小麦アレルギーで、話題提供をしました。そして、この事件が示唆するものが大きかったと書きました。
これに関して、少し考えてみました。
肌を美しく、ぷりぷりにする効果があると謳う宣伝が多い。
一流メーカーも、販売競争に参入している。
社内で製品の開発研究している研究者は、どのような思いでいるのだろうか?研究員たちは、過剰な宣伝に辟易し、現実の効果が証明できない研究結果とのギャップに悩んでいるであろうか。
商品の売り上げが伸びれば、すべて良しの世の中にあって、研究員は、泣いているのだろうか?
一方、キャッチコピーを考え出す広報社員は、そんな研究者の悩みは考えていないかもしれない。
でも、案外、そんなこともないような気がする。キャッチコピーを作り出せるようなクリアイティブ人たちは、こうした若がえり商品の本態を、きちんとみぬいているのかもしれない。
とにかく、ネット時代になって、若がえりをねらう商品は、氾濫して留まるところを知らない。
しかし、再度、皮膚に自然のもの、人工的なものをのせるのは危ないと、肝に銘じて欲しい。
そして、応用をきかせてほしい。
そして、多くの人では病気にならず、問題がないのに、一部の人だけトラブルが起きる理由を理解してほしい。
生体反応や免疫反応には個人差が大きい。人の顔も、声も、ひとりひとり、皆、違うのである。
和漢薬などは、植物由来(一部動物由来)の生体活性を持つ物質である。
体の中に入れれば、何か起きると考えるのが、普通であり、だから薬なのである。
和漢薬は、腸管を動かしたり、鎮静作用を持つ物質であり、こうしたものが、皮膚にどのような作用するかの研究成果は、極めて乏しい。
特に植物エキスなどは、多様で多彩であり、どの物質が皮膚のトラブルの原因であるかを特定することが難しい。
だから、○○エキス入りなどで、トラブルが生じた時に、すぐ気付いてほしい。
小麦石鹸事件で、人々は大いに学んだのではないかと考えるが、もしかすると甘いのかもしれない?
酵母、和漢エキス、卵蛋白など、次々に商品が出てくる。人工的に加工された蛋白質物質を肌に、のせるのは危ないのだ。
植物には、動物を刺激する物質が、さまざまに含まれている。
極端な例が植物由来の毒であり、植物は動物に食べられないための仕組みを持っている。
しかし、進化の過程で、動物と植物は、それぞれが作りだす物質を生存に利用してきた。
植物は、防衛蛋白と呼ばれる種類の蛋白質を作り出す。それは、特に動物に作用する。なぜなら、動物は、食物のつくりだす生体活性物質を利用して進化してきたのである。つまり、果物や野菜を食べると、腸管が良く動いて便がスムーズにでるとかの効果が出る。
植物は、自らの根、葉、花、種の保存のために、防衛蛋白を作り出す。防衛蛋白の構造は、植物ごとに微妙に違っていても、構造的に似ている場合が多い。植物も一つの細胞から、様々に進化してきたからであろう。
人間にアレルギーを起こすのは、こうした共通する蛋白質であることが多い。つまり、杉花粉症になると、食物アレルギーが出たり、口腔アレルギー症候群などが起きていくる。口腔アレルギー症候群とは、まず、花粉症が発症し、その後食べた後にアレルギー反応が起きて、口の中がイガイガする病気である。
話題を元に戻すと、肌はどうすれば、美しく保てるのか?。この質問は、人はどうすれば老化を避けられるのか?との質問と同じで、誰も答えを持たない。
医学は、老化を遅らせるための答えを必死で探している。
皮膚科医は、老化の予防には、皮膚に刺激を与えないようにするのが良いという人が多い。
つまり、のばしたりひっぱたりのマッサージは、長期的には皮膚に良くないだろうと思える。
昔とは考え方が違ってきた。
皮膚は刺激を与えると、免疫反応を起こす。免疫反応は体を守るだけでなく、老化(線維化)させていく。動物が酸素からエネルギーを得ている限り、皮膚は酸化ストレスから逃れられない。
人は、老化したくないと望む時、何か“モノ”を得ることで、老化しないと思えるようになるのかもしれない。
老化の基準に客観的なものはなく、本人が老化していないと思えば、老化したことにならない。
広告は、こうした心理につけ込む。
昨今、肌年齢とか、肺年齢、血管年齢とかのネーミングで、年齢を判定できると謳う検査がある。
しかし、老化は多因子で総合的な判定であり、こうした○○年齢に、惑わされてはいけないと思う。
良い結果がでれば信じても良いかもしれないが、悪い結果が出た時は、信じない方が良い。
検査が判定しているのは、あくまで、正常、やや異常、異常との判定なのである。
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