肺は、川の流れのように、ごみを洗い流している。でも、洗いきれない。

1ナノメーターというのは、10億分の1メートルのことで、1mmの1000分の1が1マイクロメートル、その1000分の1が、ナノメートルですね。まあ、すごく小さな粒子であるということです、私たちの吸い込む空気には、有害、無害を問わず、さまざまな刺激物質が含まれています。

消化管は、何かを入れると(食べると)、下から出てしまうしくみでしたが、呼吸器は、出口がなく行き詰まりです。すなわち、吸いこんだ有害物質でも、そのまま吐き出す空気の乱流にのって、体外へと出てしまえばラッキーです。しかし、そうならない場合には、そのまま、肺にたまってしまいます。そのため、アスベスト、タバコなど、長い時間かかて、肺に障害をおこしてしまうのです。

ところが、ごく小さな物質であれば、体のそなわったしくみで、外にだしてくれます。そのしくみについて、ラットの吸入実験ですが、ネーチャーに論文がありましたNature Biotechnology, November 8, 2010

小さな粒子であれば、川のように細かに流れている肺内のリンパ流にのって、肺リンパ節に運ばれ、さらに次第に、細かな流れが合流していき、全身を廻るリンパ流となり、やがて体外に、でてくれます。
 
その大きさが決め手で、リンパ流で運べる粒子の大きさが、34ナノメータということです。さらに、6ナノメートル以下で、荷電している粒子であれば、肺から速やかに腎臓に移動し、排除されるようです。

このことは、この大きさ以上の粒子の場合は、分解や処理に時間がかかります。その結果、粒子は肺にとどまり、局所の細胞は、粒子を排除しようとして免疫反応が起きます。その先は、いろいろな種類の肺の障害です。
 
私たちは、いつも大量のカビやバイ菌を吸い込むのですが、それが処理される過程で、トラブルが起きると、有害物質の片づけ作業が手間取り、肺の免疫に失調が起きます。免疫が過剰となると、線維化と呼ばれる肺が固くなる現象が起きます。固くなると、呼吸がしずらくなります。しかし、肺線維症への進行は、原因が分からないことが多いのです。こうした反応は、自覚症がなく、静かに慢性に進行しますので、肺の病気の原因解明は難しいです。

喫煙者の肺では、タバコの黒いすすによって、リンパ流が黒い網目状の模様を形成していますね。また、肺のマクロファージ(白血球)の中に、黒いススが、顕微鏡で良く見えます。こうした黒い恐ろしげな網目模様をイメージするのも、禁煙する人に役だつかもしれません。
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