過去に食物によるアナフィラキシーになったことのある患児は、その後、どの位に、アナフィラキシーを起こすのか?

今回は、過去に食物によるアナフィラキシーになったことのある患児は、その後もアナフィラキシーを起こすのか?についての論文紹介と、小麦アレルギーとアナフィラキシーとの関連について書きます。
アナフィラキシーの子どもの予後  Vlieg-Boerstra BJ Clin Exp Allergy. 2008;3.
 
過去に、食物アナフィラキシーを経験したことのある子供たち441人に、負荷試験をおこなって、食物アナフィラキシーの経過を検討した。この中で、特に重症な症状であるアナフィラキシーを起こした子供において、その経過を検討した。
 
アナフィラキシーは、食後2時間以内に循環器呼吸器症状のでたものとした。
 
対象は、21人で、アナフィラキシー発症から、平均 4.25年、経過していた。再度、8-14.4歳(平均6歳)になった時に、負荷をして、食物アレルギーの経過を確認した。食物アナフィラキシーの評価法として、精度が高い 2重盲検負荷テストを施行した。
 
6人では、何も起きなかった。 (29%): ミルク3人、卵1人、ピーナッツ1人, 小麦1人であった。
 
陽性でも、重症反応はなかった。 18人は感作が不確実な状態であった。結論として、過去にアナフィラキシーがあっても、その後、確認すると、再度、重症になることは少なかった。
 
域値以下になっている患児においては、再評価を行わなければならない 。PMID: 18771485
 
 
食物依存性運動誘発アナフィラキシーについて、説明をします。

小麦アレルギーは、小児では、卵、牛乳に続く3番目に多い食物アレルギーであり、全体の7%前後を占めます一方、成人の食物アレルギーでは、15%を占めます。(報告により、若干異なる)。

FDEIA(食物依存性運動誘発アナフィラキシー)は、原因食品を食べた後に運動すると、おこしてくるアナフィラキシーです。つまり、子どもが、学校で食後に具合が悪い場合、走って家に帰らせたりなどすると、さらなる悪化が起こることがあります。そのため、学校などでは知名度の高い病気です。
 
小麦による食物依存性運動誘発アナフィラキシーFDEIAは、小児では、 FDEIA全体 の57%、成人ではFDEIA全体 の85%を占めるとされています。
 
さらに、食物、運動、アスピリンが、そろった時に、症状を起こす人がいます。

小麦アレルギーでは、小麦グルテンの主要成分(60%)のグリアジン(特に、ωー5)と、グルテニンが主要アレルゲンと考えられます。小麦アレルギーが治った人では、特異抗グリアジンIgE抗体が低下しています。
 
小麦依存性運動誘発アナフィラキシーでは、血中グリアジンあるいは、血中グルテニンが上昇しています。
 
アスピリンと共に、プラスタグランジン製剤(平滑筋を収縮、血小板凝集剤)を前投与すると、血中グリアジンの上昇の抑制がみられる。 FDEIAには、アスピリンを負荷すると、症状がおきやすく、プラスタグラン投与で起きにくくなります。
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