STAP事件を納得できない人というのは、自分自身でものを考えることを日常的にしている人と言えるのではないか?と思ったりします。

前ブログで、がん細胞と酸性環境について書きました。

実は、細胞の初期化あるいは万能化と、がん化というのはとても密接な関係にあります。

CCT、Sox2、Klf4、c-Myc (OSKMと略)は、山中先生のグループが発見された有名な初期化遺伝子ですが、STAPフォロワーにとっても、大事な知識です。
STAPフォロワーで、OCT4を知らない人は、まず、いないでしょう。

STAP事件の前には、一般の人々にとっては、とても遠い世界の言葉であったOCT4でしたが、STAP事件が一気にOCT4への関心を高めました。

STAP事件は、いまだ解決しておらず、憂慮される状態です。
この事件は、全マスコミや理研の調査委員会の見解を納得できない人の関心を集めています。
STAP事件を納得できない人というのは、自分自身でものを考えることを日常的にしている人と言えるのではないか?と思ったりします。
アマゾンレビューなどを読むと、そうした人たちが中心に、星5つの評価をしているように思います。

だれもが実際にSTAP事件の起きた現場を知るわけではないのですが、公開された情報やデータでは、不可解で納得できない事件なのです。

しかし、公開されている状況証拠から、人々は独自にものを考えています。

専門で無い分野の出来事や知識についても、人がそれぞれにものを考えることができるようになったのは、ネット世界が人々に与えた独学ツールのたまものでしょう。

人々が万能細胞やがん化に対して関心が集まり続けることが、STAP事件の解決につながるように感じています。

京都大学の幹細胞研究センターの研究者が、2012年のPLOS ONEという雑誌に、がん化と万能化について解説論文を書いていますので、少し紹介します。

iPS細胞の作り方と、それに関連して、腫瘍細胞が作れることが紹介されています。

人間の繊維芽細胞を材料に、レトロウイルスを使って、強制的にCCT、Sox2、Klf4、c-Myc (OSKMと略)遺伝子を、繊維芽細胞に入れこむと、iPS細胞が作れるのですが、iPS細胞ができる確率は、細胞全体で1%以下とのことです。

このiPS細胞ができてくる培養の経過中には、他のさまざまの組織や臓器ができる幹細胞もできてくるそうです。
そうした幹細胞の性質をもったいろいろな細胞の中には、上皮を作れる幹細胞
(上皮幹細胞iESC)もできてきます。

iPS細胞は、万能性がありますが、一方の上皮幹細胞は、上皮をつくるのに特化した細胞です。
繊維芽細胞の初回培養からいろいろな幹細胞を作られてくるまでには、30日を要します。

驚くことに、上皮幹細胞(iESC)は、上皮を作る細胞にとどまらず、ここから腫瘍を作れる細胞へと誘導していくことができます。上皮幹細胞iESCを、一晩、つるして培養すると、胚様体と呼ばれる小さな細胞塊となりますが、この胚様体はすでに腫瘍形成の能力が備わっているそうです。

この胚様体の細胞塊をさらに皿に移して培養すると皿の底に増殖してくる細胞は、腫瘍を作れる細胞(腫瘍幹細胞)になります。培養皿の底に増殖してくる細胞は、自律的に増殖をくりかえすことができ、腫瘍を形成する能力があるのです。

こうして、iPS細胞を作り出すのと操作の経過中に、人工的な腫瘍細胞を作り出すことができます。

腫瘍細胞とは、自分自身で自ら若返って次々に細胞増殖を果たすことをできる細胞を言います。不死化細胞とか、自律性の増殖能力のある細胞とかの言葉が使われます。

この最初にできた腫瘍幹細胞を一次細胞と呼ぶと、この細胞から次々と腫瘍ができてきます。作られた腫瘍から二次の幹細胞となっていきます。

二次の腫瘍細胞が、一次細胞と同様の腫瘍性の増殖能力を引き継ぐのです。
次々と幹細胞が維持されれば、腫瘍細胞が維持されて、かつ拡大していきます。
結果、増殖が止まらないまま腫瘍は大きくなっていきます。
体中で腫瘍が増え続けてしまうので、生みの親であるホスト自体が瀕死の危機となります。

以上のことを考えますと、万能化細胞は、もともといろいろな問題をかかえていることがわかります。
作成に、時間がかかること、効率が悪いこと、リプログラムにばらつきがあること、そして、この腫瘍化細胞ともなりうることが問題視されています。

そうした意味で、STAPがiPS細胞同様の万能性を持つなら、ほんとに素晴らしいものだと思います。
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