トランプ氏の勝利が確実となった。これから世界はどうなっていくのだろうか?
彼はどうやって“強いアメリカ”を作っていくのか?
その道筋は示されなくても“強いアメリカ”の掛け声だけで、選挙民を心地よい気持ちに誘うことができるということか?
トランプ氏に、政治経験がないということは、どのようなマイナスの結果を招くのか?その答えは、日本人はもちろん、世界中の人が知らないだろう。
戦後のアメリカは、苦しい人種差別を乗り越えて、平等社会をめざしてきたと思う。世界の警察官も演じてきた。
日本にとっても、アメリカは憧れの国であり、特に、私たち団塊の世代は、憧れのアメリカ意識は強い。
アメリカ人は、世界に通じる英語を話し、世界の科学をリードし、教養豊かな理想主義者というイメージがある。
アメリカ映画の中の豊かな暮らしは、団塊の世代がとことん憧れてきたものだ。仕立ての良い体を美しくつつむテイラースーツとトーク帽、夜のパーティで着る歩くと揺れる透ける生地のイブニングドレスなど、子供の時の少女の憧れは、その後の人生では得られないものだ。
未だに、アメリカ的な豊かさは、心を奪われる。この憧れを超える対象物も、もはやみつけられない。
そのアメリカが、実態のない幻想に心を奪われているような気がする。
額に汗を流して苦しい仕事をこなしていても、富の不公平極まりない分配に苦しむアメリカ社会になってしまったためなのだろうか?
アメリカの貧しい白人層のことは、日本人は良く知らないだろう。表舞台にでないこのアメリカ人を日本人は知らない。
世界をみることのできるマスコミ人たちには、世界におけるアメリカの立ち位置が良く見えるだろうが、表舞台にでない一般アメリカ人の感情を想像することができなかったようだ。
世界の首脳が集まるときは、必ずアメリカ大統領が、真ん中に立つ。そのためには、アメリカ国民が支払わなければならないお金も義務も大きかったと思う。
カッコの良い立場を今後もアメリカが維持していくためのツケを、もう支払たくないということかもしれない。
理想を語っていた憧れの人(アメリカ)が、突然、普通の人並みに目先のことしか話さなくなってしまったかのようだ。思慮深い人(アメリカ)が、その理想を捨てた気がして、団塊の世代はさみしい気がする。
もともと、白人社会は差別的なもので、文化も科学も白人が先陣を切ってきた。
白人は、富も知識も独占してきた。
人は何人も平等であり、努力して良い人生を獲得するとの考えがあり、そこに向かって走ってきたのがアメリカであったろう。
日本は、そんなアメリカの富と知識に頼ってきた。しかし、そのアメリカは変わろうとしている。
日本でも、この先、団塊の世代が消えていくにつれて、日本もどんどん、変わってしまうのだろう。
憲法9条も簡単に改正されるかもしれないし、戦争ができる国へと変わるのだろう。
そして国力が衰退していく中で、大衆の不満をあおる政治家が生まれ、その時の日本人たちは、又、戦争を始めるかもしれない。いつでも、戦争には大義名分があり、国を守るために戦うぞ!となるのだ。
国際連盟脱退の時の、松岡外相の演説などで感じることだが、大衆は扇動者にだまされるのだ。
良く知らない人たちに、戦争の誘惑をとりつかせてしまうのである。
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