パーキン蛋白は、エネルギー源の脂肪を、細胞の外から中へ運び込む役割をしているようです。

パーキンソン病は、脳の基底核の黒質と呼ばれる部分の、脳細胞の病気です。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E8%B3%AA 
以前にこのブログでも、パーキンソン病の最近の知見を、紹介しています(5月5日)。パーキン蛋白が、どのような機能を果たしているかの論文の紹介をします。
 
パーキンソン病は、parkin(パーキン)と呼ばれるたんぱく質の異常が起きています。この蛋白の本来の働きは、障害されたミトコンドリアの除去と言われます。よって、この蛋白に異常がおきると、レビー小体と呼ばれる物質が脳細胞の中に蓄積してしまいます。レビー小体がたまると、神経細胞が消失していきます。
 
パーキンソン病は、加齢に伴い病気が増えてきますが、若年性のパーキンソン病もあります。この病気になると、手が震え、体が固くなりバランスがとれなくなります。体は、スムースに動かなくなるのです。バックトーザフューチァー主演のマイケルフォックスは、この病気だそうです。
 
本日は、NIH/National Heart, Lung and Blood Institute(NIH研究所)からの報告です。パーキン蛋白が異常になると、なぜ、細胞死が起きてしまうのかの研究です。この研究からわかったことは、(遺伝子異常により)パーキン蛋白の異常が起きていて、細胞の外から中へ、脂肪成分を運び込めなっています。
 
脳の細胞は、活動するためには、多くの脂肪成分を必要とします。パーキン蛋白の働きのひとつが、脂肪の移動にかかわることがわかりました。そのため、パーキン蛋白の働きがだめになると、細胞のエネルギー源である脂肪成分が、細胞の中に入ってこれなくなるようです。
 
特に遺伝子異常に起因する若年型パーキンソン病は、20代で発症してきてしまう病気で、このうち、今までに遺伝子異常を特定できたのは、約37%です。
 
この病気を研究するために、動物モデルのマウスを使って、パーキン蛋白をつくる遺伝子をつぶしたマウスを人工的につくりました。このマウスでは、高脂肪食を与えても、肥満してきません。一方、正常なマウスでは、高脂肪食により肥満していきますが、その時に、脂肪運搬蛋白とパーキン蛋白が増加します。つまり、パーキン蛋白は、栄養としての脂肪を、細胞の外から中へ運び込む役割をしているkとがわかったのです。
 
実際の人で、パーキンソン病を発症した人血液細胞を調べて見ると、細胞内に脂肪を吸収できないことがわかりました。J Clin Invest. doi:10.1172/JCI44736
 
黒質には、多数の脳細胞が神経突起で交流しており、1個の脳神経細胞は、それぞれ30万位の神経突起を出して、周りの神経細胞と連絡を取り合っています。そうした神経細胞同志が正常に交流するために、エネルギー源として多くの脂肪と、細胞膜のコレステロール構造が必要なのです。つまり、細胞内外の脂肪が、正常に移動することが、パーキンソン病の治療の近道になる可能性が指摘されています。米国NIHでの研究は、現在進行中とのことです。
 
コレステロールを下げるのは、循環器系の病気を減らすことはできますが、細胞の強度は落とすようです。神経細胞にも、脂肪はとても重要な働きをしているようです。今後、さらに、脂肪についての知識が高まると良いです。
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