エイズ治療を開始することで、かえって、病気が起きてしまったような印象になります。

アンマスクト ツベルクローシス という言葉を知っているだろうか?
 
そのまま訳すと、暴露された結核という意味だが、結核に感染していることが、表に出ると言う意味です。
 
この現象は、人が菌からの攻撃に対して、症状をだしながら戦っていることを理解する上で、とても参考になる事実なのです。
 
つまり、菌が強ければ、それを治すためには、病気の症状はでるものなのです。本日は、これについて書きます。参考資料は、ヨーロッパ呼吸器学会雑誌からイタリア発の解説です。ERJ 2011;39:1064
 
今回は、日本での病気の話しではなく、エイズと結核が蔓延している外国の話しです。
 
人は症状を出しながら、病気を治していることへの理解です。つまり、治る過程で、病気とされる症状は出るのです。
 
エイズの人は、免疫反応が低下しているために、結核にかかっていても、体が反応しません。
 
すなわち、病気としての症状がでないのです。熱がでたり、咳や痰がでたり、はたまた、肺に陰影や空洞などの変化がおきません。症状がでないというより、出せないと言うのが近いかもしれません。高齢者は重症肺炎でも、熱が出ないのに似ています。
 
エイズの病気が進んでいる人たちに、組み合わせエイズ治療薬cARTを投与すると、結核の特徴的な症状、熱、咳、陰影が出てきます。すなわち、免疫反応が回復してきたのです。

これは、病気が悪くなっているという印象を与えてしまいますが、実は、人は結核菌を排除しようとして症状を出しているのです。
 
エイズの治療薬が、開発途上国でも、広くでまわるようになりました。しかし、このエイズ治療を開始することで、かえって、病気が起きてくるような印象になります。
 
結核菌を抑えるためにおきる免疫反応によって、エイズ患者は苦しむことがあります。調整されていない免疫は、患者にとって、悪い方向に働き、つまり病気が重くなった印象になってしまうのです。過剰で効率の悪い免疫反応があります。
 
先進国では、エイズに治療に伴って結核がおきてくることは、治療を開始したエイズ患者の0.1-1%におきています。ヨーッパ・北米における2万人のエイズの治療では、0.9%に、結核がおきたとの数値がでています。一方、南アフリカなどのエイズ流行地では、5-11%という高い割合で、エイズ治療に伴い、結核が発症してしまうのです。
 
日本においても、以前から、一般人において、結核の治療を開始すると同時に、新たに咳や熱などの症状が、増悪する事実が知られていました。その理由は、菌の排除が抑えられていた人が、治療薬により菌が減って、免疫が回復するためらしいのです。
 
これは、エイズ治療に伴う結核の発症と、同様の現象であろうと思われます。
 
治療することにより、かえって病気が悪くなる事実のことを、覚えておきたいです。もちろん、免疫がうまく働けば、病気は治っていくのですが・・・。されば、人の病気が起きる理由についての理解が進むのではないでしょうか?
 
つまり、医者に行けば、すぐ、薬が熱や咳をとってくれるわけではなく、安静にして待つことが大事であるのです。
 
そうした意味では、体の中に毒があるとした、漢方医学的な病気の考え方には、間違いがあったことも理解しやすいですね。
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