精神的に落ち着いている時、免疫細胞も、じょうずに働き、食物アレルギーは抑えられます。

調整性T細胞は、リンパ球の仲間ですが、このタイプのリンパ球は、過剰なアレルギー反応を抑える働きをします。食物を食べてすぐ反応が出るタイプのIgE型の即時型食物アレルギーがありますが、健康な人では、アレルギー反応が起きないように、調整性T細胞が活躍しています。
 
しかし、複雑な人の調整性T細胞役割は、不明な点が多いです。人間の病気を研究するためには、動物に似たような病気を起こさせますが、動物に、人工的に即時型食物アレルギーを起こすのは、結構、難しいのです。動物にとって、食べるという大事な働きを、人工的に狂わすことは、なかなかできないということです。
 
マウスにミルクを飲ませて、ミルクアレルギーを作ろうとしても、症状は軽く終わってしまうのですが、その時、この調整性T細胞の働きを抑えると、ミルクアレルギー症状がでやすくなります。
 
調整性T細胞は、必要な時に、自然に増加してくる細胞です。人が精神的に落ち着いている時、免疫細胞も、じょうずに働いてくれますので、アレルギー反応は抑えられます。調整性T細胞の働きをマウスで証明した論文を紹介します。nt Arch Allergy Immunol. 2011 ;156:387. PMID: 21829034

調整性T細胞(CD4+CD25+調整T細胞)が、β-ラクトグロブリン(BLG)(牛乳の主要アレルゲン)アレルギーに、どのような影響するかを、C3H/HeOuJマウスを用いて実験しました。
 
方法: ミルクをマウスに与えただけは、マウスにアレルギーを起こさせることはできないので、マウスにミルクアレルギーを誘発するために、ミルク蛋白(BLG)にコレラ毒素を加え、何度もマウスに飲ませました。 一部のマウスは、ミルクアレルギーを起こす前に、調整性T細胞を抑える物質を入れました(CD25モノクローナル抗体を入れる)。腸管アレルギーを評価するために、Th1/Th2-タイプ・サイトカインや、マスト細胞の 働きを見ました。
 
結果:調整性T細胞の働きがあるマウスは、ミルクアレルギーの症状は軽度でした。調整性T細胞の働きが低下させたマウスは、ミルクに対して強い反応を示しました。IL-4、IL-5、IL-13とIFN-γ生産の増加、総IgEとBLGに特異IgE、IgG1、IgG2aが増加し、粘膜肥満細胞プロテアーゼMCP-1は増加しました。
 
結論:ミルクアレルギーになる時には、腸管のTとB細胞反応が増強して、肥満細胞顆粒が増加しますが、そうした反応を、調整性T細胞が抑えていることを証明しました。
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