今回も、読売新聞に掲載されている人生相談について、私が感じたことを書きます。
今回の結論は、「男性脳を理解するなら、おのずと女性の行動は決まってくる」というものです。
60歳過ぎの未亡人からの相談で、彼女は、サークルで知り合った独身男性を、好きでたまらなくなり、個人的に付き合い始めたものの、相手が急に冷たくなり、とてもつらいとするものである。
あきらめるべきか?行動すべきか?という相談である。
回答したのは、男性の有識者である。回答者は、この交際相手の男性は、他の女性と楽しい時間を過ごしているかもしれないので、あなたはあきらめた方が良いとするものであった。
回答した男性は、相手の気持ちを想定せよ!と教えている。恋愛相手であるこの男性の心理状態が、男性回答者には良く見えているのである。
男性はいくつもの脳を持っていて、それを操る。一方、女性はひとつの価値観を持っていて、それにこだわる傾向がある。これは、必ずしも、男女の脳の違いのみでなく、男女の社会的、経済的な立場の違いも影響している。
女性は、その長い人生経験の中で、多様な価値観を持ち合わせる機会に恵まれない気がする。しかるべき立場に立てないために、世の中が見えてこない。
“世の常“を知るということは、自らが経済力、権力などを獲得していく過程で得られることが多い。たとえ、その人自身が出世せずとも、社会に出れば、上司や社長など、上層階級の人や、リーダーシップを発揮できる人に接する機会が多い。
平の男性たちは、上層部に対し、陰で厳しく批判を浴びせながらも、するどく観察している。そうして、権力者の気持ちを想定したり、価値観を学んだりしている。こうして、複数の男性脳は、完成されていくのではないか?今、はやりの半沢融資課長も、そうした複数脳の持ち主である。
今回の人生相談についても、回答した男性有識者は、相手の男性の気持ちが良く読めているのだ。
相談者の女性が嫌われた理由は、女性が夢中になってしまったからである。好きになれば嫌われる、恋愛の最も残酷な一面である。若い人にはありがちが傾向だが、歳をとってくれば、こうした恋愛思考はいけないことを悟るようになる。弱い立場の人の足元を見るのはいけないことだ。
年配者が恋愛する時、若い時とは違って、相手を見る経験を積んでいる。相手の思わせぶりを、素早く見抜くこともできるし、相手に対する思いやりの心も完成する。
そして、自分自身の志向もよく理解し、心の変化は急ではない。相手に対し、急に冷たくするなどの手段はとらなくなる。深く付き合いたくないと思うなら、「困ったな」と気づいた時点で拒絶のサインをだすものである。
今回の相談では、前兆はなく、突然、男性が冷たくなったと感じている。その真偽はともかくとして、もし、本当にそうなら、この相手の男性は、歳をとっても思わせぶりをするイヤな奴である。こうした性格には問題がある。お付き合いは、女性の方からお断りして後悔はない。
私が回答者なら、「この男性は、好きなる価値がないと、思いませんか?」と、書きたいところである。
相手が熱くなると困るというのは、本来の恋愛のあり方に反している気がある。若いうちなら、許されるものの、老いらくの恋では、許されないものである。
老人の恋愛は、男性はお金のあるふり、女性はお金のないふり、をしろと言われているが、この格言は納得できるような気がする。
男性の価値観は、世の中に何らかのインパクトを及ぼすことであり、成果を求める。
経済力、権力は、その成果である。
男性の失恋の苦しみは、選ばれなかった自分に対する劣等感である。
男性の恋愛は、自らの存在感を満たすという要素が大きい。つまり、相手の女性がどうこうというより、その女性に選ばれるかどうかが、男性にとって大事である。だから、男性は、失恋体験から立ち上がれない。
男性は、自分が選ばれるかどうかに、神経をつかう。好かれるためにお金も使う。一方、女性にとって、今を楽しませてもれえるなら、人生の時間を使う価値はあるといえる。
新聞コラムに載った別の人生相談でのエピソードである。
老いらくの恋において、男性は女性の手料理を求め、手料理にかかるコストを男性は払わず、不満を感じる女性から、どうしたらよいか?という投稿があった。残された限りある人生の時間を、この男性に使うなどもったいと、私は思う。
女性自身が、食事代を払わなくてもつきあっていたいと感じる交際相手とだけ、付き合ってほしい。
老いらくの恋は、成果を求めない。その時、人生が充実したと感じることができるかが、老いらくの恋の決め手になる。
女性たちよ!、男性の複数脳を、あれこれ考察しながら、自らの行動は迷うことなく、自ら、決めて行こうではないか。
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