、医療だけは、高いものが良いものと限らない。これが確実に言えるのは、医療分野だけである。

 
前回、発想の転換について書いた。男性の価値は、介護の要員としての能力で決まるなどと書いたが、反発を感じた男性陣も少なくないかもしれない。
 
人の価値とは、加齢していく人生の過程で変わっていくものだ。
 
適齢期の女性であれば、かつて、結婚の条件は三高、高学歴、高収入、高身長であったはずだ。
それは、適齢期の女性にとって、未来の夫が、将来にわたり、豊かな生活を保障してくれる相手だからである。
 
私の周りの女性たちを見ても、夫が社会的に高い地位につけば、その妻の女性は幸せそうだ。
周りからも、内助の功などと、もてはやされている。万年、平の亭主をもった女性より、満たされる部分は多いと思う。
 
しかし、加齢した妻が、体が不自由になった時、本当にやさしく接してくれるか夫かどうかは、又、別の資質なのではないかと思う。
 
高齢者の苦しさや悩みに、いかに気がつき、どんな風に助けてくれるかで、介護人の価値は決まる。
三高だった人は、縁の下の力持ちのような立場には甘んじられないことが多いかもしれない。
 
しかし、本当に頭の良い人というのは、いつでも、どこでも、周りから期待される人間像を演じられる人なのだと思う。
 
iPS細胞の山中教授が、NHKテレビ紅白歌合戦の審査員をして、司会者からコメントを求められた。
その時の山中教授は、その場にふさわしく、庶民的でありながら格調もある応答をしていた。ノーベル賞学者であるそんな彼に親しみをかんじた視聴者も多かったようだ。
 
山中教授、自ら語る医師としてのキャリアが、英語講演の形で、英語のリスニングの一般雑誌に紹介されていた。
 
その講演によると、山中教授は最初、整形外科医をめざしていたようだ。その後、山中教授は、自らのキャリアを基礎研究に変更するのだが、そのきっかけとして、手術には才能がないと悟った事、臨床医が助けられる患者の数に限界を感じたからであったと述べている。
 
そして、山中教授は、医学の実験とは、ことごとく、予想したこととは違う結果となるものであると話していた。
 
元々、自動性の危険をはらんだ細胞が安全であると確認する作業は難しい。
 
万能細胞の発見は、患者サイドからの期待も大きいだけに、どの研究者にとっても、安全性のある万能細胞の作製は、いばらの道であろう。
 
さて、こうした最先端の基礎医学では、嘘を言えば、そのうち、嘘はばれてしまう。しかし、臨床医学では、嘘でもしばらく気付かれず通用することがある。その間に、医者は、かせぐことができる。
 
こうした根拠の無い事でかせぐ医者は、都会に多い。こうした医師批判に敏感なのは、医療系の仕事に携わる事務系の人々である。彼らは客観的に、医師の品定めをするのが得意だ。
 
医療事務系の彼らの評価によると、東京の限られた本当に地価の高いところで医業をする医師が危ないと言う。
 
潤沢にお金がある都心の居住者たちは、高いものは良いものであることに慣れている。
しかし、医療だけは、高いものが良いものと限らない。
これが確実に言えるのは、医療分野だけである。
高地価の場所で医業をしている医療機関のネットの広告内容を見ると、その嘘が見てとれる。
 
とってつけた嘘は、医者でなくても、サプリでも薬でもしかりである。
 
医療は、暗示で商売がなりたつからである。
医者に限らず、他人に何か働きかける仕事や、師匠と呼ばれる仕事には、暗示で、人の気持ちを動かすことができる。
 
暗示で問題が大きいのは、暗示を他者にかけるだけでなく、自身に対してもかけてしまうことである。つまり、暗示をかけている側の人が、自らが超能力と誤解をしてしまう危険がある。
 
人は治療の効果を感じるのは頭である。
つまり、実際の効き目はなくても、頭が効果を感じれば良いからである。
 
最近は、そこに整体も加わってきている。
 
整体をやる人は、他人をその気にさせる魅力にとりつかれてしまうのだと思う。
整体士は、自らが高い能力を持っているとする自己暗示にかかってしまいがちだ。
 
お金儲けや暗示療法だと割り切って整体を施している人の割合は、実際はどの位なのだろうか?
 
暗示にかかったクライアントが熱心に通ってくるうちに、整体士、自らの手や腕が、すごい能力を持っていると思いこんでしまい、自らやっていることが何なのか?もうわからなってしまうのだと思う。
そうなれば、むしろ、整体士にとっては幸せなことであるが・・・。
 
ある、一流会社に努める若いエリート男性から、自律神経に効く整体があるという話を聞いた。
このエリート男性は、自らが自律神経失調だと言う。
医者にもかかって、薬物療法も受けた。しかし、薬は良くないと、彼は思った。
彼のくわしい症状はわからないが、彼は自律神経の治療に、自律神経専門の整体治療をみつけたと言う。
つまり、自律神経を治すとする専門の整体治療があるらしい。
 
私は、そんなのあるのか?と思ったが、そうした内心を隠しながら聞いた。
「それって、効果あるのですか?」
 
青年は、即座に「すごくあるんです。僕の場合、薬はだめでしたね。整体はすごくいいですよ。でも、料金がすごく、高いんです。専門だからしかたないみたいです。
と答えが返ってきた。
 
30分五千円とか?」
 
「いや、40分で八千円です。保険はききません」
 
こうした治療(まがい)のものは、高い方が効くだろう。
保険はきかないとの答えに、私はほっとしながら返した。
「気持ちが良いと思える時間を長くとることは、とても大事ですよね。」
 
ここで私のコメントも止めておけば良いのに、やはり、つい、本音が出た。
 
「なぜ効くのかの説明を、整体士に聞いた方がいいですよ。今度、そこを突っ込んで聞いてみたらどうかしら?」と、言った!
私の本音は、「整体士の理論が破たんするまで、聞きこんで欲しい・・・」ではあったが・・・。
 
整体士が、暗示療法をやっている自覚があれば良いが、整体士にその自覚が薄い場合、あるいは隠している場合は、クライアントとの話合いは不毛なものになりそうだ。
 
しかし、このクライアントは、薬が悪いと感じた鋭い感覚を持っている。
頭も教養もある一流会社の社員なのだから、いつか、自らの自律神経失調とは何なのか?に気づくようになるのでは・・・と考えた。
 
このクライアントは、整体士の説明に限界を感じるようになるかもしれないし、あるいは、クライアント自らで、治療が不要になったと感じるようになるかもしれない。
 
いずれ、どちらかには、なっていくのだろう。
 
そして、整体が効く理由を彼自身で解き明かして、整体に頼らずして、自らで自律神経を調整できるようになってほしいと思う。
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