肺炎球菌予防には良いワクチンなのですが、しかし、肺炎そのものを防ぐ薬ではありません。


薬の広告がかかえる問題点について書いています。
 
医師による処方薬は、漢方薬を除き、効果が証明されているのですが、その効果は副作用という裏面も持っています。
 
薬の効果を期待する人は、同時に、効果の限界と、副作用を知ろうとしてください。そして過剰に副作用を騒ぐ情報にも批判の目を向けてください。
 
世の中には、売るために極論を書いた本、現実離れに恐怖をあおる本など、お金を使わせるためのニセ情報が溢れています。
 
広告はあくまで、広告です。人々の意識が高くなれば、問題点を明記した薬の方が売れるという時代がくると思います。
 
それでは、今回は肺炎球菌ワクチンについての広告に触れます。
http://www.wakutin.or.jp/data/vaccine/pneumococcus.html
以下は、西田敏之さんがモデルで登場し、彼のキャラクターを巧みに利用している広告です。
http://www.haien-yobou.jp/?utm_source=Google&utm_medium=cpc&utm_campaign=C021_B
広告では、薬が肺炎予防に夢のような効果があることを謳っています。

もちろん肺炎球菌予防には良いワクチンなのですが、しかし、肺炎そのものを防ぐ薬ではありません。

子宮がんワクチンの時も、同様でしたが、子宮がんを、全部、予防できるかのような錯覚を抱かせるようなワクチン広告でした。
 
9割の女性では、ワクチンが無くとも、自らの免疫力でパピローマウイルスを排除できますが、それができない女性にとっては、ワクチンは、大変有効なワクチンです。
しかし、どの女性が治せないのかわからないので、希望者全員にワクチンを打つ事になります。1割の人を救うためです。
 
ワクチンが有効なパピローマウイルスの型も限定されています。つまりワクチンに含まれないタイプのパピローマウイルスには、効果が期待できません。
 
この知識って、理解が難しいかもしれませんが、慣れてくると理解が進みますので、あきらめないで情報集中に務めてください。
 
公費負担が可能となり、あっというまに広まったパピローマウイルスワクチンでしたが、その後は激しいバッシングが起きました。このワクチンを打って失敗したと泣く女性に会いました.
極端に害を強調し、薬害とするニセ情報が、女性たちを苦しめてしまう現実を目の当たりにしました。
 
このバッシングは不当なものでしたね。やはり、大事なワクチンなのです。
 
外国の経験から、注射の時に、若い女性が倒れるのはすでにわかっていました。しかし、日本のような問題にはなっていません。中高生の年齢では、誰かが倒れると連鎖的に子どもたちが倒れます。それだけ、不安な心を抱えやすいと言えます。
 
パピローマウイルスワクチンの完全性を期待し、それが裏切られて、けしからんとする方向へ世論の誘導がされました。
 
ワクチンを打つ時にはリスクを念頭に置くことが、もっと日本に根付いてほしいです。
 
さて、肺炎球菌ワクチンに戻ります。このワクチンは、肺炎球菌の広がりを抑える薬でありますが、肺炎全般を抑える薬ではないです。

それでは、このワクチンは、どんな位置づけなのでしょうか?
 
そもそも、肺炎球菌ってどんな菌なのでしょうか?答えは、最も多く人類を悩ませ殺してきた細菌であると言っても過言ではないでしょう。
 
この菌は誰でも持ちうるし、人にもうつすし、人の間をぐるぐる廻ります。
 
抗生剤がない時代には、重症肺炎の筆頭の菌でした。肺で菌が増えてしまえば、全身に菌がばらまかれます。
 
赤ちゃんは、ある程度の肺炎球菌への抵抗力を持って生まれてきます。乳幼児は、咽頭や鼻汁にこの菌を持っています。人類は、この菌と常にかかわりあっていたからこそ、抵抗力を持っているのです。
 
この菌がいることで、子どもたちはつよくなっていっているとも言えます。その結果、多くの子どもは、菌を持っていても、病気にはなりません。
 
でも、菌に負けてしまう状況はいつでもあります。特に、一部の乳幼児では、髄膜炎や敗血症になります。そのためのワクチンとして、乳幼児のプレベナーがあります。
 
西田敏之のワクチンは、これとは若干性質の異なる高齢者向けの製品です。ここで気づいてください。人は生き長らえる過程で、肺炎球菌に抵抗力がつくのに、加齢と共に、その抵抗力が消えてしまう事!、これは注目すべき大事な現実なのです。
 
ワクチンする理由は、ここにあります。
 人が子どもの時から、大事に育て上げてきた免疫能力が、再び、加齢と共に消えて行ってしまうのです。だkら、人工的なワクチンで、抵抗力を増強させます。記憶をよみがえらせるのです。
 
強い免疫を持つ人には、必要無いかもしれません、でも、だれが強いのは、わかりません、恐らく、風邪をひかない人、体力のある高齢者は強いです。それから、子供を含め人とよく交わる人も強いと思います。常に菌をもらっているからです。こうした人には早めのワクチンなど、必要ないでしょう。
 
肺炎になる人が、どんな条件の人かによって、肺炎を治せるか、あるいは、だめかが決まります。ワクチンの効果は、パピローマウイルスより不安定と言えます。
 
ワクチンのおかげで、肺炎球菌が増えずにすんだとしても、他の菌が増えれば、肺炎球菌と入れ替わるかもしれません。結局、肺炎を最終的に治すことができません。一度、肺炎になった肺は弱いので、その後も肺炎のリスクは続きます。高齢者は、何度も、何度も、肺炎になります。

多くの肺炎は、結局は、人の免疫力がモノを言うのです。
 
肺炎球菌に限らず、条件の悪い肺では、菌は容易に増えます。実は、肺炎と診断する時、治療薬を決める時、原因となる菌の種類を決めるという作業は難しいのです。
 
肺の奥の方は、菌がいないのですが、口の下方にある気管などの部分には、いろいろな菌がいます。痰などは、この雑菌の付いている部分を通過してくるので、痰にも菌がからまってきます。つまり、痰に菌がいても、肺の奥で肺炎の原因となっている菌か、そうではなく上にいた菌か?を決めるのは難しいです。
 
正確には、肺に針をさして菌をみつけますが、簡単にはできず、この困難さに比べれば、痰の検査を参考にすることは必要とされています。西田敏之のワクチンのサイトでも、このあたりのことは、しっかり書いてありません。広告だから、しかたないのですが・・・。

慢性気管支炎や慢性閉塞性肺疾患(COPD)のある人の肺では、病原細菌が多くいるという論文を紹介します。
 
こうした研究は、本当に長い間、熱心な先生たちの努力で、その知識が今日に生きています。Sethi Sら, Am J Respir Crit Care Med.
 
この論文では、気管支鏡を用いて、肺の奥からBAL中(気管支洗浄液)検体をとり、菌の量を見ています。単位は100cfuという専門用語で表現されていますが、ある程度多くに菌がいる人という意味で理解してください。奥からとってきた肺の分泌液なので、無菌なはずです。しかし、肺が悪い1/3の人で、菌が増えているのです。
 
結果:病原菌100cfu/ ml以上陽性者の割合は、COPD 34.6%、COPDのない元喫煙者0%、非喫煙者6.7%に検出した。病原菌が多い人では、細菌由来毒素エンドトキシンやサイトカインも増加していた。
 
つまり、条件の悪い肺では、菌はいつも増えていて、さらなる増殖のチャンスをねらっているということなんです。
 
生体も必死にサイトカインを増やして、抵抗しています。菌と自らの免疫反応により、肺の傷は深くなります。しかし、免疫がつきると、人は死にます。つまり、肺炎球菌を抑え込めても、肺炎はどうにもならないのです。
 
このブログ読後に、再度、肺炎球菌ワクチンの広告に触れてみてください。より、薬の情報に深みが増すのではないでしょう?
 
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