食物アレルギーが予想される子供の2/3は、症状が無く食べれること、アナフィラキシーは、年長児で要注意のことにも、ご注目ください。

マウントサイナイ病院(Mount Sinai Hospital)は、アメリカ合衆国ニューヨーク市の マンハッタンにあるマウントサイナイ医科大学の附属病院です。今夜は、この病院での食物アレルギーのある子どもたちを対象として行われた、食物負荷テストの成績を紹介します。緊急注射薬のエピペンの注射の使用頻度も書かれています。
食物アレルギーが予想される子供の2/3は、症状が無く食べれること、アナフィラキシーは、年長児で要注意のことにも、ご注目ください。
J Allergy Clin Immunol.2009 Dec;124(6):1267-72.
 
食物負荷テストの時に、エピネフリン注射を要する頻度や、負荷後に二相性反応(即時に出る反応に加えて、その後に遅れて出る2種類のアレルギー反応がおきること)が起きるかどうか?については、不明な点が多いため、この点につき研究した。
 
背景:
食物負荷テストの際のエピネフリンと二相反応について、その頻度と危険因子を決定すること。
 
方法: 1999~2007年に行われた食物負荷テストの反応の詳細について、コンピュータ化されたデータベースを使い集計しました。
 
食物負荷テストをするかどうかの小児患者の選択は、病歴、特異IgE濃度と皮膚テストを参考に、負荷後陽性反応が起きる(食後にアレルギー反応が出る)の可能性が50%以下と予想される場合で、強い反応が起きないであろう見込の小児たちを対象としました。
 
結果: 1273回行われた負荷テストのうち、436回の負荷テストで、陽性反応(食後のアレルギー反応)が34%に出ました。 エピネフリンは、50回の負荷テストで使用されました(陽性反応の11%、負荷全体では3.9%)。
 
負荷後(食べた後)に、エピネフリン注射を要した食品は、多い順に並べると、卵(n = 15、卵への陽性反応の16%)、ミルク(n = 14、ミルクへの陽性反応のうち12%)、ピーナッツ(n = 10、ピーナッツへの陽性反応のうち26%)、木の実(n = 4、木の実への陽性反応の33%)、大豆(n = 3、大豆への陽性反応の7%)、小麦(n = 3、小麦への陽性反応の9%)と魚(n = 1、魚への陽性反応の9%)の順でした。
 
エピネフリン注射が必要となるケースは、年長児で起こりました。注射を要した子どもの平均は、7.9歳で、要さない子どもは5.8年歳で、年齢差に有意差がありました(P .001)。
 
ピーナッツ負荷後の反応が有意に高い(P = .006)結果でした。
 
 性、喘息の罹患率、アナフィラキシーの既往、特異IgE濃度、皮膚プリックテスト反応程度には関係しませんでした。 エピネフリンを2回必要としたのは、小麦、牛乳、ピスタチオの3人(6%)でした。二相反応が、1回(2%)ありました。陽性反応のうち、致命的な呼吸困難や心血管系症状はありませんでした。

結論: 年長児であること、ピーナッツに対するアレルギー反応が、負荷テストによるアナフィラキシーの危険因子でした。 しかし、実際にエピネフリン使用を要することは少なく、二相反応の反応はまれでした。
 
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