選挙民が政治家の本音を知ることができず、政治家にとって、都合が良いしくみは、変わってほしいものと思う。


今回の参院選は、18歳、19歳が投票権を持つ初めての選挙となったが、ネット記事で、日本テレビの解説委員小栗氏が解説している。以下の文章である。

18歳、19歳は、およそ240万で、有権者全体の約2%だが、「若い人たちの意思を取り入れていく必要がある」「若い人たちに政治に関心を持ってもらおう」ということで導入された。

私は団塊の世代の人であるが、この“きれいごと”解説は、納得できない。
18歳、19歳で、世の中の価値観を判断させるには、あまりに人生経験が少なすぎる。

私は、選挙権は、20歳でも早すぎると思っているが、18歳、19歳の選挙新参加が、簡単に決まってしまった(涙)・・・と思っている。

しかし、年齢を重ねると判断力も衰えることを考えると、死ぬまで選挙権があるのも問題になるとは思う。

結局、民主国家において、税金の使い道や、国防については、決めようがないから、すべての人を加えての多数決による”落としどころ”しかないのだろう。

決まったことが、どんなに納得のいかないひどい内容でも、人々はあきらめて受け入れるしかない。

若い人は、将来が大事だろうから、仕事、雇用、キャリアアップがメインだろうし、衰えた老人の気持ちも悩みなども理解できない。人は、必ずしも、賢く老いるわけではない。

今後の高齢化日本で、団塊の世代の人たちの切り捨て方をスムーズに決めていくには、若い人たちの選挙判断を取り入れていきたいと国は考えるだろう。そのための18歳、19歳の選挙権の導入であるように思う。

政治家は、財力や国力のある国のトップに立ちたい人たちあろうから・・。

都知事選の候補者でももめているが、宇都宮氏などは、過去の経験からしても、東京都の現状解析や政策分析に詳しく、常に政治のことを考えてきた政治プロだろう。

それが、本日の鳥越氏の立候補で、宇都宮氏自らの知識や経験も選挙準備も水の泡になりそうだ。

宇都宮氏は、”政治は水物”の悲しさを感じているだろうと思う。どんなに経験に厚く、政治的判断力にキャリアを積んできたとしても、それで票が集まるわけではない。
勉強のできる人たちが、必ずしも入学試験で合格するわけではないのに似ている。

一般的に、入学試験であれば、合格の判定は入学先の先生たちがする。しかし、選挙の場合、合格の判定は、試験を受けている生徒たち自身が相互評価で行うのだ。
考えようによっては、とんでもなく、理不尽な仕組みとも言える。

生徒たちの中には、良く勉強をしている生徒もいるし、勉強が嫌いな生徒、あるいは勉強そのものを全く理解できない生徒もいる。そうした生徒たちが、集まって合格する人を決めるのが、選挙である。

こうした理不尽さがまかり通る仕組みであっても、誰も文句を言わないのは、政治の試験の答えには、入学試験と違って、正解というものがないからだろう。

つまり、政治に素人な人たちでも当選はできる。
昔、扇千景氏が国政選挙で当選した時、記者会見で「これから{議員として}勉強します」と答えた。しかし、当時、美人女優であった扇千景氏のこの発言は、マスコミで問題にならなかった。

しかし、今回の参院選では、テレビ中継で、自民党の今井絵理子氏は、池上彰氏から質問を浴びせられて扇氏と同じような失言をした。

今井氏は、「12歳のときから東京で音楽活動していて、沖縄の基地問題は、これから勉強します
と答えたのである。

――つまり沖縄の問題について、立候補して初めていろいろ考えるようになったということなんでしょうか?

今井氏 はい、そうですね。
――これから沖縄の問題を考えていくことですね?
今井氏 はい、これからきっちり向き合っていきたい、

池上氏は、このやり取りの後で苦笑しながら、「これからの勉強ですか?!」とコメントしたのである。

鳴り物入りで当選した新人たちは、政治とは無縁、無知な人であることを、池上氏はテレビ画面でさらけ出させてみせた。

池上氏は、自民党の新人の元スポーツ選手にも、「選挙中、候補者の顔が見えないといわれているが・・・・」と質問した。
、当選者は「いろいろな人とふれあえなかったのは、、(選挙地域が広いので) 仕方ないです」と答えてしまったのである。
これは、失言への誘いであった。

こうして、新人たちは、ベテランマスコミ人の誘導質問にひっかかってしまった。当然、新人たちは狙われるだろう。

しかし、池上氏もコメントしていたが、失言するような人は、ある意味、正直な人と言っても良いと思う。

一方、ベテラン政治家は、失言しない一方で、正直な人では決してない!とも言える。彼らは失言しない代わりに、何を言っているのかわからないことがある。

とにかく、言葉が少なくしゃべる政治家というのはずるいと思う。質問者の誘導にはのらず、答えないのである。

日本では、こうしたよくわからないことしか言わない政治家に票を入れる人たちもいる。選挙になると、候補者同士の討論は、日本では禁止されているのだと言う。

これでは、候補者の本音が見えにくい。とっさの判断や言葉で、人の本音や人柄が見えてくることは多い。能力もわかる。

建て前を唱えるだけで、大物ぶっている政治家がいるが、彼らが真に優れているのか?あるいは、化けの皮が剥げるのか、立候補者同士の討論を見たい。

今後の日本の選挙のやり方に必要なのではないだろうか?

選挙民が政治家の本音を知ることができない。政治家にとって、都合が良いしくみは、変わってほしいものと思う。




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