アマゾンレビウーに、STAPが無いとされたことが異常であると、書き込んだレビュワーがいました。確かに適格な表現だと思います。
理研の一部研究者とマスコミが協力して広報に務めた結果、STAPの存在は無しと世間にきめつけられてしまいました。
しかし、この事件は、表面的にはSTAP細胞の是非より始まったものの、古い研究所に残る労働闘争のような、階級間の闘争の様相を想像することができます。
日常的に渦巻く階級間の確執が、STAP問題で表面化したのではないかとの視点で見ることもできます。
つまり、身分が層別化されている集団において、上層幹部の人たちを、それ以外の層の人たちが攻撃する階級闘争です。
上層部でない別の層の人たちが支持層を拡大させることができれば、上層部に対して権力を持つのです。
つまり、STAP問題は代理戦争であったとの見方です。
以下の説明は、あくまで、想像にすぎませんが、階級闘争の視点から、STAP騒動の解明を試みることにします。
古く旧国立の研究所は、昔から延々とノウハウの続く労働組合的な体質があると思います。中の人は、闘争手段や経験も持っています。
労働運動のリーダーシップを任う層は、数の多い中間層の研究者たちです。この研究者たちも、若い時は、留学をしたり研究にしのぎを削っていました。
しかし、研究につまずいたり、業績を出しても派閥でないために、幹部になれない人々がほとんどと思います。
ごく一部の人しか上層幹部になれないわけですから、多くの秀才は望みかなわず定年近くになったりしてしまいます。
しかし、多数派層は、研究所に持ち込まれるやっかりな仕事をこなしたり、ミスのない実験経験も多く持ち、プライドの高い人たちです。
こうした人たちにとっては、人事の不公平感は大いなるものでしょう。神戸理研CDBで行われていたような能力主義は、多くの研究者にとって脅威でもり、目のうえのたんこぶでした。
若手採用主義は、中間層の人にとって日頃の努力が無視されるものであり、大いに不満がつのるやり方であったと思います。
そうした不満が渦巻く中間多数派の研究者たちの一部は、高いアンテナを張り巡らし研究を見張りしながら、理研CDBでの若い女性研究者の新研究に疑問を持ちました。
彼女の研究内容は、細胞の酸浴という、突飛で思い付きのような研究であるらしいと、うわさは広がります。
理研CDBの内部職員からも積極的に、全国の理研に向けてリーク情報が流されました。“ターゲットとして注目!”と言わんばかりに、STAP研究がうわさされ始めたと思います。
そうこうして、小保方氏と若山氏の研究が進んできて、いろいろ情報が増えるにつれ、研究者の中には、細胞の酸浴による万能化実験などを最初から疑う人も出てきました。伝統ある研究所にふさわしくない研究ではないのか?となってきました。
こうして、STAPに反感をもつ人たちは、STAP研究途中から、すでに、あらさがしを始めていたと思います。あらさがしのための資料は、すでに理研CDBからリークされていて入手が可能でした。もっと言えば、STAP研究は、疑惑に適した好都合のカモだったかもしれません。
そして、論文が発表になるやいなや、ねつ造派は、速やかに、図表の不備、遺伝子解析の問題点の指摘を開始したのでした。
ねつ造派の研究者たちは、ネットを使って情報を拡散させ、マスコミも呼び込んで、マスコミ記者を洗脳し、ねつ造事件と信じ込ませたのです。
ねつ造派の研究者たちは、女性記者たちに難解な万能細胞について、懇切丁寧に教授し、彼女たちに、ねつ造を摘発した記者であるとの功績が与えられるよう導いてあげました。
彼女たちは、指導してくれたねつ造派研究者を、すごい人たちだと尊敬をし、特ダネを手にいれたことを感謝したでしょう。
理研内の一般的な研究者は、理研CDBの人事のやり方に脅威を感じていたでしょうから、CDBへの批判は、理研内研究者の支持を獲得できていたと思います。
つまり、中間研究者層の支持を集めるという階級闘争のやり方を、ねつ造派は、熟知していたのではないでしょうか?
ねつ造派の人たちによる権力掌握の証拠を、理研内部でたちあがった改革委員会の人選に見ることができます。
たちあがった改革委員会は、第三者機関であるとの公平性を装い、正義の戦いを旗印とされましたが、実の姿は、ねつ造派の意向が反映される組織だったのではないでしょうか?
この改革委員会は、理研上層部の判断を抑えることができるほどの権力を獲得できたのです。
改革委員会の委員長には、威張る人を選びました。この委員長を選べば、理研CDBを潰すことが最初からわかっていました。この改革委員会こそが、階級闘争の産物で、決して、公平でもなければ、正義でもなかったのです。
多数派層の予想したどおり、委員長は理研CDBに厳しい態度でせまって人員整理をし、理研CDBを弱体化したのです。これこそ、多数派層が、階級闘争に勝利し、権力を獲得していた証拠とみることができます。
この先は、STAPつぶし、神戸つぶしが順調に進んでいくことになります。
目に余る行為でしたので、理研の職員の中でも、こうしたやり方についていけない人たちは多くいたでしょうし、職員の中では、何が起きているのか知らない人も多かったかもしれません。
上層幹部は、こうした多数派層の行き過ぎに問題意識を感じながら、抑えることができませんでした。階級闘争とは、下の労働者層からの突き上げを、上層部が抑えられない状態に持っていくことで、権力を獲得する手法と思います。
上層幹部は、日頃の研究でも部下たちに世話になっていますし、弱点もにぎられているでしょう。
特に、今回は、上層幹部は、STAP疑惑を調査して結論をださなければならない立場ですから、部下の研究者たちに協力してもらわなくてはなりません。
STAPがESと類似している理由の答えをださなければなりません。
調査委員会のメンバーも、部下だ
のみです。ですから、すでに、明らかにされていたSTAPはESが同じであるとの結論を採用せざるを得ない状態でした。
それ以外の調査などをやろうとすれば、最初から検体の選別をして、すべて検査をやり直しが必要になりますし、手のかかる検査をしてくれるスタッフもいません。
つまり、上層幹部は、STAP、ES同一説を採用するしかないのです。
同一説を採用しない場合は、理研内の管理体制の不備を、天下に暴露しなければならなくなります。すわわち、検体のすり替え、マウスのすり替え、検査結果の差し替えの可能性を暴露しなければならなくなります。
理研の実験管理は完璧であった、マウスはきちんと管理されていた、検体保管には問題が無かった、調査検体は正しく検査されたとする姿勢を保つことが必須です。そのためには、誰かを単独犯にして、ES混入事件にするしかなかったのでしょう・・・。
攻撃は、やりすぎれば、城が消滅してしまいます。多数派層と上層部は、お互いに対立する者同士でも、城は守らなければなりません。
階級闘争では、多数派層の発言権が確保されれば、闘争は終結します。終結させるために、ねつ造派層の決めた単独犯説が、調査委員会による最終結論として採用されたのです。
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