離乳食の導入時期についての議論 根拠を提示することの重要性

離乳食についての情報をお届けしています。2007年に、厚労省は離乳食に関するガイドラインを改定しました。そして、2008年に、専門職向けの指導書を発行しました。そこには、近年、日本の離乳食導入が遅れる傾向にあることを載せています。

この指導書に書かれていることは、病気の無い子供たちには、離乳食の導入をすみやかに勧めるのが望ましいとの厚労省の見解かと思います。こうした背景には、海外のコホート調査(追跡研究グループ)のデータが、影響を与えているものと思われます。
 
改定時、専門職や一般の母親たちの間に、若干の議論がありました。しかし、日本では、海外の論文が紹介される機会は少なく、議論の材料に使われることは少ないいようです。
 
小児科の代表的医学雑誌ペディアトリクス(英語で小児科の意味)の、2010年のフィンランドの成績を紹介します。
この成績は、糖尿病発症の遺伝的リスクのあるこどもたちの離乳食と、その後のアレルギー感作との関係を検討したものです。

目的: 生後1年までに、離乳食の固形食品の導入時期が、5歳になった時点でアレルギー感作に影響を与えるのかを調べました。
方法:フィンランドの出生コホート研究)からデータを分析しました。 母乳継続の状況や、固形食品の導入月齢と、5歳になった時の免疫グロブリンEレベルを調べました。対象は、タイプ1糖尿病のリスクのあるHLA型をもつ994人の子供たちです。
 固形食品の導入時期とアレルギー性感作の間の関係は、ロジスティック回帰を用いました。そして、親のアレルギー性鼻炎と喘息を考慮しました。
結果:母乳のみで育てた期間の中央値は、1.8ヵ月でした(範囲: 0-10ヵ月)。 この子どもたちが5歳になった時に、アレルギー感作と関連した食品の導入時期は次のようでした。各食品の導入時期は、ジャガイモ(4ヵ月を超えてから)、オート麦(5ヵ月を超えてから)、ライ麦(7ヵ月を超えてから)、小麦(6ヵ月を超えてから)、肉(5.5ヵ月を超えてから)、魚(8.2ヵ月を超えてから)と卵(10.5ヵ月を超えてから)となりました(超えてからの意味は、その月齢は含みません)。各食品の導入を遅らせると、食物アレルゲンに感作されやすくなりました。 ジャガイモ、ライ麦、肉と魚を遅く導入すると、吸入性アレルゲンに感作されやすくなりました。 特に、ジャガイモと魚は、吸入アレルギー感作と最も関連しました。Pediatrics. 2010 ;125(1):50-9
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