避妊用ピル(OC)は、葉酸、ビタミンB6,12 レベルを低下させるのか?

ピルの安全性についてのデータは、過去ブログで紹介してきたように、ピルの効能に対して好意的な立場で書かれています。
 
多くの関係者が臨む安全であってほしいとの希望が、論文の結果に影響を与えているような気がします。使う女性も、処方する医師も、作る製薬メーカーも、安全であってほしいと願っています。そうした人々の思いが、データに影響を与えます。
 
生殖医学の論文を読んでみると、そうした論調はさらに顕著です。人工授精で生まれた子どもが健康であってほしいと願うのは、関係者すべての願いです。
 
残念ながら、人工授精で生まれた子供は、発育不全や遺伝異常は、自然受精に比べれば、有意に増加しています。しかし、そうしたリスクを解析しながらも、人工生殖医療で生まれた子どもは、多くが健康で、人工介入の成果は、従来通りに安心できるものと論文に書かれています。
 
“安心できる“の表現は、際立って高率に異常児が生まれることは無かった(だから、安心できた!)。
 
ピルは、普段、健康な人が使用するものですから、ピルは安全なものであってほしいでしょう。
 
今回は、こうした希望に水をさすようなデータですが、ピルを飲んでいても、うっかり妊娠してしまった人が、妊娠を継続した場合、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12にご注意との論文です。
 
葉酸と、ビタミンB12はまず欠乏が起こらないが、ビタミンB6に関しては、欠乏症が起きるリスクが高いとの米国からのデータを紹介します。
Nutr Rev. 2011 Oct;69(10):572-83.  PMID: 21967158
 
初期の疫学研究データでは、避妊用ピル(OC)が、葉酸レベルを低下させると言われていました。この頃のOCのエストロゲン含有量が、現在の製剤より高くなっていました。最近のデータでは、OCが葉酸レベルを低下させることはないとされています。妊婦の葉酸不足は、胎児に重大な影響がでますね。
 
しかし、多人数を扱う人口ベースの疫学データでは、ビタミンB(6)低下に関して、現在の低用量OCでも、ビタミンB6低下の可能性があることを示しています。
 
OCユーザーだった女性が妊娠すると、血漿のピリドキサール5'-リン酸塩濃度の低下が観察されています。この物質が低下は、体内のビタミンの貯蔵が低下した状態を反映する可能性があります。
 
ビタミンの貯蔵が低下した女性では、妊娠を継続していく過程で、ビタミンB(6)不足の危険にさらされることになります。
 
 ビタミンB(12)レベルに関しては、このようなことはないようですが、詳細に関しては、今後の調査を待たねばなりません。
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

トラックバック