男性は若いうちは、妻となる女性との関係が、一生を通じてどう変化していくのかを想像することは難しいと思う。
結婚は、ある意味、かけのようなものと言われる。“夫に恵まれなければ、妻にとっては一生の飢饉、妻に恵まれない夫は一生の不作”などと言われたものだ。
しかし、以前より、男性にとって結婚のリスクは増しているのではないか?と感じる。
元々、今の結婚制度は、男性の所有権に根差した部分が大きい。男性は、わが城を築き、城主として君臨したい、立派な家来を集めたいのである。
しかし、築いたはずの城なのに、家来たちによって城主が追い出されてしまうリスクが増えているではないかと思われる。
かつて、女性は庇護されてきた分、女性の権利はなかった。
しかし、男女平等が進み、女性に不利な面も出てきた一方で、昔のように庇護される立場で生き続ける女性もいる。女性の権利が拡大し、妻の言い分が通るようになったのだ。
こうした妻の反乱に対し、行動を間違えた男性はみじめな老後となってしまう。
しばらく、前になるが今年の秋、祭りの日の宇都宮で、元自衛官の72歳男性が車に火をつけた後、元自衛官本人は自作の爆発物で爆死する事件が起きた。
彼は、離婚裁判への不満を述べ、裁判所の不公平裁定を天下に知らしめたいとの意思があった。
彼が一生かかってためた老後資金もほとんど元妻にわたったと嘆いた。
以下が記事の一部
宇都宮市城址(じょうし)公園で23日に爆発物で自殺したとみられる栗原敏勝容疑者(72)=同市針ケ谷町=は陸上自衛隊を退官後、自ら開設したとみられるブログや本人のアカウントとみられるフェイスブックなどへの書き込みを繰り返していた。
以前は精神障害者支援団体の活動報告などが多かったが、今年に入ると元妻との離婚を巡る民事訴訟への不満をつづる回数が急激に増えた。「自暴自棄」などの書き込みもあり、心境の変化が事件の背景になった可能性がある。
栗原容疑者は退官後、支援団体の相談員として精神障害者と家族の支援に取り組んでいた。
ブログなどでもその様子が報告されていたが、今年1月以降は離婚に至った経緯や、宇都宮家庭裁判所の裁判官や調停員への批判が次々と書き込まれるようになった。
書き込みは内容が重複し、怒りの根深さが垣間見える。「債権差し押さえ命令で生活資金を没収された。住居も競売される」とも記し、金銭面で苦境に立たされていることもうかがわせた。
この元自衛官の暴挙に対し、マスコミは一斉に批判した。
「社会に問いたい!なんてとんでもない。他人に迷惑をかける暴力行動だ」と、自殺したこの男性を非難した。
彼の行為は暴力行為であるし、反社会的行為であることは間違いがないが、彼が憤死したことは事実である。
彼は、「なんて不公平な世の中なんだ!こんな馬鹿なことがまかり通ってはならぬ!正義に反する社会風潮だ!みんな、気の毒な私に共感してくれ!私の窮地に賛同してくれる人はいるはずだ」と、彼は思ったに違いない。
彼の妻や娘については、マスコミは何も書いていない。元自衛官の男性は、教官なども務め、組織的には優秀な人間であったろう。
多くの困難な仕事もこなして定年退職したのだろう。
その間、ワンマンな結婚生活であった可能性も高く、長い間、我慢をしてきた妻や娘との確執もあったであろうと思われる。
彼はそうした中で、もっと、老後の考え方を学ばなければならなったはずだ。老後を楽しくするには、周りとの人間関係をどう変えていくのかを考えてなければならなかった。
そうした発想の転換は、彼自身の幸せに必要だったろう。
早い時期から、そうした価値観の返還を図らないと、年齢が進んでしまってからだと、脳が柔軟性を失ってしまう。
特に、アルコールをたしなむ男性は、そうした傾向が強い気がする。秀才だった〇〇君が、こんなに頭が悪くなってしまったと感じることが少なくない。
優秀だが強い性格である元自衛官の彼が、定年後家庭の中で役割変更がうまくできずに、だんだん、追い詰められて行ったのだろう。あげくのはてに、妻に暴力をふるい、元自衛官はその立場を自ら不利なものにしてしまい、全財産をうしなったのである。
若い時に、おとなしく従順である女性は、その後も従順であり続けるだろうか?
若い時は、おとなしくて文句を言いそうにない女性であっても、従順というのは自然ではないのである。
人は皆、自我の生き物であり、人の本質は従順であることを望まない。
さらに、妻は、お金を得ることの大変さ、難しさを実感できなくなっている。
専業主婦は、お金をかせぐ能力をためされる機会が無いのである。
ワンマンで、妻の言うことなどは馬鹿にしているような夫に対しては、妻は老後教育を夫にほどこす必要がある。
夫を教育もせず、定年後に妻が豹変するのはルール違反だと思う。妻の努力不足とも言える。
お金のある時こそ、しっかり相手に文句を言い、お金がなくなったら相手にやさしくするのが理想だ。
ただ、気のきかない女性の夫であるなら、夫自身が、老後、妻の豹変を予期しなければならない。
自らが幸せであるためには、老後の男性はかわらなければ、似たような憤死の事件がおきるかもしれない。
それは、男性が努力して築いたことが、裏目に出るという悲しい人生の終わり方だ。
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