がんは、生活習慣病のような治療管理法となるかも・・・。ネーチャー最新号より

がん細胞は、骨髄に長く潜む場合と、そうでない場合があり、現代の医学レベルでは、その予測が難しいと、前号のブログで書きました。
 
今回は、このネーチャー記事の後半にかいてあることをまとめてみます。
 
後半は、どう再発を防ぐかについて考案しています。骨髄で長く、がん細胞が眠るところまで書きました。
どうして、再度、がん細胞が増殖に目覚めるのか?目覚まし時計のベルは、いつどのようなきっかけで鳴るのでしょうか?
 
元々、がん細胞にとって、骨髄は長く生き延びるのに適した場所で、骨髄では、必ずしも細胞増殖できないにしろ、潜むには適した環境になっているようです。
 
動物実験で、人の乳がんからとったがん細胞に、人工的な蛍光マーカーを付けて、マウスに移植した場合でも、マウスに乳房腫瘍ができ、そして、全身にもマーカーの蛍光が散布されている様子が観察できます。
 
元々、人の乳がん細胞は、自ら流れ出す能力を獲得している証拠です。
 
ネーチャー記事には、目覚まし時計と表現されていて、この記事では、静止状態にあるがん細胞が、再度目覚めて、増殖型への変化してしまうきっかけのベルを考察しています。目覚ましベルをいかに察知して、静止型にもどらせられるかに、治療成果がかかっています。
 
細胞は、増殖と細胞死のバランスの上にありますが、増殖をすすめるERK遺伝子系、及び、増殖をおさえるP53遺伝子系があります。p53とは、がん抑制因子として有名です。
 
乳がん細胞が、原発巣(乳房)から離れて、他の体の部位にたどり着いた時に、どちらの遺伝子系の機能、つまり抑制系か、増殖系かに行くかで、到着場所での増殖が決まると言います。ERK系が優位になると、p53系は働かなくなり、つまり際限のないがん細胞の増殖が進みます。
 
骨髄に残存する静止型がん細胞は、周囲の組織成分から、静止していなさいとの教育を受けているのですが、そうした骨髄における教育環境は、加齢と共に変化します。
 
がん患者の骨髄の免疫能力は、骨髄の細胞の状態や数、そして細胞同士の間のスペース状態などによって左右されます。がん細胞に静止を続けさせることができるのか、がんを再発させないで抑え込めるのかは、骨髄の免疫能力次第ですが、加齢、健康度などの、患者側の条件で変化します。
 
巷では、がんを避ける暮らしなどが模索されています。がんを静止させる能力には、日常的な生活スタイルが反映します。がんを避けるための、食事、運動、ストレス処理など、健康生活のノウハウが研究されています。

確実な治療効果が確認されているのは、正しい食事、十分な睡眠、ストレスをさけるなど、一般的に良く言われていることです。
 
乳がんの将来的な治療法についてですが、他の生活習慣病のような慢性疾患に準じた治療の時代になる可能性を指摘しています。
 
つまり、悪化時に強化療法を行い、具合が良い時は、治療しなくてよいという管理ができれば、糖尿病と同様に、慢性疾患として管理できるかも・・と書かれています。
 
つまり、がんが命取りの病気としての不安や恐怖から、人々は解放されます。

がんと診断された人々の感情は、再発にすごくめげ、再発がなければ命拾いをしたとホットできるものの、いつでも再発しうると悩まされ、毎日のQOLが悪化します。
 
将来、そうしたがんに対する認識から逃れられる可能性を、この記事で指摘しています。
 
がんの治癒にむけての戦略の一つは、慢性病とおなじ管理の可能性です。
がんの増殖のメカニズムを止めたり、がんが増殖しやすい体の環境を、変化をさせることができれば、がんで命を落とすこともなく、がん患者の長期生存が可能であろうとのようです。
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