外交官や権力者が発するなまの「せりふ」が書かれた記事がおもしろい。

STAP事件は、偽物(マスコミ)が、本物(STAP論文著者)を潰した事件と、当ブログは書いた。
従って、この事件は、今後、いくらでも事の展開は変化しうる。
誰かの証言により、実際に起こっていたことがどのような状況であったのかを、一般人は知ることになる。
だれか、内部状況を知っている人が、真実の一部を暴露するかもしれないからである。

その時、一般人は、やはり、STAP細胞を良く勉強をしておきたかったなあ~と思うかもしれない。

事件が起きた当初は、いろいろな事情により語られないことがあるが、やがて、かかわった人たちから自然と言葉がでてくるのであろう。

真実に向けて進もうとする人々の気持ちは普遍で、強いものである。

たとえば、独裁者に立ち向かおうと頑張る人たちがいる。
世界中にいるそうした頑張る人たちは、独裁者のいるロシアや中国には当然、多くいるし、独裁者をめざす危険人物がいる米国にもさまざまな職種で存在している。

米国の政治闘争をみていると、対抗勢力同士が、訴訟合戦などで、新たなバトルを次々と繰り返しているのである。
特に、独裁者トランプの権力に立ち向かう人たちの努力が逐一、世界に発信されている。
権力に対抗し、立ち向かうマスコミ人たちの努力も熱い。それこそ、マスコミ報道には政治家、大学教授など、次々と登場してくる。
裁判が、複数の場所で行われ、一つの裁判が終わっても、次にまだまだある。
トランプ裁判を担当する裁判官、検察官も、主役を変えて複数で登場してくる。



ウエッジオンラインがよくまとまっていると思う。

タイトル 起訴なんて「へっちゃら?」成果上げるトランプの選挙戦略
タイトル トランプ起訴、4つの注目点を挙げる

トランプは、「国家を欺こうと共謀した罪」など、4つの罪状で起訴されている。

海野素央 (明治大学教授)氏の記事では、
起訴状によると、トランプ前大統領と共謀者は、激戦7州(西部アリゾナ、南部ジョージア、中西部ミシガン、西部ネバダ、西部ニューメキシコ、東部ペンシルベニア、中西部ウイスコンシン)を標的にして、虚偽の「選挙人名簿」を作成した。そして、米連邦議会議事堂で21年1月6日に選挙結果確定の手続をする際、司会進行役を務めるマイク・ペンス副大統領(当時)に、合法的に選ばれた選挙人を拒絶し、虚偽の選挙人名簿を使用して手続を行うように、説得を試みた。
・・・・・
>しかし、トランプ前大統領はスミス特別検察官とバイデン大統領を結び付け、彼らが「共謀」して、自分を起訴したかのように演出するだろう。スミス特別検察官をバイデン大統領の「共謀者」に仕立て、「共和党予備選挙で独走する自分を引きずり下ろすために起訴した」と、支持者にアピールするのだ。

>「裁判」と「選挙」は全く別物だが、トランプ前大統領は双方の境界線を消して、ブレンドするという前代未聞の選挙戦略をとっている。この点は看過できない。


頭の良い知識人は、どのようなズルでも考えつくのだ。

組織ぐるみの犯罪と書かれたウエッジオンライン記事では、

> 一方、ジョージア州フルトン郡のファニ・ウィルス地区検事(民主党)は、「威力脅迫および腐敗組織に関する連邦法(RICO法:Racketeer Influenced and Corrupted Organization Act)違反とみなし、トランプ前大統領の元弁護士ルディ・ジュリアーニ氏、元大統領首席補佐官マーク・メドウズ氏および元ホワイトハウス弁護士ジョン・イーストマン氏等、18名の共謀者の氏名を公開した。

・・・・・
>では、なぜウィルス地区検事は、18名の共謀者の氏名を公開したのか。同地区検事は、20年米大統領選挙においてマフィアのような「犯罪組織」が存在し、組織ぐるみの大規模な犯罪が行われたという強いメッセージを発信することができた。また、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が指摘するように、18人を起訴すれば、複数の被告人と司法取引を結んで、重大証言を引き出せる公算が高まるという狙いがあるとみてよい。

・・・・・

裁判を通じて、トランプ前大統領は「私はあなたのために起訴された。あなたのために犠牲者になった」というメッセージをMAGA(Make America Great Again:「米国を再び偉大にする」運動に参加しているトランプ支持者)に送り、彼らの結束を図ることは確かだ。腐敗したバイデン政権と一族の犠牲になったというメッセージは、資金集めにも効果的である。トランプ前大統領は、裁判を選挙戦略に組み入れた戦略を実現するだろう。

・・・・

米メディアによれば、チャトカン判事は米連邦議会議事堂襲撃事件に参加したトランプ支持者の内、少なくとも38名を有罪と決定している。検察官の求刑よりも厳しい判決を下したケースがあり、「タフな裁判官」とみられている。

 そこで、トランプ氏弁護団はレッドステート(赤は共和党のシンボルカラー、共和党が圧倒的に強い州)のウエスト・バージニア州で裁判を行うことを求めている。

 >一方、ジョージア州でのトランプ裁判を担当するのは、無作為に選ばれた新人のスコット・マカフィー判事(34)である。マカフィー判事は22年12月、同州のブライアン・ケンプ知事(共和党)によってフルトン郡上位裁判所の判事に任命された。ケンプ知事は20年米大統領選挙に関して、「トランプ前大統領は選挙に敗れた。不正はなかった」と主張している。





マグショットが取られたトランプ協力者たちは、社会的にはしかるべき人たちである。
その人たちは、トランプのために協力したとされている。
一般人をも巻き込む、社会に深く浸透した大きな政治的対立がわかる。

しかし、こうした対立がよりよく傍からも見えるという政治状況はやはり大事である。



このように、いろいろあからさまな状態の米国に比べて、ロシアの状況は全く異なる。
そのロシアで何が起きているのかは不透明だが、長い間を通じて、西側の外交官たちが感じたロシア外交の変遷についての記事が興味深い。

BBCのロシア語記事とのことだが、日本語訳がでている。
プーチンが政治的権力を拡大していくにつれて、ロシアの外交官が変化していってしまったとの様子が書かれている。
外交官たる人たちが、外交官たる人たちでいられなくなるプーチン体制下の政治環境ということなのだ。

前回記事の垣根涼介氏曰く 「腐ったリンゴを上に置くと、その下のリンゴは皆、腐ってしまう」ということだ。
下のリンゴは、腐らないようにとの自己防衛能力を発揮できない状況に追いやられてしまうロシアの様が語られている。

テレビで国際会議が開かれ、映像には各国の首脳がにこやかに話す映像が流れる。
一般人は、それしかなじみがない。
特に、日本では一般のニュースで会議の内容が具体的に語られることが少ないと思う。
記者のまとめた印象やら、通り一遍のお題目のような説明が中心である。
だから、以下のBBC記事のように、人が生々しく対立する様子や言葉が書かれているものは興味深いと思う。
では、そうした外交官や権力者の生の「せりふ」が書かれた部分を紹介する。


2023年9月7日
タイトル 脅しと侮辱とクレムリンの「ロボット」……ロシア外交、プーチン政権で消えたも同然
セルゲイ・ゴリャシュコ、エリザヴェタ・フォフト、ソフィヤ・サモヒナ BBCロシア語

2021年10月、米国代表のヌーランド米国務次官は、「ロボットのように話す」ロシアの外交官たちの様子にショックを受けたのだという。
2000年には、プーチンはBBCに西側との協調を語り、英国首相ブレア氏も友好関係の構築に努めた。

この記事は、以下を書く。

新しい冷戦が始まっているという最初の兆候は、2007年に表れた。その年のミュンヘン安全保障会議で、プーチン氏は30分間にわたり、激しい調子で演説した。いわく、西側諸国が一極世界を作ろうとしていると。

>ロシアの外交官たちはこの論調をしきりに繰り返した。翌年にロシアがジョージアに侵攻した際、セルゲイ・ラヴロフ外相はイギリスのデイヴィッド・ミリバンド外相にこう毒づいたそうだ。

>「私に説教するとは、いったい何様のつもりだ?」

・・・・・・・

>しかし、アメリカ政府関係者は間もなく気づいた。ロシア側の当局者は、西側を日に日に敵対視するプーチン氏の言動を、そっくりそのまま、まねしているだけなのだと。何が起きているのか、事態は明らかだったと、バラク・オバマ政権で国家安全保障問題担当の大統領副補佐官を務めたベン・ローズ氏は話す。

>ローズ氏は、2009年にオバマ大統領がプーチン氏と朝食を共にした時のことを振り返る。BGMは、民謡のオーケストラ演奏だった。ローズ氏によると、プーチン氏は両国の協力関係について話すよりも、自分の世界観を語ることに熱心だったという。そして、オバマ大統領の前任ジョージ・W・ブッシュ氏がいかにロシアを裏切ったか、語り続けたのだと。



ロシア外務省のザハロワ報道官は、「芝居がかった」記者会見で知られるそうである。
Spokesperson for the Russian foreign ministry Maria Zakharova is known for "theatrical" press briefings
この女性の登場以来、ロシアの外交は、西側とわたりあえる品格と思慮深さを失ったと、記事にかかれている。
つまり、本物の外交官がいなくなり、プーチンのイエスマンだけになっていたったとの実態が書かれている。


>2015年に外務省報道官となったマリア・ザハロワ氏が、その新しい展開の代表的存在だ。

>「彼女以前は、外交官は外交官としてふるまい、洗練された言葉遣いを選んでいた」。ウクライナ侵攻に抗議してロシア外務省から辞任したボリス・ボンダレフ氏はこう言う。

>しかし、ザハロワ氏の登場と共に、ロシア外務省の定例記者会見は、見世物と化した。答えにくい質問をする記者に向かってザハロワ氏が怒鳴るのはしょっちゅうで、外国からの批判に同氏はしばしば侮辱でもって応えた。



Her diplomatic colleagues were going the same way. Mr Bondarev, who used to work for Moscow's mission to the UN in Geneva, recalls one meeting where Russia blocked all proposed initiatives, prompting colleagues from Switzerland to complain.

"We said to them: 'Well, what's the problem? We are a great power, and you are just Switzerland!'

"That's [Russian] diplomacy for you," he says.

This approach was aimed at impressing Russians back home, says Mr Gabuev, the foreign policy analyst.

But an even more crucial target audience for diplomats is their own bosses, according to Mr Bondarev. Official telegrams sent to Moscow after foreign meetings are focussed on how passionately diplomats defended the country's interests, he explains.

A typical message, according to him, would be something like: "We really gave them a hard time! We heroically defended Russian interests, and the Westerners couldn't do anything and backed down!"

If everyone writes about "putting Westerners in their place" and you write that you "achieved consensus", you will be looked at with disdain, he says.

>ザハロワ氏の同僚たちも大差はなった。スイス・ジュネーヴでロシアの国連代表部の一員だったボンダレフ氏は、ロシア側がすべての提案を拒絶した会議のことを振り返る。あまりのことに、スイス側の外交担当がロシアに抗議したのだという。

>「『何か問題でも?』というのがこちらの答えだった。『我々は大国で、そちらはただのスイスじゃないか!』と言い返した」と、ボンダレフ氏は言う。


>しかし、外交官にとってさらに重要な「観客」は、自分たちの上役なのだとボンダレフ氏は言う。外国要人との会談後にモスクワに送られる公電は、ロシアの外交官がいかに自国権益を熱烈に擁護したかが、その内容の中心なのだと。

>ボンダレフ氏によると、典型的な外交公電の内容とはたとえばこうだ。「相手を本当に大変な目に遭わせてやった! 我々はロシアの国益を果敢に擁護した。西側は何もできず、引き下がった!」。

>「西側の人間に思い知らせてやった」と書きつつも、「合意を形成した」などと書こうものなら、見下されて当然だったのだと、ポンダレフ氏は言う。




ボンダレフ氏はウクライナ侵攻に抗議して、ロシア外交官の職を辞任したとのことだ。

さらに記事は続く。


Mr Bondarev recalls a dinner in Geneva in January 2022 when Mr Ryabkov, from the foreign ministry, met US officials. US First Deputy Secretary of State Wendy Sherman hoped to avert the invasion of Ukraine through 11th-hour negotiations.

"It was awful," says Mr Bondarev. "The Americans were like, 'Let's negotiate.' And instead Ryabkov starts shouting, 'We need Ukraine! We won't go anywhere without Ukraine! Take all your stuff and go back to the 1997 [Nato] borders!' Sherman is an iron lady, but I think even her jaw dropped at this.

"[Ryabkov] was always very polite and really nice to talk to. And now he's banging his fist on the table and talking nonsense."


2022年1月にジュネーヴで開かれた夕食会では、ロシア外務省のリャブコフ氏がアメリカ当局者と会談した。元ロシア外交官のボンダレフ氏によると、ウェンディ・シャーマン米国務副長官は、期限ぎりぎりの交渉を通じてロシアのウクライナ侵攻を回避しようとしていた。

>「最悪だった」と、ボンダレフ氏は言う。「アメリカ側は『さあ交渉しよう』といった感じだったのに、リャブコフ(次官)が怒鳴り始めた。『ウクライナが必要だ! ウクライナなしではどこにも行かない! さもなければ荷物をまとめて、1997年の(NATO)国境に戻りやがれ!』と。シャーマン氏は鉄の女傑だが、その彼女でさえ、これには開いた口がふさがらなかったのだと思う」

>「(リャブコフ氏は)長年、とても丁寧で話しやすい相手として知られていた。それが今では、テーブルをどんどんとたたいて、でたらめをまくしたてていた」



・・・・・

Russia seems set on relying on its military machine, intelligence services and geo-economic power for influence - rather than diplomacy.

In these dispiriting circumstances, why aren't Russian diplomats simply voting with their feet and resigning from the foreign service altogether?

"It's a problem for everyone who's been stuck in their positions for 10 to 20 years," a former Kremlin employee told the BBC. "There's no other life for you. It's terrifying."

Mr Bondarev, the former diplomat, can relate to that. "If it hadn't been for the war, I probably would have stayed and put up with it," he says.

"The job isn't so bad. You sit, suffer a bit and in the evening you go out."


>ロシアは国際社会での影響力を維持するためには、外交よりも、軍隊や情報機関、さらには地経学的な国力を頼みにするつもりの様子だ。

>失意の状況にありながら、なぜロシアの外交官たちはこぞって抗議辞任しようとしないのか。

>「10年も20年も同じ立場にいて、ずっと同じ仕事をしてきた人間にとって、それは大変なことだ」と、元クレムリン職員はBBCに話した。「ほかの生き方を知らないのだから。恐ろしいことだ」。

>元外交官のボンダレフ氏も、その気持ちはわかると話す。「戦争がなければ、私もたぶんあのまま残って、じっと我慢していたと思う」。

>「仕事自体はそれほどひどいものではないので。座って、ちょっと苦しい思いをして、夕方になったら出かければいい」



英語の元記事

 Threats, insults, and Kremlin 'robots': How Russian diplomacy died under Putin)







英語用法についてのネット記事
太字が、上記文章で出てくる英語の表現です。
〇以後の文章は、その言葉を説明したネット記事のコピペです。


voting with their feet

ある活動やグループに自発的に参加することや、そこから撤退したりすることで、自分の好みを行動で表すことを指す。




仮定法過去の決まった言い方で,If it were not for ... 「もし・・・がなかったら」

普通はbe動詞はwas,wereのどちらでもいいと習うのですが,この場合はどうなのでしょうか。
・・・
口語では If it was not for ~ も使えます。
ただ,この表現はどちらかといえば固い表現なので,どちらかといえば,If it were not for ~ の方が頻度は高いでしょう。

また,もっと文章語になると,if を省略した上で倒置して
Were it not for ~




put up with...」で、なぜ「...を我慢する」という意味になる・・・・・

そして前置詞「with」には「物理的に一緒」という意味以外に、考え方や思想に対して「一致、同意」を表し「...に」という意味があります。「agree with you(あなたに賛成だ)」「vote with him(彼に投票する)」などの「with」がそれに当たります。





ため息さん、
>「頭の良い知識人は、どのようなズルでも考えつくのだ。」 だけが言いたいようです。このコピペ部分はトランプが裁判を選挙に利用しているということなので、トランプを「頭の良い知識人」としたいわけだ。

トランプは、「頭の良い知識人」なんて、学とみ子は思っていないです。独裁者のやり方はどのようなものか?を良く教えてくれています。

その独裁者の不正を、小規模権力を持つ人たちが、必死で止めようとしてますね。独裁者は、一般人を騙して集団暴力化させ、権力の一部として利用するのですよね。

独裁者に負けてしまったロシア社会と、負けないで頑張る米国社会ですね。

米国ニュースでは、とにかくアンカーが日常的に口論してます。対立点をすごく激しくやりあって、最後は、時間が来て「ありがとう」であっけなく終わりますね。

とにかく、武器を持たず、激しく言論でやりあうルールです。追及される人は、多数から追及されます。ですから、反論能力が、ものを言います。反論の根拠は、データ、エビデンスの列挙です。

武力で脅すのはダメ!の方向に、世界は、進んでいます。

もっとも、平和を進めるための方法論が、やっぱり今っぽいです。つまり、情報を利用するというやり方です。国家間の情報がオープンかつコストが低くなって、弱者同士がより協力できる状況になってます。特殊な高官しか情報を持てない!外国語はわからない!外国政治制度に詳しくなくても、他国の情報を知ることができる現状があります。

腸内細菌、皮膚常在菌のように、多種多様な細菌がバランスをとることで、生体免疫を刺激せず、生体の恒常性が維持されています。小国同士の協力は、これと類似の現象です。

小さな国、発展途上国でも、多くの人たちが協力することで、暴力により権力を獲得しようとする一部の人間に対抗できます。
一般人が、邪悪な権力と戦うためのツールが情報です。

STAP事件においても、「ES捏造行為は、科学的に可能ではない」を理解する一般人はいなくならないですからね。情報を受けとる一般人の資質によって、情報の正当性、信頼性は確保されます。正当でない情報、信頼性の無い情報は、一般人によって見抜かれるという意味です。

一般人は、とにかく幅広い!いろいろな業種のノウハウが生かされます。最初は見当外れでも、やがて、学びによって修正され、大多数が、共通の落とし処に向かいます。学べない者は、悪口だけしか言えなくなります。

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