色体上に 129に特徴的なクラスターが、また第 17、第 18、第 19 染色体等に C57BL/6 のクラスターが認められることから、TaqMan PCR によって観察された 129 ホモの SNPs はこれら幹細胞の作製に使用したマウスに存在した遺伝的背景の不均一性によるものと結論づけた。ES 細胞 FES1 と FES2 でのみ異なる SNPs に関して、両者の遺伝的背景の相違によると判断された上記第 6、第 11、第 12 染色体の SNPs クラスターを除外し、残った 1,290SNPsを用いて比較を行うと、STAP 幹細胞 FLS3、FI 幹細胞 CTS1、および、ES 細胞 129/GFP ESは同一細胞株といって良い程の高い類似性を示すことが判明した。従って、STAP 幹細胞FLS3、FI 幹細胞 CTS1、および 129/GFP ES は同一の細胞由来であり、ES 細胞 FES1 と同
一、あるいはそれから派生した株の可能性が高い、と結論づけた。

4)第 3 染色体と第 8 染色体の欠失変異
STAP 関連 11 細胞株の全ゲノム解析から、第 3 染色体の 5kb の欠失と第 8染色体の 17kbの欠失(第8染色体は129系統由来;第3染色体はB6系統由来)が上記STAP幹細胞FLS3、FI 幹細胞 CTS1、および、ES 細胞 FES1 並びに 129/GFP ES だけに共通に存在することが判明した。この2箇所の欠失は、STAP 幹細胞 FLS および FI 幹細胞 CTS の全ての株にも共通に存在することがPCR産物の塩基配列決定により確認された。一方、この両欠失は、市販の 129 の亜系である 129 x 1/SVJJmsSlc(SLC)と 129+Ter/SvJcl(CLEA)のいずれにも存在しない。また、この第 3 染色体の 5kb の欠失も、市販の B6 の亜系であるC57BL/6JJmsSlc(SLC)、C57BL/6NCrSlc (SLC)、C57BL/6J (Charles River)、C57BL/6NCrl(Charles River)、C57BL/6JJcl (CLEA)、C57BL/6NJcl (CLEA)のいずれにも存在しない。
さらに、2010 年に若山研で受精卵凍結された Acr-GFP/CAG-GFP マウスにも存在しなかった。
もし、これらの細胞が論文に示されていた(129 x C57BL/6)F1 から作製された株であるなら、これら 2 個所の欠失の両方、または片方が市販の 129 系統、C57BL/6 系統のいずれかに存在していなければならず、STAP 研究の行なわれた 2 年強という期間でこれら 2 個所の欠失が生ずることは考えにくい。従って、この結果は、これら 4 種類の細胞が、論文に示されていた(129 x C57BL/6)F1 マウスから直接作製された株ではないことを明確に示している。



BCA論文のSNP図をみると、FES1 FES2の違いは明らかだ。
FES1 FES2は、染色体6,11,12などにおいて、B6か129かのSNPにおいて、大きく異なる。

近交系マウスなのだから、同一時作製ESで、これだけ染色体SNP図が違うということは考えにくいだろう。
他の若山研究室で作製された他のES細胞では、こうしたことは起きていないし、各種、近い時点で作製されたES細胞の類似性は高く、マウス近交系は良く保たれている。

FES1 FES2のSNP乖離を見ると、FES1 FES2は同一マウスコロニーから作られたとは考えにくい。しかし、断定はできない。

Lさんは、この考えは学とみ子のミスだと言いたいようだが、LさんはSNPの専門家ではない。

少なくとも、ここを解析した理研の研究者は、若山研究室の提出した実験材料の不明点を明らかにしようとしたのは確かだ。

又、染色体3と8の欠失が、FES1にはあるが、FES2にはないことも重要で、この場合、FES2が先(古い)に作られたと考える。
FES1作製時に欠失して、その後、そのES細胞からもマウスを作製する時、できたマウスはすべて欠失する。

FES1 FES2のSNP解析を担当した理研研究者は、FES1 FES2の作られた年代や作られたコロニーの違いを明らかにしたかったのではないだろうか?

2010年の若山研究室アクロシンGFPマウスに欠失の無い可能性が大きいことを示した意味も大きい。


FES1 FES2のSNPを比べることの第二の成果は、STAP関連株の近縁関係を明らかにしたことである。
STAP事件の主役である、STAP幹細胞FLS、CTSと、FES1、129/GFP ESとの関係が明らかになった。
FES1 FES2の比較によって、STAP実験サンプルは、FES1でなく、129/GFP ES細胞の混入である。
この意味は大きい。
持ち主不明な細胞、129/GFP ES細胞が事件の主役なのである。

この調査を担当した理研の研究者は、STAP事件の本当の問題点を科学的に明らかにするため、これだけ幅広くNGS解析をしたのだと思う。
129/GFP ES細胞が事件の主役である事と示して、問題点を提起してくれたのである。

本来なら、調査は以下の結論で十分なのである。

> 4 種類の細胞が、論文に示されていた(129 x C57BL/6)F1 マウスから直接作製された株ではないことを明確に示している。


ところが、調査はそれ以上に踏み込んでなされ、業績が残されたのである。



体内時計さんが、結論ありきブログのコメント合戦を紹介してくれました。学とみ子は初めて見ます。

なるほど!と思うものを紹介していこうと思います。

まずは、これです。


1639. 在米ポスドク
2015年11月14日 00:29
>>1638. stwatchさん
「新しい種類の幹細胞が作製できました、ESみたいに多能性があります!」と報告するなら、まず真っ先に疑うのはコンタミ。まして、比較の為にESをコントロールに用いているから、クロスコンタミの可能性は最重要の検討事項。本人は絶対コンタミが起こりえない状態を確保していた、と豪語していたはず。
都合のいい遺伝子型のコンタミが複数回都合良く起きるのは私にはまずもって信じがたいが、対応するES細胞を意識的に継続して混入できる精神性の方がさらに信じがたいので、偶然のコンタミの可能性は完全には否定できません。マウスのコンタミより、細胞のコンタミの方が可能性は高いです。


>対応するES細胞を意識的に継続して混入できる精神性の方がさらに信じがたい

ここは、学とみ子感とぴったり!


ため息さん、

>ES細胞のエラーによる混入が筆頭著者の手を離れて若山氏に渡されてから生じたとする学とみ子はどのように説明できるのですか?

全て、推論ですが、STAP細胞と呼ばれた状態で、何らかの細胞改変手技(故意の混入ではない)があったかもしれません。急に幹細胞ができるようになったとの桂報告書記録に、注目できます。小保方氏も一切、ここに触れていません。実験した著者たちはお互いに気をつけていると思います。クムリナ発言が参考です。(クリムナは誤でした。すみません)

>STAP細胞を注入したキメラ胚を使って初めて樹立に成功したデータ・・・

このような処理をした後の細胞は、まだ、STAP細胞と呼ばれていたのである。
以下はアーテイクル論文であるが、7日間、ACTH-LIF培地を通過させると、シングルセルの培養が容易になり幹細胞と呼ぶようであるが、その前はSTAP細胞である。

Expandable pluripotent cell lines from STAP cells
STAP cells have a limited self-renewal capacity under the conditions used for establishment (Fig. 2g and Extended Data Figs 2e and 5a).
However, in the context of the embryonic environment, a small fragment of a STAP cell cluster could grow even into awhole embryo (Fig. 4f).
With this in mind, we next examined whether STAP cells have the potential to generate expandable pluripotent cell lines in vitro under certain conditions.STAP cells could not be efficiently maintained for additional passages in conventional LIF1FBS-containing medium or 2i medium20 (most STAP cells died in 2i medium within 7 days; Extended Data Fig. 8a). Notably, an adrenocorticotropic hormone (ACTH)1LIFcontaining medium (hereafter called ACTH medium) known to facilitate clonal expansion of ES cells36 supported outgrowth of STAP cell colonies. When cultured in this medium on a MEF feeder or gelatin, a portion of STAP cell clusters started to grow (Fig. 5a, bottom; such outgrowth was typically found in 10–20% of wells in single cluster culture using 96-well plates and in .75% when 12 clusters were plated per well). These growing colonies looked similar to those of mouse ES cells and expressed a high level of Oct4-GFP.

After culturing in ACTH medium for 7 days, this growing population of cells, unlike parental STAP cells, could be passaged as single cells (Fig. 5a, bottom, and Fig. 5b), grow in 2i medium (Extended Data Fig. 8a) and expand exponentially, up to at least 120 days of culture(Fig. 5c; no substantial chromosomal abnormality was seen; Extended Data Fig. 8b, c). Hereafter, we refer to the proliferative cells derived from STAP cells as STAP stem cells.



plus99% さん 2020年12月15日 5:41 PM

>つい5日ほど前にもそっくりなことが。学とみ子氏にとって「推論の根拠」という言葉の定義が他人とは違うのでしょうな。

plus99% さんは、以前も同じように、延々とでたらめSNP論を書いて、学とみ子にあきれられました。
その時は、学とみ子も意味をわかろうとしたけど、結局、plus99% さんの根拠のない思いつきにすぎなかった。
ため息さんは、でたらめplus論を注意しませんし、ご両人共、SNIP解析を理解できていないようです。



セイヤさんのわかりやすいコメントありました。

>検証実験で小保方さんが作った細胞は「STAP細胞塊」、つまり、多能性が証明される前のもの。この段階もものに理研が「STAP細胞」という文字を入れたのがいけなかった。
この段階のものは「スフェア細胞」とか「蛍光細胞」とかにすべきだったが、理研が「STAP細胞塊」というあやふやな定義にしたので、小保方さんもつい「200回は作った」と口が滑った。


酸浴後の凝集塊は、初期化蛋白の合成は認められたが、多能性については、いまだ、未知数のものでした。セイヤさんが的確な説明しました。

小保方氏は、一般人の反応を予想しなかったのでしょう。多能性証明と、初期化の動き(ES細胞で初期に合成される蛋白という意味です)は、別物です。ここを、一般人向けに、丁寧に区別して説明したかったですね。

マスコミも(学者に聞いて)反論するだろうから、これら議論を通じて、一般人にも、わかっていきます。

恐らく、マスコミにも、世間にも、小保方自身から情報を出すことはいけないことと、小保方氏は周りに配慮してましたね。止められていた部分もありますね。

小保方氏にとっては、STAP凝集塊が全てなんですよね。後は、上司の指示で動いていたんです。普通はかばってくれるはずの上司が、全く逆パターンになってしまいました。
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