この白々しさを話題にすれば、禁煙指導の現場の雰囲気が変えられる。

医師は、健康診断に来た受診者が喫煙者であれば、禁煙指導をすることになっている。
 
なぜなら、禁煙による健康改善効果は絶大だからである。しかし、タバコをすう本人(受診者)は、タバコの害については、十分に理解しているがために、他人から言われるのをいやがる。
 
「禁煙についてはどうですか?」と医師が聞いた時には、「それができなくて・・」と明るく言う受診者もいるが、彼らは無理して笑顔を作っていて、その心は傷ついている。
 
「たばこが500円になったらやめます」とか
「さらに値上がりしたらやめます」とか言って、議論をかわす人も多い。

本人もたばこの害を恐れていて、話題にしたくないのである。
 
禁煙を指導しようとする者は、論議が膠着状態にならないように、話をはずませたいと願う。
話がはずめば、お互いに情報交換ができる。たとえ、指導の即効性はなくても、将来的な効果は期待できるかもしれない。
 
禁煙指導を熱心にしても、マイナスの結果を生むことも多い。
喫煙者の脳は、ニコチンを欲していて、ニコチンを確保できることが死活問題となっている。その脳細胞の志向を変えさせるのは、たいへんなエネルギーのいることであると思う。
 
女性は一般的に禁煙しにくいと言われるのも、禁煙に必要なエネルギーを生み出せないからではないかと思う。
 
それでは、禁煙指導者は、どのようなアプローチが有効なのか?シビアな禁煙論議をなごませるには、どうすれば良いのか?
 
最近、禁煙の大々的な広告がある。なにしろ、資本にものをいわせた製薬会社の一面新聞広告である。
「お医者さんと禁煙しよう」「二万円の保険診療が可能です」というものである。
 
この宣伝については、多くの人が知るところとなり、面識の無い人との突然の会話でも、話が通じる。この広告の是非をめぐる批判はさておき、禁煙指導のツールに使えることは確かである。
 
もちろん、「お医者さんと一緒に禁煙しましょう」などとは言うのではない。もし、医師がそれを言えば、誇大広告だからである。
 
(医師という職種は、誇大広告を禁じられている。それを平気でするのは、食品メーカである。
このブログにも、でたらめな食品メーカの誇大広告が強制的に入ってくる。)
 
もし、医師と称する人が、「私と一緒に禁煙に成功しましょう」などと言ったら、その人は医師でないかもしれないと思った方が良いと思う。
 
それでは、なぜ、この広告が禁煙指導ツールとして使えると言うのか?
実は、この広告自体の白々しさを、話題に出来るからである。この白々しさを話題にすれば、指導現場の雰囲気を一気に変えることができる。
 
禁煙希望者から、「病院にかかると、二万円ですか?」
などと、質問がでれば、
禁煙指導者は、つかさず答える。

指導者が男性医師なら、
「まあ、あれは、単なるお話でしょう。あんなきれいな女医さんなんか、いませんしね。だいたい、美人は冷たいし、男心はわからんですよ。」
と言えばいいし、
 
指導者が女性医師なら、
「まあ、あれは、単なるお話でしょう。あんなきれいな女医さんなんか、いませんしね。実際にでてくる女医さんは、こんなものですよからね。」と言えば良い。
 
ほとんどの受診者は、その場で笑ってくれるだろう。
 
そして助言を続ける。
「禁煙は、その人がその気にならない限り、成功しないと思います。誰かに指導されてではないです。
病院に行って、すごく運が良くて、美人の女医さんが出てくるかもしれないけど、その人になんて言われるやら・・・・。
 
脳の細胞は、ニコチンを欲しがっています。脳の細胞は、これがないと生命の危機という位に、せっぱつまっていると思います。でも、他の臓器は、タバコをとてもいやがっていますよね。欲しがる脳を何とか、なだめる作業です。他人任せにできません。
 
一つの方法ですが、喫煙の影響を、いろいろ、イメージしてみるのはどうでしょうか?
もちろん、あなたは、がんになりやすいとか、肺がだめになるとかは、すでに知っていますよね。
でも、それが、今すぐ、起こりそうな気がしないから、これだけでは禁煙は難しいです。
 
さらなる、禁煙のモチベーションを高めるために、今の体に、どの位の影響がでているかを考えるのはどうですかね。
 
だいたい、30代後半から、だんだん、呼吸器の症状が出てきます。風邪をひくと治りにくいとかでてきますよね。笑うと咳がでる。走ると咳がでるとかにもなります。」
 
受診者の中には、すでに、そうした症状があると答える人もいる。
そうした場合には、
「それは、ますます強くなりますよね」
と応じる。
 
そして、指導者(医師)は、口の中を見る。
「やっぱり、大分、ノドが赤いですよね。喫煙者のノドって、普通の人より赤いです。なぜだと思います。それだけ、口の粘膜ががんばってるということなのです。嫌なもの(タバコ)が入ってくるので、血管を拡張させて臨戦態勢に入っています。
 
それから、あなたは昨年の検査では、白血球が多くなっていますね。これも、血液の中の異物排除の反応が進んでいる証拠です。普通、好中球と言うタイプの細胞が増えることが多いです。これは、異物も壊すけど、自分自身の体も壊す、何でも壊すのです。いろいろ、全身が参りますよ。」 

などとも、指導者は言ってみる。
 
指導者側に、いろいろな工夫があったとしても、禁煙指導の効果は、個人差が大きい。
 
反面教師の応用もある。
ネットのブログなどに、喫煙万歳、喫煙の素晴らしさなどについての記載を見ることもある。そうした文章を読むことも指導者にとって、大事な参考情報となる。
 
最後は、又、固い話になってしまうが、
禁煙指導を成功させるには、喫煙への理解や、科学的根拠の情報提供の多面的サポートというところか?
 
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

トラックバック