思いよとどけ!の神経細胞 No.2

おととい、思いよとどけ!の神経図をアップしました。それぞれの図に、いくつ細胞がいたかは、数えられますか?まず、上段は、左から3,1,7,5個でした。水色が核ですから、核を1個持つのが、1個の細胞です。上段は、細胞が幾何学的にきれいにならんでいる模式図です。この図の作者は、神経細胞同士が、それぞれどことどこで連絡しあっているか(シナップスがどこにあるか)を書きたかったのではないでしょうか?
うつや統合失調症の薬の説明で、必ず出てくるのは、シナプス小胞に蓄えられている神経伝達物質の話しです。しかし、その話は理解できても、実際にシナップスがどこにあるかは、なかなかイメージできない世界ではないかと思います。模式図が、規則正しく書かれすぎていて、イメージの邪魔になることがありますね。ネットには、もっといろいろな図がのっていますので、異なるイラストをみて、イメージをふくらませてみてください。
 
さて、中段の2列の図ですが、ここには1個づつ実際に近い形で、神経細胞が書かれていると思います。脳には、同じ役割を果たすために、場所ごとに同種類の細胞が集まっている部分があります。働きの違う層は、何層かに重なり、それぞれ名前がついています。一つ一つの細胞は、軸索や樹状突起を、周りの別の層に出します。つまり、異なる層に存在する細胞へ、情報を届けなければいけないのです。電線を家の外にださなければ、電気がもらえないのと同じですからね・・・(こじ付け的な説明ですみません)。神経細胞は、必要な場所に突起を伸ばして、情報をやりとりするのが仕事ですから、糸(突起や軸)が切れれば、あやつり人形のように、その先は動かなくなります。6個の細胞のうち、左下をみてください。下方には、1本の突起のみ、上層には細かい枝を多数出している神経細胞がいます。これは上層に、多数の情報交換が必要で、下層へは1個でないと、まずいのです。そうした構造をもつように、運命づけられています。
 
下段には、有髄神経と、筋肉との接合部が、書かれていますが、この図もかなり模式図的です。脳から筋肉に届くには、神経細胞はかなり長くないとだめです。途中で、中継ぎはするのですが、その数は、極めて少なく、神経細胞は、とても長いのです。脊髄の中は、かなり長い繊維が走っています(だから、病気もおきてきます)。外傷などによる脊髄圧迫がおこると、もう電気の伝達ができなくなります。筋肉は、うごかなくなりますね。筋肉も細胞ですので、核がありますが、この図には4個の核が書かれています。

海馬、扁桃体、視床などは、リンビックシステムと呼ばれ、高度な大脳皮質とは別個に発達した部分です。この部分の神経細胞は、ドパミンを多量につくります。神経細胞が伝達物質をつくって、軸の先のシナプスまで移動させます。
 
幼少時期の心的外傷体験が、海馬萎縮と密接な関係があると言われます。海馬の機能が悪いと、うつ病の発症しやすい基盤となります。神経同志の連絡の異常(過剰や緩慢)が、気分の興奮や閉塞状態をつくります。画像検査やら、動物モデルの実験やら、実際の死後の脳の分析(染色して数をかぞえたり、物質を測ったり)などでだんだん、わかってきたことです。
 
ストレスがかかると、私たちはそれに耐えようとして、防御反応を起こします。視床下部・下垂体・副腎(HPA 系)の働きにより、血中コルチゾール濃度が高くなります。このコルチゾールが高くなることも、海馬萎縮を引き起こす可能性が指摘されてきます。
 
しかし、脳の神経細胞はダイナミックに変化していますので、人は、希望をもつことにより神経細胞の負担が軽くなり、脳の働きが戻りやすいと考えた方がいいです。
スポンサーサイト



コメント

No title

学とみ子
心温まるコメントありがとうございます。脳科学と治療の進歩に期待したいです。

No title

serius
脳の海馬萎縮が神経同志の連絡異常を引き起こし、うつ病の発症要因になるというのは大変興味深いです。
でも希望を持つことによって脳の働きが戻ってうつも解消されるのですね!何事も気の持ちようですね。
非公開コメント

トラックバック