中華料理として炒めたピーナッツなら大丈夫だが、炒ったピーナッツ単独ではアレルギーを起こす理由は?

Peanutsは、ローストして食べることがあますが、それにより、よりピーナッツに反応してしまう人がいます。
 
加熱により、ピーナッツアレルゲン蛋白質は、立体的な構造を変えます。蛋白の立体構造が変化すると、アレルゲン性(アレルギーをどの位の強さで起こすのかの能力)に影響が出ます。 実際の料理の中で、中華料理として炒めたピーナッツなら大丈夫だが、料理に入らない炒ったピーナッツであると、反応を起こしたりするのエピソードが現実にあります。その機序は、まだ、十分には解明されていないのです。
 
今回の研究では、熱や糖を加えることにより、ピーナッツがアレルギーを起こす能力を、変化させることが調べられています。ピーナッツ蛋白のうち、Ara h 1とAra h 2/6(ピーナッツ2Sアルブミン成分)の蛋白のアレルゲン性が、どのように変化するのかを調べています。ピーナッツを、乾いた環境で熱を加えるのか(炒るのと似た料理をする)、他の炭水化物成分と一緒に加熱することかによって、ピーナッツのアレルゲン性が増強したり、減弱したりすることがあるようです。論文を紹介します。

Clin Exp Allergy. 2011 Aug 1. PMID: 21801247
Ara h 1、Ara h 2/6は、生ピーナッツから抽出しました。ピーナッツをブドウ糖を加えて加熱(145度で20分)する場合(R+g)、あるいは、ブドウ糖を加えない条件で加熱する場合(R-g)の、異なる条件でピーナッツを加熱処理した後、ピーナッツ可溶性成分を抽出しました。
 
12人のピーナッツアレルギーの患者から得た血清を用いて、ピーナッツ成分のIg結合性と脱顆粒の能力を調べました。
 
ドライな環境での過熱すると、Ara h 1、Ara h 2/6は、加水分解しました。 しかし、ブドウ糖と共存させると、Ara h 2/6に比べ、Ara h 1 は、凝集塊を形成しました。Ara h 1のIgE結合能は、ブドウ糖の存在下では 9000倍に低下し、ブドウ糖の存在無しの条件では、Ara h 1のIgEの結合能は、3.6倍に低下しました。しかし、単独Ara h 1 と比較して、脱顆粒能は、増強しました。
 
ネイティブ形と比較して、熱処理によりAra h 2/6は、IgE結合能、脱顆粒の能力共に、600-700倍に低下しました、しかし、ブドウ糖があると、これらのアレルゲン性のロスが抑えられました(アレルゲン性を維持したという意味)。
結論 ピーナッツ成分により、熱に対するアレルギー性の変化の様相は異なっていました。加熱をするとAra h 2/6では、アレルゲン性が減弱するのに対し、一方のAra h 1では、加熱によりむしろ、アレルゲン性は増強する結果でした。加熱時に、ブドウ糖の存在の有無によっても、ピーナッツの各成分のアレルゲン性は、異なってくることがわかりました。
 
ピーナッツのアレルゲン性の評価は、IgEと結合する能力で評価するだけでなく、脱顆粒の能力の変化も、評価されるべきと思われました。
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