トランプ勝利で、世界中が反応しているが、早々、阿部首相との会談が決定したのは興味深い。
アメリカの街頭インタビューでは、「トランプ氏が思ったほどひどい人ではないことを祈るばかりだ。」との発言する人もいる。そう考える日本人は多いだろう。しかし、さっそく、反トランプデモが起きているようだ。
本日、クリントンは、「ガラスの天井は近い将来、必ず、破られるであろう」 との感動的な敗北演説を行っていた。
総得票数はクリントンの方が多いのだと言う。
前回の選挙戦とは違って、クリントンは最後まで戦い、世界を啓発した。
これ以上の女性政治家は、今後のアメリカでは、しばらくは現れないような気がする。
昼の番組でも、今後の国際政治の行き末について、木村氏や手嶋氏らによっての解説が盛んに行われていた。宮根さんも、水を得た魚のように生き生きと番組進行をしていた。
アメリカはせっかく、オバマケアと呼ばれる医療保険が導入させたのだが、トランプ下では、これこそ変わってしまうであろう。
しかし、医療を受ける環境がどんどん、変化していくことは、日本も同様だ。
アメリカに比べると、日本の医療保険は、世界最高の幅広いカバー力を持つ。
しかし、一方で、人々の本当の病気の治療に必要な根幹医療が崩壊しつつある。
全面オープンに先駆けて、一部オープンした某専門病院で、ナースが集まらないので入院ベットの増床できず、全面オープンができないという新聞記事があった。
これは、ナースがいないといより、専門治療に耐えうる優秀なナースがいないという意味だ。
専門病院で専門治療がミスなく行われるためには、有能な選ばれたスタッフが必要だ。
医者やナースが有能でなければ、先端医療も先進医療も担えない。
病院が有能な人たちを集め、キープさせていくのは簡単なことではない。
テレビで人気のドクターXでは、有能な医師である大門未知子のみが、手術トラブルを解決するストリーである。
この医療ドラマは、セリフなどの内容に問題はあるものの、メッセージ性はある。
優れた良い医療は、医療者の才能を要するものとのメッセージである。
誰もが、絶対に失敗しない医療を望んでいる。
しかし、良い医療には才能が必要なこと、予期せぬ出来事はしばしば起きる事、瞬時の判断ができないと医療の失敗につながることなど、番組は視聴者に医療を考えさせている。
こうして、視聴者は、自然に医療者の才能について学んでいるようだ。漫画チックではあるが、視聴者に医療現場を垣間見せる雰囲気で、番組が作られている。
ドクターXでも、人の命を左右する重大な病気を診れる病院が限定的になっているとの現状を指摘し、今の日本のかかえる医療問題を提起している。
話しは変わるが、8日早朝、福岡市博多区のJR博多駅前で、市営地下鉄延伸の工事現場上の市道が陥没した。
この事故は、地下鉄工事が原因だったとして、市は謝罪した。掘り進めていた岩盤の上部が少しずつ崩れて水が漏れ出した。岩盤が工事人の見込みよりもろかったそうで、急激に陥没したそうだ。
市幹部は「陥没対策に万全を期したつもりが万全でなかった。深く反省をしている」と述べた。
私はこの事故のニュースを見ていて、人の手術も同じようだと感じた。こうした予期せぬ出来事により起きる手術ミスはあるし、人の場合は予測がそもそも難しい。
岩盤ならこの程度の強さというのは、ある程度予想可能だが、人の場合は、標準値というのがなく、触ってみるまでわからないという場合がある。
体の外からだけでは、病変の状況がわからないから、とにかく(腹や頭など体内を)開けてみるしかないと考えて、外科医が手術を始めることもしばしばだろう。
もちろん、外科医はがんのような進行性の悪い病気を否定したいからだ
逆に、悪い病気の可能性が低く、医師が手術をせず、様子を見ていたい場合もある。
しかし、その予想結果が悪ければ医師は非難の対象になる。 医者は予想できたはずなのに・・・と考える人が多いのだ。裁判になれば、裁判官も医師の能力不足を想像し裁定を出す。
井上真央さんの乳がんを見逃した外科医は、ネットでかなり非難を浴びているが、がんの早期発見、早期治療は極めて難しく夢物語みたいがところがあると思う。
がん検診の万能性や有用性を啓発する活動が盛んだが、早期発見には限界が多い。
がんの早期発見、早期治療のは光もあれば、影もある。
がん疑いとされた人たちが行きつく泣き笑いは、日常的にしばしば起きていると感じる。
ことに、高額のペット検査にも、問題が多い。
この検査で、がんが疑わしいと言われた受診者が受診する先は、がん専門医である。
最初に、がんの疑いを指摘した医師ではない。ペット読影医は、後でとやかく言われないよう、結論を専門医に押しつける。
こうした不確実な画像判断の責任を、専門医は引き継がなくてはならない。
そもそも、がんであることを100%否定することはできないし、将来どうなっていくかについても、正確に予測することは専門医でもできることではない。
ペット検査で異常陰影があった場合、その異常陰影がある部分に、専門医が何度も針を刺してがん細胞を得るべき検査をしても、結論が出せない場合もある。こうしたグレーゾーンを心配して悩んでいる患者さんたちは少なくないのだ。がん検診の陰の部分である。
ペット検査を希望する人は、検査前にペット検査の精度と限界について情報を得るべきであろうが、受診者に対しての事前の情報提供は誰もやらない。
高額なペット検査の費用は、ペット機器を持つ医療機関が独占する。
検査医療機関の彼らは、診断の最後まで責任を持つことは無いのである。
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