統合失調症と機能的MRI、(fMRI)

統合失調症は、脳内ネットワークの連絡性の低下などが指摘されています。論文では、統合失調症と診断された人を対象として、言語テストや、記憶テストなどの作用負荷を与え、その時のfMRIなどを用いて、脳内機能を評価してきました。
 
結果は論文ごとにばらつきはあるものの、左上側頭回の容積減少が、統合失調症の人の陽性症状と関連することを指摘する論文や、あるいは、前頭葉と側頭葉の連絡性の低下を指摘するものがあります。
 
さらに、最近は、作業負荷(被検者に記憶させたり、しゃべらせたりの)をかけずに、安静時の脳内機能を測定する検査方法が試みられています。脳内には、健康人も含めて、解剖学上(脳の構造的)、灰白質の容量の低下がある部分が存在します。そうした元々の脳構造を考慮して、統合失調症の人の脳内機能を評価した論文を紹介します。Am J Psychiatry 2009;166:196
中側頭回の異常は、統合失調症の人の重症度とも、良く一致すると述べられています。

統合失調症の中には、家族性に発症するタイプの遺伝性の強いタイプがあります。このタイプでは、
の容積減少が特徴のようで、この所見は、発症前の人で、すでに見られることから、病気に進行に伴う変化ではないと推定されているようです。むしろ、発症の元となる病因的な変化ではないかということです。
 
統合失調症とfMRI
平均年齢24歳の未治療の初発の統合失調症 68人(女性38人、男性30人)の検討です。DSM-IV(実際の症状を客観的に評価して偏りを少なくした精神病の診断法)で診断されました。統合失調症は、健康人にくらべて、灰白質の重量の低下が見られる脳部位は、右の前帯状皮質ACC、右中側頭回、右上側頭回でした。この部分の重量の低下は、臨床的スコアPANSSとも一致がみられました。しかし、統合失調症の人の年齢や病気の期間とは、関連しなかったです。
 
右中側頭回の容量の減少は、反対側の帯状回、下頭頂回の活動性との関連を認めました。右中側頭回の容量の減少は、陽性症状、思考障害、パラノイアと関係しました。さらに、中側頭回、右上側頭回との連絡性の低下は、症状の重症度とも、一致しました。右中側頭回の活動性は、反対側の帯状皮質や、基底核、小脳の機能、側腹部前頭葉と関連を認めました。
 
PANSSとは、統合失調症の重症度を評価するスケーリングスコアのことで、陽性症状、陰性症状、一般精神病理症状(委譲3項目の点数が大きい)、思考障害、過活動性、妄想、うつ、無気力、衝動行動などを点数化して、病気を評価する方法。
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コメント

No title

学とみ子
ご指摘、ありがとうございます。直しました。

No title

あ*
タイポのお知らせです。
タイトルが「統合失調『腸』」になっています。取りあえずお知らせまで。
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