ピーナッツアレルギーは、炎症のある皮膚(湿疹部位)にピーナッツオイルの塗布をする行為と関連

アレルギーの発症機序に向けて、世界規模で疫学研究がつづけられています。

ニューイングランドジャーナルオブメデシンNEJMには、あまた疫学研究のうち評価の高いものが掲載されます。客観性と精度が高く、対象は多数人数で公正に判断され、結果の影響力が大きい論文が選ばれます。
 
2003年のNEJMには、すでにピーナッツ蛋白の経皮感作が話題となっています。
 
昨今では、日本でも、小麦入り石鹸事件以来、皮膚から入るアレルギーは、かなり知名度も上がってまいりました。しかし、新聞広告には、皮膚からアレルギーになるリスクのある商品にあふれています。
 
広告には、若くなる、美しくなるの言葉にあふれていますが、アレルギーのリスクについて書かれていません。
 
今回は、2003年の、英国発のピーナッツ蛋白による皮膚感作の論文を紹介しましょう。
N Engl J Med. 2003;348:977

要約
背景: ピーナッツアレルギーの有病率は、ここ数十年間で増加したようです。 ピーナッツアレルギーの発症に関連が予想される、家族歴、アトピー素因、生活環境について、研究しました。
 
方法: 13,971人の未就学の子供たちを追跡するコホート研究であるエイボン追跡研究のデータを使いました。
 
生後6ヶ月子ども自身に湿疹があるか、あるいは母に湿疹の既往があるグループと、無作為抽出の湿疹のない小児グループの2群において、質問票により両親から、詳細な情報を集め、ピーナッツアレルギーの発症に関連する因子をさがしました。
 
結果: 49人の子供たちに、ピーナッツ・アレルギーの病歴がありました。ピーナッツの負荷テストを36人の子供たちに行い、23人にピーナッツアレルギーを確かめました。
 
ピーナッツアレルギーは、出生前の母の食事内容とは関連しませんでした。ピーナッツ特異IgEは、臍帯血中には検出されませんでした。 ピーナッツ・アレルギーの発症は、豆乳を飲むことと関係していました(オッズ比、2.6; 95%信頼区間、1.3~5.2)。

ピーナッツ・アレルギーの発症は、関節や皮膚屈曲部に、湿疹がある(オッズ比、2.6; 95%信頼区間、1.4~5.0)、及び、ジクジクした湿疹部分があることと関連しました(オッズ比、5.2; 95パーセント信頼区間、2.7~10.2)。

ピーナッツ・アレルギーの発症は、ピーナッツオイルを皮膚に外用剤として使用することに関連しました。(オッズ比、6.8; 95%信頼区間、1.4~32.9)。

結論: 以上の結果より、ピーナッツ蛋白質への感作は、炎症のある皮膚(湿疹部位)にピーナッツオイルの塗布をする行為と関連することがわかりました。
 
ピーナッツ蛋白質と、大豆蛋白質とは、共通のエピトープ(分子的な構造体)が存在すると想定できました。 PMID: 12637607
 
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