ロシア親派のジャーナリストの教え:お互いを信頼する人間関係が基本であり、領土保全は政治家として当然である。

長い間にわたりロシアを取材していたジャーナリストPozner氏の、エール大学で行われた講演会の動画を紹介します。

タイトルは、Vladimir Pozner: How the United States Created Vladimir Putin by 

講演は字幕付きです。

On September 27, 2018, Yale's Program in Russian, East European and Eurasian Studies, and the Poynter Fellowship for Journalism hosted Vladimir Pozner, the acclaimed Russian-American journalist and broadcaster. Pozner spoke on the impact of US foreign policy towards Russia after the Soviet Union has been disbanded, and shared his opinions on a range of issues raised by the audience, from the alleged Russian interference in the 2016 US presidential elections, to Skripal poisoning, to the state of independent media in Russia and the US.

この講演は、2018年ですから、ウクライナ侵攻前におこなわれたものです。

今2022年2月24日以後、現実に起きたプーチン行動から、プーチンを支持する日本人は極、少なくなってしまったでしょうが、ジャーナリストPozner氏から見たプーチンの政治家としての評価という意味では、日本人にも興味深いものです。

この方は、フランス生まれのUS育ちで、US、ロシア、フランスのパスポートを持ち、ロシアンラリーキングと呼ばれる人です。
この講演に先駆けて、Pozner氏の業績が紹介されましたが、それに反応して、”過分なる紹介”から始めています。
「私は私であり、いづれの組織に属するものでもありません。私は大したものでないし、ロシアやロシア以外の地に消えゆくアニマルに過ぎません。」

ソ連に居住した経験を軸に、ロシアプーチンを多角的にとらえることの重要性を説いています。
スタンスのひとつは独裁者としてのプーチン像ですが、もうひとつは、ロシア国民には人気の政治家としてのプーチンの戦略と理性を紹介しています。
Pozner氏にとっては、こちらの後者の方が大事のようです。
ですから、演者Pozner氏は、政治家として領土を守るという必須のプーチンのスタンスと、彼の考え方を紹介しています。
米国に居住する人、米国の大学で学ぶ人たちに対して、プーチンを擁護するスタンスで講演をしています。

ロシアでは、エリツィン、ゴルバチョフの人気が低く、5%くらいしかないだろうと言っています。
プーチンは、最初のころは外国問題には踏み出さなかったが。NATOとの確執で、2007年以後は対外政策が大きく転換したと言っています。
元々クリミアには、ロシアの黒海におけるロシアの海軍基地があり、プーチンは、クリミアを押させておくことが自国の安全であると信じています。
又、国境周辺や黒海まわりに住む人々にとってもそうあってほしいと願うはずとしています。


ゴルバチョフとレーガンは立場の違いを超えて、お互いを信頼していたと言ってて、こうした個人レベルの好き嫌いも関係すると言っています。
もちろん、トランプとプーチンも、信頼関係があったと言っています。
しかし、民主党は、プーチンを信頼していないと言っています。

(学とみ子からの補足ですが、エリツィンとクリントンとの間には蜜月がありました。子豚の丸焼きがロシア主催のレセプションの料理として出た時に、エリツィンは自らナイフを取り出し、子豚の耳を一気に切り落として自分の口に入れ、そのナイフをクリントンに渡しました。渡されたクリントンも、エリツィンと同じように子豚の耳を一気に切り落として食べたと、ヒラリーが自伝に書いています。
ヒラリーは、夫がこうした時に役者を演じるのがとても得意の人だと書いています。
このころのエリツィンは、随分と米国にお世辞を言っているんですよ、)

ロシアは、ソ連崩壊後も、他の欧州と協調的に進む路線を模索していました。
ロシア内部の政治家からも、NATOに加盟すべく動く人たちもいました。
プーチンも、9.11のテロを受けた米国に、一緒にアフガンテロと戦おうと米国に申し出ていたそうでした。

演者Pozner氏講演後に、会場からの質問を受けつけていました。
ウクライナ出身だという会場の男性から質問がでて、プーチンを擁護する演者に反論があり、会場からも拍手も出ていました。
プーチンが御しがたい人物で、ロシアの民主化にマイナスであるということは、演者Pozner氏も認めていました。

この質問者は、プーチンの独裁者としての姿勢を強調していました。演者の見方とは違って、プーチンの問題点を雄弁に指摘していました。
この質問者は、”プーチンが平和を愛する人である!”と演者が言ったことに対して賛成しかねるとの抗議をしていました。
これに対しては、Pozner氏も、そうは言っていないと首を振っていました。
世の中は、一つの窓から評価するのではなく、マルチポーラーであるべきとの論理の展開です。


一方で、演者Pozner氏は、若い女性質問者に対しては、ソ連の時代に生まれ育った価値観の世代でない若い世代がもっと声をあげて、プーチンと対話をする姿勢をとることが必要であると身振り手振り入りで強調していました。

演者Pozner氏のスタンスは、人間同士が好意的に歩み寄り会話を続けることが、政治でも、紛争解決でも必要であると言いたいようです。

ジャーナリストという職業は、メンツがかかる大国のトップ同士が友好関係にある時、あるいは敵対関係にある時などの多様な状況での人間像を記事にしています。マスコミ人は戦争で死ぬ人たちもウオッチしてます。

演者Pozner氏は、信頼関係を失ったトップ同士がいることで、一般人が被る悲劇を予期しています。
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コメント

学さん

気まぐれぺルドン
今度のウクライナ戦前の状態で、ゼレンスキーと倍て線の関係は深い物があります。バイデン息子の汚職に関しては、ウクライナの検察は証拠を握っていたのですが、バイデンの失言に寄れば、1憶弗で検事を左遷してしまった。ゼレンスキーは立った3年足らずで、ロンドンの高級住宅を扱う企業と側近と共に関係を暴露されている。ゼレンスキー体制下汚職塗れの体質に失望したウクライナ国民の支持率は20%程度で、低落中だった。ロシア軍の進行で90%台になっている。

ドンパス地方はロシア人が70%程を閉め、40万人程はロシアの国籍を持っている。二重国籍と思われる。これに対しウクライナ極右軍は敵対し、ロシア人達の虐殺も行われている。ドンパス地方は自衛軍を持って防備している。それに対し、ゼレンスキーはトルコ製ドローンを使い攻撃して来た。防備出来ないロシア人部隊がプーチンに3万人のロシア軍増援を頼んだ。
プーチンは国境に軍を派遣し、牽制したが。ゼレンスキーはプーチんの警告を無視続けた。
この様な立場が弱いゼレンスキーが強気でいられたのは、バイデンとの密約があったと考えるのが常識でしょう。

バイデン支持率は降下し続け、秋の中間選挙では必敗と見られている。アフガニスタンからの米軍撤退と言うより、敗走同然はバイデンの支持率を悪化し続けた。一方武漢ウイルスの隆盛・インフレ、中南米難民の増対大とバイデンの支持率は低迷を続け、この重圧を跳ねのけるには、ウクライナは格好な存在だった。ここでロシアを引き込む戦争が起これば、戦争はバイデンの人気を高めると考えた。

バイデンの思惑通り以上に言っているが、ロシアとの戦争は米国の存在を賭ける事になる。ましてロシアと中国が手を結んだ以上、米国はこれまでにない重圧を感じさせられている。秋の中間選挙までに、バイデンは支持率を上げられるか、怪しい。こんな状態でも、トランプの人気は抜群なのです・・・

Re: セイヤ

学とみ子
ペルドンさん、コメントありがとうございます。

割り込みでごめんなさい。

当ブログの乏しい世界感からすると、ロシアはドンパス独立勢力に武器を与えていたそうですね。
結局、武器で暴れる住民活動は違法でしょう?

民主主義なら、住民から政権に要求を出して住民の総意を示すという手段があります。何年にもわたり粘り強く続ける必要があります。

ロシアは、権力が民意を抑えている国だから、問題があるのではないでしょうか?
プーチンは、政治的ライバルを毒殺してます。
反体制のアレクセイ・ナワリヌイ氏も、CNNのインタビューで、命の危険を訴えています。

ドンパス独立勢力がそんなに優勢なら、住民選挙で民意を示すはありでしょう?

こうした政治活動は、言論の自由が無いと可能ではありません。
デモをすると逮捕されたり、15年の刑務所行が簡単に法律化できるロシアです。
ウクライナ問題を契機に、ロシアがもっと開放されれば、皆ウインウインでしょう?
戦死したロシア兵隊の悲劇が語られます。

今回の、ウクライナ侵攻は、米国、NATOを結束させてしまい、米国を分断して権力が欲しいトランブ氏にとっては不利になったと言われてます。
ペルドン流では、どのような評価があるでしょうか?



セイヤ

気まぐれぺルドン
下ネタじゃないが、いつの頃から落語の落ちを付ける様になったんだ・?
腰巻だけでは寒いから、褌する習慣になったのか。
あれは今も難波で流行り出しているが、江戸娘には似合わない。

NATOは確かに軍事同盟だが、ウクライナは加盟していない。しかもロシアとドンパチの最中だ。
「戦争がやって来た」とEU埜女委員長は勇ましく叫び演説したが、ウクライナの栄光を叫びながら、ウクライナに加勢して戦争だとは叫ばない。条約に反するからだ。その代わりに兵器を送る事に下。これは戦争行為でもあるが、ウクライナに戦わせ、ロシアを出血させる為だ。

そもそも直接の原因は、ウクライナ軍がゼレンスキーの大統領命令で、ドローンを使いドンパス地方のロシア人部隊にに攻撃を掛けて来た事だ。耐えきれなくなったドンパス独立勢力がプーチンに頼った。プーチンが再三再四、ジレンスキーに警告を与えたが無視され、ここから戦争が始まる。

ゼレンスキーがドンパスのロシア人独立勢力への攻撃を止め、NATOとEU加盟を見送れば、戦争は起こらなかった。その責任はゼレンスキーは一切触れない。ユダ王国を亡ぼした血筋が流れているのだろう・・・

Re: ウクライナ 2

学とみ子

セイヤさん、コメントありがとうございます。

ぺルドンさんも、セイヤさんも、多層的にものを考える人なので、学とみ子からすると男性的思考として参考になります。

ひとつの方向からは評価しないということです。

女性からすると、戦争は早くやめて!、なんで領土がそんなに欲しいの?もうあきらめた方が良い!人命の方が大事!と思うのです。これしか考えません。

でも、男性思考は理解しないといけないと思うので、学とみ子はいろいろそこを考えたりします。

歴史も政治も男性が支配しているわけだから、そこにからむ女性の役割を考えます。

戦争をする権利というのは政治家が独占的に持つという現実がよくわかりますね。







ウクライナ 2

セイヤ
ペルどんに、下ネタであしらわれようが、バカにされようがどうでもいいけど、今回のロシア侵攻で忘れてならないのはNATOは軍事同盟だということだ。
よく「力による現状変更は許されない」とロシアを批判するが、ウクライナがNATOに加盟しようとする行為は先に「数の力で現状変更を企てた」ものではないのか。
ウクライナが、新たにNATOに加わればロシアは穏やかではいられない。この辺の欧米人の感覚は日本人にはわからない。
彼奴らは、「右の頬を打たれたら、左の頬を出せ」とは裏腹に右も左も打って原爆を落とす。
一方、日本人は仇討ちが許されていた国で、「江戸の仇を長崎で討つ」と言うように、人に恨みを買うような振る舞いをすると、いつ、如何なる時にも仕返しされると言う「仇討ち」が抑止力となって、高い道徳心が生まれた。
こういう話がある。
昔、大掃除に使う「はたき」を作って売り歩く職人がいたが、「はたきー、はたきはいらんかぇー」と叫べども一向に売れない。
見かねた息子が「オレが売ってやる」と名前を采配と変え、「采配ー、采配はたいらんかぇー」と売り歩いたところ名前が「幸いー、幸いー」と聞こえ、何やら縁起物らしいと買って行く人が続々現れ、大評判となった。
このことを聞き及んだ奉行様は早速その息子をお呼び出しになり、お褒めの言葉と金五貫を下し置かれた。
その理由は、親のはたき(仇)を売った(討った)。
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