体質が違うと、病気の出方も、治り方も違ってくるのです。ビタミンDと食物アレルギー

ある子どもに治療効果があったことが、他の子供には、マイナスになってしまうことを経験します。
そうした背景には、人の反応性の違いがあります。いわゆる体質が違うと、病気の出方も、治り方も違ってくるのです。そうした体質との関連についてのご紹介です。
 
ビタミンDは、人の免疫調節に大事な役割をはたします。ビタミンD欠乏が、食物アレルギーと関係するのではないかとの仮説があります。今まで、ビタミンD欠乏のある子供に、食物アレルギーが発症する、あるいは、食物に対してIgEを作りやすいかどうかを調べた疫学研究がありましたが、結果はばらつき、結論は出ていません。遺伝子の型、すなわち体質の違いは、その後に起きてくる免疫調節の違いに影響を与えます。

今回、紹介する論文は、 臍帯血のビタミンD欠乏状態と、その後に、食物に対してIgEを作りやすいかどうかとの関連を調べたものです。そして、子供たちのビタミンD関連遺伝子や、食物アレルギー関連遺伝子検査を調べました。ビタミンD欠乏状態がある一部の子供たちだけが、、その後に食物アレルギーが関係してくるのかを調べました。
 
そして、遺伝子変化のある子供では、ビタミンD欠乏が、食物アレルギーを招きやすいことがわかりました。ビタミンDをとることの効果が期待できるかどうかは、人により違うということでした。妊娠中の、ビタミンDのとりすぎは害がありますので、ご注意くださいね。
 
子供たちの遺伝子型が違うと、ビタミンDと食物アレルギーとの関連にも違いが生じてくるのかを調べました。対象となったのは、出生後より追跡している米国ボストンコホート集団に属する649人の子供たちです。Allergy 2011; DOI: 10.1111/j.1398-9995.  PuMed 21819409

乳幼児期に8種の食物アレルゲンのどれかに、IgEが0.35kUA/lを超える数値となった子供を、食物アレルギーがあると定義しました。ビタミンD欠乏は、臍帯血25(OH)Dが 11ng/ml以下と定義しました。
 
 IgEと、25(OH)Dに関与している11の遺伝子検査を行い、単ヌクレオチド多型性(スニップ、SNP)の有無を調べました。 関連性の検討には、ロジスティック回帰を用いました。
 
結果: 649人の子供たちの臍帯血の44%に、ビタミンD欠乏がありました、そして、子供の37%には、食物IgEが陽性でした。 全体の子供たちでは、ビタミンD欠乏は、食物アレルギーと関係していませんでした。
 
しかし、一部の子供たちでは、関連がありました、遺伝子のSNP検査で、IL-4遺伝子多型(rs2243250)を持つ子供では、ビタミンD欠乏があると、食物アレルギーとなりやすくなるとの結果が得られました。 Cc/CT遺伝子型のある子供たちの間で、ビタミンD欠乏と食物アレルギーが関連しました。
 
より弱い相関は、MS4A2(rs512555)、FCER1G(rs2070901)、CYP24A1(rs2762934)のスニップ頻度で、観察されました。
 
全4つのスニップを持つ子供では、臍帯血のビタミンD欠乏と、その後に、食物アレルギー(IgEを作ってしまう)体質が、高い頻度で起きてくることがわかりました。
 
結論: 特定の遺伝子型を持つ子どもたちでは、臍帯血でビタミンD欠乏があると、その後に、食物IgE抗体を作りやすくなるというデータが得られました。
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コメント

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学とみ子
ありがとうございました。これからも、いろいろな考え方を紹介してまいります。
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