分化細胞への酸浴刺激は、内在的なリプログラミング現象をカスケード的に起こせるのではないか?が期待されたのです。

STAP細胞事件から、早10年、まだ、この事件に多くの人が関心を維持していることは確かであると思います。

調査委員会は、複数で立ち上がり、その裁定を見直して、最終の裁定としての桂調査委員会による裁定が2014年の年末にありました。
今、その時の桂調査委員会の記者会見の様子は、ニコニコ動画さんのおかげで今でも、私たちは見ることができます。

STAP事件勃発時、マスコミの執拗な小保方氏への攻撃姿勢に憤慨した日本人は多いと思います。
大手マスコミの全社が、小保方氏がESねつ造の犯人である事を前提とした報道になっていました。
ですから、桂調査委員会の裁定が出る前の一般人は、今度こそ、理研は”まともな調査結果”を発表してくれるはずと期待しました。
ところが、その期待ははずされました。
学者たちは、小保方疑惑を否定せず、さらに、桂氏はいろいろと、小保方氏を問題視して、ESねつ造の印象操作をしたんですね。

ESねつ造説は、興味本位で、素人しか飛びつかないような説ですが、なぜ、これが当初、教授クラスが信じたかというと、小保方ESねつ造説発祥の地が理研であったことが大きいです。加えて、専門家の評価のある学者たちが、ESねつ造説を支持したからですよね。

ESねつ造の状況証拠は、その後も、どんどん出てくるであろうと、当初の教授たちは思っていたでしょう。
いづれ、状況が明らかになり、
「ESねつ造現場を見た人がいたのだろう」、
「おかしな小保方氏の異常行動があちこちにあっただろう」
「小保方氏は多くの実験をごまかしながらやったのだろうから、その様子の証人もでてくるだろう」
と、内々で伝わってきたESねつ造情報に接することのできた学者たちは、そこも信じたでしょう。

ESねつ造説は、かなりの信憑性があると、当初の学術者は思ったようでした。

ところが、調査が始まると、STAP細胞実験の成果物が多くでてきました。
実際に、試行錯誤的な研究の証拠がいろいろに出てきたんです。

つまり、STAP実験の成果物は、複数の共同研究者たちの納得の元に進められていたことがわかってきました。
共同研究者内部では、何も問題も起きていなかったのですね。
研究室内での議論になるような対立も無く、疑惑も無かったのです。
むしろ、教室内での議論の元に合意があり、研究者同士で疑惑を感じ合うようなエピソードも無かったのです。

つまり、STAP実験は、共同研究者の合意のもとで、STAP論文に登場していたことも、学術者は知る事になりました。
小保方氏のESねつ造につながる直接的な目撃証言は、ついに、出てきませんでした。

重要な証言をしなければならないはずの若山研究室が、小保方ESねつ造行為への懸念について、何も語ることが無かったのです。

若山研究室の証言は、「小保方氏の実験は離れた場所での作業だった」、「人がいない時に来ていた」とかの、とてもあいまいなものでした。それも、匿名の聞き伝えのレベルの話でした。


小保方氏のそばで実験をしていた人たちからの、覚悟をもった告発なる行為もありませんでした。
日本では、全てがうやむやのうちに、ES画策学者に吹き込まれたマスコミだけが大騒ぎをする状況でした。

海外では、アンチバカンティ研究室のハーバード大学研究者が、日本のES画策学者からESねつ造情報を受けました。
日本の現場の情報を欠く米国では、ESねつ造を本気にしたのでしょう。

桂調査委員会の裁定は、「ES混入原因については、事故、故意を含めて不明であった」 とするものでした。
小保方氏の研究者としての未熟を強調していましたが、小保方氏がES混入の犯人であるとは言っていません。

桂報告書の前半部分では、STAP細胞がESであったとの証拠を、科学的に丁寧に説明しています。
一方、後半にかけて、ESねつ造へと偏向した文章に推移していきました。
特に、30頁は、調査結果という範疇を超えて、小保方氏にES混入の責任を関連つける印象操作が目立ちます。


桂氏は、小保方氏がES混入の犯人であるかのような印象操作をやりすぎてしまいました。
小保方氏がやっていない実験まで、桂氏は、小保方氏の実験であるかのような言い方をしていきました。
桂調査委員会は、実際の実験的な調査作業をやったのではありません。
実際の実験作業は理研内部の学者の手によるものです。
幸い、桂報告書には、メチル化実験は若山研究室のスタッフがやったと記載しています。
理研内部で調査をした学者たちは、ここをきっちり書いておきたいと思ったのでしょう。
桂調査委員たちも、一応、メチル化実験実施は若山研究室スタッフによると書いています。


桂調査委員会は、「実験結果を出さないのは小保方責任」と言っているものの、個々の実験を誰がやったのかの詳細を明らかにしていません。
つまり、小保方氏がやってもいない実験について、小保方氏を追及しているのではないか?と、外部から批判が可能です。
ここが一番の問題です。

特にチップセック実験は、STAP細胞は、ESのような動きをしている状態が示されており、実験の時期は重要です。
この実験をいつ誰がやったのかが公開されておらず、2014年12月記者会見の場で、伊藤氏の発言で、2012年8月であったことが確認できました。
記者たちは、この実験についての詳細な知識が無く、熟練した腕と手間暇がかかることを知らされておらず、小保方氏の単独実験と思っていたようです。

小保方氏がサンプルをGRASに混合サンプルを持ち込んだのが2013年なので、チップセック実験もリバイス時の小保方氏の手によると記者は考えていたようです。
実際、そのような誤解が起きるようにと、桂報告書には書かれていますね。
これを、調査委員の一人であった伊藤氏が打破しました。
伊藤氏はきっちりと、若山研究室における実験であると明言しました。
恐らく、伊藤氏は、多くの実験が全て小保方責任になってしまうのを避けたかったのだと思います。



基本的に、桂調査委員会は、実験の内容を公開しない方針をとりました。
実験の詳細を明らかにすることは、小保方ESねつ造の印象操作はやりにくくなります。


桂報告書の30頁の文章が、特に問題あるものです。

規程での不正行為とは、「捏造、改ざん、盗用」のことである。本調査委員会は、小保方氏が細胞増殖曲線実験(Article Fig.5c)と DNA メチル化解析(Article Fig.2c)において、データの捏造という不正行為を行ったと認定した。このような不正行為が健全な科学の遂行と発展に大きな妨げになることは、言うまでもないことである。


細胞増殖曲線実験(Article Fig.5c)も DNA メチル化解析実験は、小保方氏がやったとの証拠を示せていませんね。
細胞増殖曲線実験はすでに、過去にデータがあるような実験ですから、新たにやりません。
メチル化実験は、若山研究室で以前からやられているもので、小保方氏以外の人です。
桂調査委員会は、この実験者に詳細を聞くべきなのにその義務を果たしていません。
これを捏造判定としました。

上記の「健全な科学の遂行と発展に大きな妨げ」なる文言は不要です。
個人的思惑が強く影響する建前論をここに入れ込む事は、ここで似つかわしくありません。


しかし、STAP 論文に関して、科学論文およびその基礎となった研究の問題点まで視野を広げると、ここで認定された研究不正は、まさに「氷山の一角」に過ぎない。たとえば、以下の 4 つの点をとってみても、非常に問題が多い論文と言える。
第一は、本調査により、STAP 細胞が多能性を持つというこの論文の主な結論が否定された問題である。その証拠となるべき STAP 幹細胞、FI 幹細胞、キメラ、テラトーマは、すべて ES 細胞の混入に由来する、あるいはそれで説明できることが科学的な証拠で明らかになった。STAP 論文は、ほぼすべて否定されたと考えて良い。これだけ多くの ES 細胞の混入が
あると、過失というより誰かが故意に混入した疑いを拭えないが、残念ながら、本調査では十分な証拠をもって不正行為があったという結論を出すまでには至らなかった。これは、本調査委員会の能力と権限の限界でもあると考える。


実験のどこかの過程で、ES混入が起きたのだから、結論が否定されるのは当たり前である。
「 ES 細胞の混入に由来する、あるいはそれで説明できる」のは、当たり前であり、小保方責任とは関係がない。

「過失というより誰かが故意に混入した疑い」と言うなら、なぜ、小保方責任をもっと追及しないのか?
桂調査委員会は、若山研究室で一緒に実験していた人たちの各実験状況を明確にしてもいないし、小保方関与についての証言を求めてもいません。
実験の実際の様子を明らかにしない方針です。

上記には、「故意に混入した」と書かれていますが、混入が可能な立場にいたのは、小保方単独であるという判断はどこから出てくるのか?

「残念ながら、本調査では十分な証拠をもって不正行為があったという結論を出すまでには至らなかった」という前に、小保方氏が、メチル化実験の結果が他にあるはずだと言っているのだから、さらに調査を深めてみないのか?そんなものは無いと、他の研究者も証言しているのか?
メチル化実験を実際に担当した若山研究室スタッフは何と言っているのか?
小保方氏が真実を語っていないとの周りの人たちの証言を公開したらどうなのか?


ES混入の責任は小保方氏にあると決められないと、桂調査委員会は言っていながら、何を又、ここで小保方氏に責任をきせるのか?ダブルスタンダードとなっている。
TAP 幹細胞、FI 幹細胞、キメラ、テラトーマの作製において、いつでもどこでも誰でも、ES混入のリスクは生じている。

第二は、論文の図表の元になるオリジナルデータ、特に小保方氏担当の分が、顕微鏡に取り付けたハードディスク内の画像を除きほとんど存在せず、「責任ある研究」の基盤が崩壊している問題である。最終的に論文の図表を作成したのは小保方氏なので、この責任は大部分、小保方氏に帰せられるものである。また、STAP 幹細胞、FI 幹細胞、キメラマウス、テラトーマなどについて、作製後の解析を行ったのも大部分が小保方氏だが、その実験記録もほとんど存在しない。本当に行われたか証拠がない(行われなかったという証拠もない)実験も、いくつか存在する(細胞増殖率測定、Oct4-GFP を持つ FI 幹細胞の作製など)。第三は、論文の図表の取り違え、図の作成過程での不適切な操作、実験機器の操作や実験法の初歩的な間違いなど、過失が非常に多いという問題である。これも、図の作成や実験を行った小保方氏の責任と考えられる。
第四は、このように実験記録やオリジナルデータがないことや、見ただけで疑念が湧く図表があることを、共同研究者や論文の共著者が見落とした、あるいは見逃した問題である。また、STAP 幹細胞やキメラについて明らかに怪しいデータがあるのに、それを追求する実験を怠った問題もある。これらに関しては、STAP 論文の研究の中心的な部分が行われた時に小保方氏が所属した研究室の長であった若山氏と、最終的に STAP 論文をまとめるのに主たる役割を果たした笹井氏の責任は特に大きいと考える。
最後の問題について、もう少し詳しく考察したい。小保方氏が実験記録を残さず、過失が非常に多いことを見逃した理由の 1 つは、プログレスレポートのあり方など、研究室運営のやり方に問題があったためではないだろうか。論文の共著者は論文原稿の最終版を全部読んで内容を承認する責任があるが、共著者全員がこの責任を果たしたのだろうか。


桂調査委員会は、STAP細胞作製以後の実験について、誰がどの実験をやったのかを明らかにしていない。
実験ノートを出さない理由について、小保方氏にどのような聞き方をしたのか?実際に、小保方氏が実験したのか?についての確認をしていない。
又、若山研究室のスタッフたちに実験の状況についての証言を求めていない。
若山氏が各実験の采配をどう割り当てたのかも明らかにしていない。

桂報告書の問題点は、調査委員会の権限で追及可能なことを、全く、追及していないのである。


こうした、やるべきことをやっていない桂報告書を見て、専門家たちは皆、本当の状況を了解しているのだと思う。
技術的に、個人によるSTAP細胞捏造操作は無理であることを、学者たちは知っているし、酸浴刺激では、ES並み細胞になるとは考えていないのです。

その一番の決め手は、若山氏が論文撤回に奔走したからです。
この若山行動を見た専門家たちは、ES並みSTAP細胞は無いことを確信しました。
本物のES並み初期化なら、若山氏がこの研究をギブアップするはずが無いのです。

精子と卵子のもとになる始原生殖細胞においては 一度分化しかけた過程を、再度、リプログラミングされる細胞機序が生じています。
このように、細胞自体が、細胞をリプログラミング能力を内在的に抱えているものの、それを人工的に引き出すことは、それまで不可能でした。
しかし、STAP細胞が発見された時は、分化細胞への酸浴刺激は、内在的なリプログラミング現象をカスケード的に起こせるのではないか?が期待されたのです。まさに、ここが世界の大発見でした。

大発見であるはずのSTAP細胞を、若山氏が必死に撤回しようとする様子を見て、専門家たちは、この画期的機序は無かったことを確信したのです、


桂裁定を不服として小保方氏が訴訟をおこすというのは、理研は警戒したと思います。
理研は受けて立つことになりますが、もともと、小保方氏をねつ造犯と裁定していません。
小保方氏は状況証拠を示しても、空振りかもしれません。
小保方氏の作製したSTAP細胞が一部初期化したとしても、その後は生きられませんし、酸浴では、内在的カスケード的リプログラミングは可能では無いのです。
理研は嘘をついたわけでもなく、困らないでしょう。

しかし、桂調査委員会は、個人のESねつ造行為を印象操作をしました。
そうすることで、理研は、諸機関 (学会、政治家、取り巻き学者、マスコミ等)に対して十分に配慮したとの姿勢は残ります。
そして、理研内部抗争の事実を消し、研究所への政府側からの締め付けの事実を消すこともできます。
諸機関全員の顔をつぶさないように、理研は十分に配慮したとの姿勢を示せます。
理研は、ESねつ造の印象操作をすれば十分なのです。


調査委員会は、仲間の研究者たちを守りたいのです。
調査委員会は、小保方氏以外の研究者は、それぞれのキャリアに傷がつかないようにしたいのです。

それでも、小保方氏は、不服申し立てもしませんでした。
小保方氏は、筆頭著者としての責任を全うしたかったのでしょう。
彼女の仕事をサポートしてくれた研究者たちのキャリアに傷がつかないための選択肢を選んだということでしょう。





30頁の記載内容の問題点は、多くを見つける事ができる。

「特に小保方氏担当の分が、顕微鏡に取り付けたハードディスク内の画像を除きほとんど存在せず、「責任ある研究」の基盤が崩壊している問題である。」



こうした記載を読むと、桂調査委員会には、小保方氏だけがいつでもどこでも怪しい人としての前提がある。

ハードディスク内の画像は、誰が管理し、それを変更することのできる人は、誰か?複数の実験者がいる場合でも、各人が個々に消去したり、変更することのできる管理体制か?

共同研究者たちが、自らの担当分野を明らかにしない状況で、小保方氏担当の分とはいかなる状況証拠に基づくのか?誰が、小保方担当分と決めたのか?桂調査委員会に小保方担当分の情報提供したのは誰か?

調査委員会は、小保方氏に、直接、「実験を担当したのか?」「あなた(小保方)が、実験のどの部分を担当したのか?」を、聞いたのか?

小保方氏が、「他に、メチル化実験データがあるはず」と言った時、「なぜ、知ってるのか?」と、小保方氏に確かめないのか?


「プログレスレポートのやり方に問題があった」と、桂調査委員会が思うなら、STAP実験結果には、なぜ、担当者間で、科学的議論も起きず、担当者たちは、結果に合意していたのか?


今朝11日のため息さん、

①当方らのPCR-電気泳動実験についての説明を理解したのか、②理解できず諦めたのか、③無駄口与太郎説を認めたのか、④学とみ子自身のデタラメ説明に自己満足したのか、はっきり明言することなく、

学とみ子が知ったのは、わかってる人が誰もいなかったという事だけだ。わかっている人からのアドバイスは無かった

だから、当ブログにとっての前進には、ため息主張は無駄だ。彼らの言い分を理解しようとすることの意味が無い。

ため息ブログは、理解していなくても、これだけ露骨に虚勢できるというのは、逆に羨ましくもある。

こうした非専門家の虚勢に、専門家が負けたのがSTAP事件だ。

非専門家は数も多いし、怖いものなしの一発勝負のはったり屋だ。学術者のなかには、学力の無いはったり屋がいる。

はったり屋同士は、お互いのはったりを許容し合う。ため息さんとplusさんを見れば良いです。彼らは、自身が知らない領域のことを、ネット検索で調べて、もっともらしい文章を書く。もちろん、自分自身は、理解していないことは自覚しているから、その反動は、派手な虚勢のフォーマンスとなる。
いつでも、ため息plusコンビは、自分自身が理解している側で、学とみ子は理解できてない側に設定する。

こんな感じだ。
plusさん、
学とみ子が謎な文章を書くのは日常茶飯事ですが、一所懸命意味を考えても無駄だった前例には事欠きませんからねえ。

彼らは、科学的知識に少し入り込んだだけで、すぐに彼らの理解範囲を越えてしまう。つまり、学とみ子の主張は理解できないのだが、そうなると、彼らは学とみ子言い分を「デタラメ」「意味不明」と見なす。周りの人たちも、plusさんと同じように、「意味不明」と思ってくれているとplusさんは見なしてしまう。

plusさんは、本気で勉強したこと無いので、大事なところで前に進めない。

間違いを書いてはいけないと、頑張る人は、進歩も確実になるが、間違いを書いても気にしないplusさんのような人は、勉学が甘くなる。だから、plusさんは、こうした負け惜しみ反応しかできないのだろう。惜しいと言えば、惜しい人だ。




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コメント

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>>③無駄口与太郎説を認めたのか、

僕の事かいな。PCRに関する私の教科書解説が間違っているのなら指摘してくれればいいだけだ。細胞生物学と発生学の基礎に関する私の先生は黒田祐樹氏の講座であり、NGSに関する先生は理研の森岡勝樹氏の講座です。教科書的知識なのだからその理解が間違っているのなら指摘されれば直ぐに訂正するね。別に困ることも無いばかりか有難いばかりでしょ。授業料も払わないで間違い指摘してくれたら感謝しかないでしょ。
無駄口与太郎説というのが「キメラが出来た理由としての若山さんによる小保方酸浴細胞核使用ntES実験説」の事を意味しているのなら、無駄飯食らい与太郎であるため息とは議論にならないに決まっている。奴はただ桂報告書の結論を繰り返すだけのスピンドクターとして雇われている学者だから、のらりくらりと話題を転じて逃げ回るだけですね。ははははは。早くブログ閉鎖しちまいな。断捨離しないと死後に恥を残すぞ。もう十分に便宜ははかって貰ったろうが。

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