一昨日、理化学研究所の小保方晴子氏の会見があった。周りの女性たちの間では、「会見で泣くかしら?」と話題になった。「泣いたらまずいよね」と言う人もいたが、「泣いてもしっかり話せればいいのじゃないの?」との意見が出た。
事実、小保方晴子の会見は、その通りになった。茫然とした表情は痛々しかったが、泣く彼女は絵になった。不眠などで、鎮静剤などを服用しているかもしれない。
女性たちは、会見時、小保方氏がどんな服を着てくるのかも気になった。実際の会見時の彼女の服は、濃紺チェックのラインの美しいワンピースであった。君島一郎のものか?と思ったが、そのうち、女性週刊誌が明らかしてくれるだろう。
そんな高級服が良く似合う彼女は、言葉もしぐさも、お嬢様の気品があった。ちょうど、村上春樹の小説ノルウェイの森にでてくる、自殺した登場人物(ヒロインの直子さんではない)のイメージであった。
村上春樹は、小説の中で、美しい青いワンピース姿の似合う女子大生を登場させたのだが、今回の小保方氏のようなイメージを想像する。青いワンピース姿の似合う女子大生は、村上の憧れの人だったのではないだろうか?
小保方氏が割烹着の姿で現れた時、マスコミは称賛した。人目をひきつけた。
ハーバードに留学して、ネイチャーに論文を載せるような才女に興味を持つ人は多い。
割烹着姿の彼女のバストはパツンとしていて、男性なら脱がしてみたいと思ったりするようだ。世の男性たちに、こうした志向がある事実は、女性にとっても興味深い。男性の頭は、異なる複数のものを、同時に評価することが可能なようだ。
かわいくて、頭の良い女性が窮地にはまった時、どのような知的な弁明をするのか?どのような涙を流すのか?に、本音は何を語るのか?暴露発言はあるのか?について、人々の興味が集まったと思う。
会見での彼女は、大きなミスもせず、失言もしなかった。期待された暴露もなかった。日本の女性研究者の中には、バッシングされている孤独な彼女を見て、人ごとながら泣いた人もいるのではないか?ガラスの天井に悩む働く女性は多い。
万能細胞など、研究の段階では、まだ海のものとも山のものともわからぬ存在だ。
STAP細胞に再現性がなくても、研究者が出来た!と思った時は、できたのだ。研究とはそうしたものである。
できました!できませんでした!は、判然としなくても、まず、条件を整えて周囲の了解をとり、発表に持っていく。さらに、研究者は仕事を続けるしかないのだ。
もちろん、その後、多くの追試が行われて正確性と実用性が検証されていく。細胞には、さまざまなレベルで万能性を保持している。それが隠れたり現れたり、まだ、不安定な部分があるが、それを克服しながら研究競争がされているのだ。研究が成功していけば、不安定さがとれてくる。時間もかかる。ある研究細胞はつぶれ一方で、残る細胞もある。万能細胞は、研究の過程で、がん化などの問題を克服しながら、臨床応用に至るまでに、長い道のりがある。
大学の講座には、パフォーマンス学というのがあるらしい。その教授である佐藤綾子氏による、小保方晴子会見に対する論評が、ネットに載っていた。
ネット情報によると、佐藤綾子氏は、記者会見でさまざまな表情を見せた小保方氏に対し、「女優みたいだった」と評したとのことだ。
そして、
どの質問にも同じ声のトーンで応じていた。かなり精神的にタフな印象を受けた」
表情の変化や感情表現は非常にうまい」
小保方氏の場合は「生理的な変化はほとんど見られなかった」
と佐藤綾子氏は、言っていたが、女優のようだの表現は、決して小保方氏をほめているのではない。
さらに、決定的なことに、佐藤綾子氏は、手厳しく、
これだけの大問題を引き起こしながら、「できるならば研究で社会貢献をしたい」 と語る小保方氏に対し、
「とても言える状況でもないのに、言い切ってしまうのはとんでもない精神力」
と、アンチな発言をしている。
しかし、この佐藤綾子氏の論評は一方的だ。女性教授は、自らの持つ価値観で、他の分野を批判していると思う。知らない研究分野であるとの認識が足らない。こうした論評は、小保方氏に気の毒という気がする。
小保方氏が、今後も研究を続けたと思う気持ちは、しごく当たり前である。
論文のコピペなどは、日本人の研究者なら、よくやることだ。もちろん、オリジナル研究の実験結果のコピペはまずいが、実験結果以外の、イントロダクション、ディスカッションなど他の論文部分では、一流論文をコピペしながら、オリジナル英文を編み出すのだ。若い日本人、いや世界の研究者が、皆やっている行為である。
会見冒頭で、涙ながらに「申し訳ありませんでした」と謝罪した小保方氏を見ていると、彼女は、生まれながらに豊かで好意的な人々に囲まれて育ってきているだろうと感じた。
小保方氏は、自らの主張が通る環境で、社会的にも知的にも恵まれた人たちに大事に育てられ、自信も大いにあった。だから、今度のバッシングに反論しようと決心したのだと思う。
一旦は負けたふりで、理研の立場をたて、でも研究は続けてねばる、などの長い将来を見据えた策略もあったはずだ。男性なら、ポストと地位を守るために策略を尽くしたかもしれない。しかし、大事に育てらた若い小保方氏には考えられなかったのだろう。
この問題、良い方向へと経過してほしいものである。
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