固形の離乳食の導入が遅れた子どもたちで、食物感作が増しました。

世界でコホート研究が進行中で、アレルギーの経過が観察されています。
今回は、ドイツの4都市(ミュンヘン、ライプチヒ、ヴェーゼル、バート・ホンネフ)に住む親子が研究に協力して、検討されているLISA出生コホート研究を紹介します。
 
妊婦を募集し、子どもが生まれてからは、生後半年、1年、1年半、2年、4年、6年と子どもを追跡し、親に配られた質問票により、子どものアレルギー症状の有無や、医師の診断名を答えます。
 
この地域では、生後0-4か月で、子どもに離乳固形食を与える割合は、32%、5-6か月では49%、7か月以上では19%との数値です。4か月の時点では、まだ固形食を与えない割合は、約7割ですが、固形食として与えている食事種は、1-2種が17%、3-8種が13%との数値でした。ドイツでは、果物、野菜は離乳食として早期に導入されており、魚、卵は後期に導入されていました。

4か月の時点で、母乳限定は60%、混合は35%でした。
6歳になった時の子どもに食物アレルギーがある確率は12%、一方、花粉ハウスダストなどの吸入性アレルゲンに感作がある場合は、26%となっています。

医師から診断された病気のある子どもの頻度は、湿疹で8.5%、喘息は2%でした。6歳の時に湿疹症状があるとする子どもたちは、4%、喘息症状があるとする子どもたちは、10%でした。
 
研究の目的: アレルギー予防ガイドラインには、離乳のための固形食の導入を遅らせるものがありますが、その正当性を調べる必要があります。
 
今回のコホート研究において、生後4-6ヵ月を超えて、離乳固形食を遅らせると、その子どもが6歳になった時に、湿疹、喘息、アレルギー性鼻炎、食物・吸入抗原感作に、どのような影響を与えるかを調査しました。Pediatrics. 2008 Jan;121:e44-52. PMID:18166543
 
方法: LISA出生コホート研究において、2073人の子供たちを追跡調査し、6才になった時のアレルギー状態を分析しました。 多変量ロジスティック回帰分析により、離乳固形食とアレルギーの因果関係を考慮しました。
 
どもが早期にアレルギー症状を出すと、その後の離乳開始時期が影響される可能性を考慮し、生後6ヵ月の時には、皮膚にトラブルの無い子供たちを選び出して検討しました。
 
そして、子どもたちが、6歳時になった時のアレルギー徴候の有無を検討しました。

結果: 生後4-6ヵ月より、遅れて離乳固形食を導入しても、6才時の食物・吸入アレルゲン感作には影響がなく、又、喘息、アレルギー性鼻炎の発症にも影響しませんでした。 むしろ、導入が遅れた子どもたちで、食物感作が増しました。

食物感作は、4カ月以後の導入群は、4か月前で導入した群と比較して、3倍に増加しました。離乳固形食の導入のタイミングと、湿疹の関係は、明白でありませんでした。
 
生後6か月過ぎに、離乳固形食を遅れて導入するやり方や、生後4ヵ月以内の乳児食を多様化しないやり方は、アレルギー予防にはつながりませんでした。

 乳児期早期に皮膚のアレルギー徴候のない子供たちだけを選んで検討した場合の結果についても同様でした。
 
しかし、生後の4ヵ月以内の食事が多様化していた子供たちは、その後に、湿疹はでやすい結果となりました。

結論: この調査により、6歳時の喘息、アレルギー性鼻炎、食物または吸入性感作を避けるために、4-6か月以後に、離乳固形食を始めるやり方は、成果がありませんでした。
 
 湿疹の頻度については、食事の導入時期には、矛盾した結果がでました。離乳固形食導入時期と、食物感作の関連については、慎重な解釈が必要ですが、遅れて離乳固形食を始めることに、利点はないようです。

以上が論文内容です。
一般的にドイツでは、喘息の診断に慎重です。つまり、医師が喘息と診断することは、親のストレスを高めるために、子どもが年長児になって、喘息が明確化してからの医師診断が多いようです。
 
日本でも、いつの時点で喘息と呼ぶかは、医師によりかなりばらつくことがあります。
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