初潮が早い人では、死亡率が高い

このブログでは、加齢に伴う変化を、病気ととらえることのないよう、いろいろな情報提供をしていきます。
体の現象を、多角的にとらえることのアドバイスです。
 
女性の健康疫学についての情報提供です。シリーズでお伝えしている日本の代表的疫学研究JACC研究です。

日本の女性の閉経は、平均51歳ですが、ちょうど、このころの女性たちは、家庭的や身体的のトラブルを抱えています。女性たちは、過去のいやな経験を積んで、より物事の見通しが立つようになっています。

先の見通しがたつと、やりたくないこと、やりたいことのメリハリが、出てきます。
それは一種の学習効果ですが、それをネガティブにとらえる人では、やる気がおきなかったり、がんばれなくなってしまったとの気持がおき、落ち込むことが多くなります。

そうした更年期の不調は、ホルモンが低下するせいとの宣伝が、街にあふれています。
モノを売りたい人の言葉にふりまわされても、良い事はありません。モノでは解決しない問題が多いと思います。
 
閉経の年齢は、昔とくらべてあまり変化はしていません。これは、何を意味するのでしょうか?
閉経年齢が意味するものは、人はその周期で生きる動物であるということでしょうか。
 
今日は、閉経ではなく、初潮の話題です。初潮研究からも、いろいろ見えてくるものがあります。
初潮が早い人と、遅い人を比べると、何が発見できるでしょうか?

初潮と死亡率の関連は、疫学で良く観察されるUカーブの現象です。
Uカーブは、例えば、酒と死亡率の関連、コレステロールと死亡率などで現れる関連です。

酒が少ない人(コレステロールが低い人)と、酒が多い人(コレステロールが高い人)は、死亡率が高くなり、平均的な人では死亡率が低くなります。
横軸に酒やコレステロールの量をとると、縦軸で示した死亡率はU-カーブを描く現象です。
 
初潮との関係も、同様の結果です。
すわなち、初潮が早い人、遅い人は、標準的な人と比べて、早く死亡するとの事実でした。
Eur J Epidemiol. 2011 ;26(10):771-778.  PMID: 22006230

40-79歳の55,128 人の日本人女性を、1988-1990に募集し、その女性たちを 2006年まで経過を追いました。
初潮年齢と、追跡期間中の死亡についての関連を見ました。14歳で初潮が来た女性たちを基準年齢の1として、それより若い年齢と、14歳以上の年齢群で、死亡率を比較しました。
 
カッコ内は、95%信頼区間です。いろいろな条件を組み合わせて計算をするので、こうした幅のある値となります。
信頼区間が狭いほど、その数値の信頼性が高いのです。1を超えていると、確実に死亡率が高いと言えます。1をまたがる値は、確定的でないという意味です。今回は、早く初潮を迎えた女性群で死亡率が高くなっていました。

以下が結果です。
9-12歳での初潮した人の、死亡率は1.16 (1.01-1.32),倍
13歳での初潮した人の、死亡率は1.01 (0.92-1.11) 倍,
14 歳での初潮(基準年齢) 1.00,
15歳での初潮した人の、死亡率は0.97 (0.90-1.05) 倍,
16歳での初潮した人の、死亡率は0.98 (0.91-1.05) 倍,
17歳での初潮した人の、死亡率は0.92 (0.84-1.01) 倍
18-20での初潮した人の、死亡率は1.05 (0.96-1.14) 倍
 
初潮が早い人、遅れる人では、何らかの身体的トラブルを抱えている場合があります。
この対象女性たちを、長い年月にわたり追跡していければ、初潮年齢の影響が強くなる可能性があります。すなわち、追跡観察年数が増加すると、初潮年齢と健康度の関連がより正確に把握できることになります。
 
基準年齢で初経を迎えた女性の死亡率が、それ以外の年齢群の死亡率との差が拡大しそうです。その結果、平均年齢で初潮を迎えた女性は、死亡率が低い(長生きできるう)との事実がよりはっきりでるかもしれません。しかし、これも、実際に追跡してみないと正確なことは言えません。

いづれにしろ、動物の老化は、宿命的なものなので、それを人の叡智がどのように変えていけるか?期待はできます。
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コメント

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コーヒー
ふむふむ
先生がんばって~
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