「何に怒っているのか尋ねても、夫は答えません。頼み込んで教えてもらうと、怒った内容が誤解であることが多く、説明しようとしますが、一切、耳を傾けません」

 
このところ、新聞の人生相談へのコメントを書いています。
新聞には、毎日、人生相談が連載されています。又、新たな人生相談の紹介です。

今回は、パートで働く40台半ばの主婦から、いばる夫に対する相談です。
 
夫は、気にいらない事があると、何カ月もだまりこみます。過去に1回暴力をふるったことがあり、親も交えて二度としないと約束したそうです。

夫は、「俺は、家で一番えらい。俺に従え。お前(妻)は「はい」と言えば良い」と言うそうです。
家計簿は、常にチェックされます。妻の言うことはすべて口答えだと言うそうで、妻はその場を収めるためにあやまり続けるそうです。
妻は、離婚も考えるが、夫は子どもたちにはやさしく、子どもは離婚に反対とのことです。妻には、特別の資格も技術もないため、離婚しても子どもたちを養えず、どうしたらよいか?の相談です。

回答者は、大学教授の男性で、ひどい夫であると答えています。夫は、プライドが高いが、自らに自信はなく、立場の弱い人をコントロールすることで、満足を得るタイプの人であると、夫をこきおろしています。
そして、妻の稼ぎが少ない事を知っていて、夫は安心して威張っているのでしょうと、妻に同情しています。

この相談は、妻から出された一方的な夫に関する情報提供なので、妻の問題点は書かれていません。
妻は、自らの問題点を、どのようにとらえているのかは気になります。
 
この夫婦は、結婚をしてから相当の月日が経っています。この長い間の、何度となくくりかえされた夫婦間のトラブルがあって、現在の夫婦関係に至っています。
 
この夫も、人間的に成熟された人というわけではないでしょうが、この妻も、夫の気持ちをくむという作業をうまくやれていません。そして、夫婦間の解決を、他人まかせにしているので、夫もますます、意固地になるという印象をうけます。

たとえば、大学教授の回答者が言ったことを、妻が夫に言ったらどうなるでしょうか?

「あなたは外でいばられているから、家に帰ると、私たちのような弱い立場の者に威張るのでしょう?あなたは、そうして自己満足する、問題ある人間だわ。」

さらに、妻はこんなことも言いたいかもしれない。妻が以下のことを言ったらどうなるか?

「どうせ夫に養ってもらうなら、もっと良い暮らしがしたいわ。パートなんか、やらなくても済む稼ぎが欲しいわ!」

「あなたが病気をして働けなくなったら、私の稼ぎでやりくりするわよね。そしたら、今度は、私が今のあたなのように威張っていいのね!」

以上のことを妻から言われたら、この夫は、烈火のごとく怒りそうです。
威張る夫は、威張られた妻が、実は、内心、こんな風に考えているかもしれないことを忘れてはいけません。

家長である夫は、家族を養っている自信とプライド、そして責任があります。
夫にとっては、最も言われたくない事を、ぐさっと言われたとの思いでしょう。夫は、自分より目下であるとバカにしていた妻から、逆に、夫が、品定めの対象であることを思い知らされます。
 
妻のため、家族のためと、生きがいを感じて働く夫にしてみれば、とても傷つくことになります。
 
妻は、夫の怒りを予想すれば、こうした暴言は吐かないでしょう。しかし、妻は気付かずして、これに近い言葉を、夫に言ってはいないでしょうか?
 
そして、妻本人は、傷つけた言葉に気づいていない事があります。
妻が社会から離れた家庭にいることで、しばしば、妻は、御自身の問題点に気づかない人間になってしまいそうです。

女性は弱い立場であるので、どうしても自己防御的になります。悪いのは夫で、かわいそうなのは私と言う言い方になりがちです。
この文章も、夫は悪い人、妻は良い人の構図で、文章を書いています。
 
怒られた時の妻は、夫にどんな言葉を発し、態度をとっているのでしょうか?
怒ることにより窮地に陥っている夫を、ますます怒らせてしまう事があったかもしれません。

夫の暴力も困ったものですが、この夫婦は、過去1回起きた夫婦間暴力事件の解決に、親も交えて話し合ったと言います。
妻が、この解決法をとったことで、夫は傷ついたと思いますが、そうした夫への配慮が、妻には無いようです。

新聞に書かれた妻の訴えは、「何に怒っているのか尋ねても、夫は答えません。頼み込んで教えてもらうと、怒った内容が誤解であることが多く、説明しようとしますが、一切、耳を傾けません」

とあります。
本当にこの妻は、夫の怒った理由がわからないのでしょうか?夫の怒りがわからないことは問題だ!と、なぜ、妻は思わないのでしょうか?
 
そして、夫は、たいした理由がなくて、妻に怒ることもあるでしょう。会社でいやなことがあって、妻に当たるような八つ当たりもあるでしょう。こうした場合は、大抵は、夫は反省しています。だから、妻は、そっとしておいた方が良く、怒った理由をあれこれ聞きこむ必要はありません。八つ当たりを理解し、やりすごす一方で、夫の怒る理由と、意向はしっかり知る必要があります。

もし、夫が長い間、怒っているなら、そこには、夫のメッセージがあります。夫が妻に伝えたい思いがありそうです。夫も、長い間、無言でいれば、夫が困る事が出てきます。
お互いが妥協し合わないと、一緒に暮らす意味がありません。夫の怒った理由を聞いて、すなおに夫が話したら、解決は早いですけど・・・・。
 
さて、ここで、夫が抱くであろう夫の思いを勝手に想像し、代弁して書いてみます。

妻は、いつも自己弁護的で、自らの態度の問題点に気づくことができない。だから、私は、はっきりした言葉で、メッセージを伝える必要があると思ってしまう。つまり、私がきちんと判断しないと、うまく回らない家庭であると・・・。私だって、自分から、俺が一番えらいんだ!なんで言うのは、気がひける。しかし、妻は、私からそういうはっきりした言い方をされないと理解できない人間のようだ。今までも、妻にまかせたら、困った結果になることが多々あった。

世の中には、もっと良い暮らしを家族にしてやっている男はたくさんいる。でも、今の私は、自分の体を張って、仕事をがんばっている。そんな自分への情けなさから、感情が高ぶることがあり、身勝手な自分であるとは思うが、妻はそんな私を受け入れる余裕がないらしい。妻は私をねぎらうことをせず、私を非難する。妻は、自己弁護ばかりして、自己弁護が意味の無い事に気づかない。妻は、他人の心や立場を想定して、思いやるということができない。妻は、自分は正しく、かつ、弱い人間であるとアピールをしすぎる。
 
私の努力を、評価してくれる妻や家族であって欲しい。子どもたちも、俺の問題点は知っている。しかし、子どもは妻の問題点も、又、知っている・・・。

家長の夫は、弱い立場である家族に対して、いばってしまいがちです。
でも、その時の抑止力となるのは、夫自身による自己反省の高まりでしょう。
それ以外には、難しそうです。
しかし、妻や家族からの気のきいた一言は、夫の自己反省を高め、夫が変わる力を秘めています。

以上、今回の人生相談は、いろいろ問題を抱えた夫婦についてですが、やがて、子どもは育ち、それまでに、お互いの考え方が変わらなければ、その時には、もう一緒にいる必要はなさそうです。
 
お互いが、お互いの能力を認め合うことできないなら、ハッピーではないですから。
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