ピルを長期に使っている人では、病気や死亡は増える?

Royal College of General Practitioners' oral contraception study(ロイアルコレッジ開業医によるピル研究)の紹介の続きです。
 
疫学研究は、長期に追跡するほど、優れた研究となるでしょうが、追跡中にドロップアウトする人もおおくなり、データにバイアスすることもあると思います。
 
当初のロイアルコレッジ開業医によるピル研究は、1400人の開業医が直接、患者の死亡をチェックしていたようです。
 
追跡研究の途中から、75%の女性をNHSのデータに移行しています。途中から(、死亡原因解析は、開業医による確認作業でなく、英国健康保険システムNHSのコンピューターを用いた集計になっています。
 
1999年には、どのような結果が発表されていたのでしょうか?
 
1999年は、BMJ(ブリティシュメディカルジャーナル)に25年間の追跡が発表されています。
この時の、女性の平均年齢は、49歳でした。この年齢層では、ピル群と非ピル群の病気はどうなっているのでしょうか?
 
もともと、この対象となる女性たちには、非ピル群と、ピル群の数の違いと、年齢差があります。
一応、データは、年齢群を用いて補正をしているとあります。
しかし、長期観察するほど、参加女性が加齢をしていき、年齢差が影響すると思います。最近のデータ程、ピル群で死亡が少なくなるデータになっています。
 
2010年のデータでは、ピル群は、非ピル群にくらべて、全死亡が 0.98 でした。
 
本日紹介する1999年のデータでは、その数値は、1.0 になっています。
 
しかし、注目するのは、ピルをやめて間もない人(恐らく、長くピルを使っていた人)では、死亡は増加していることです。論文の論調も、この部分に懸念を表明しています。
 
以下が、1999年のロイアルコレッジ開業医によるピル研究論文です。
 
25年の間で、追跡中の女性のうち、1599人が亡くなりましたが、その死亡率は、ピル群、非ピル群で、両群に差がありませんでした。 (相対リスク1.0倍, 95% 信頼区間 0.9 to 1.1; P=0.7) 。
 
ピル群には、がんが多くなる臓器と、がんが減少する臓器があります。
減るのは、大腸、子宮体がん、卵巣がん。
 
しかし、増えるがんには、子宮頚がん1.7倍、肺がん1.2倍、肝臓疾患は増え、肝がんは、5倍に増えています。 循環器疾患は、1.2倍に増えます。

現在も使用している、及び、最近10年以内まで、ピルを使用していた女性を、それ以外の女性と比べました。全部のがん死亡は、1倍で、非ピル群と差がでていません。
 
卵巣がんは、0.2 (0.1 to 0.8; P=0.01)と減っていますが、子宮頚がん2.5倍 (95% 信頼区間1.1 から 6.1; P=0.04)と増えています。

心循環器系疾患による死亡は、1.9 倍(95% 信頼区間1.2 から3.1, P=0.009).に増加しました。
 
カッコ内の数値(95% 信頼区間)が、1を超えている場合は、確実に増えていると言えるとの意味です。
 
ピルを10年以上前にやめている女性では、そのような超過死亡はなかったとしています。
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