”病気のあいまいさと難しさ”をテーマに情報を発信いたします。

難しい話題のこのブログをみてくださる方々、ありがとうございます。今後も、”病気のあいまいさと難しさ”をテーマに情報を発信いたします。
 
エストロゲンは、血管拡張作用を持ち、心血管系に望ましい効果をもたらすと期待されました。さらに、中枢神経作用として、エストロゲンの認知機能の向上が動物で証明されるため、2000年以前は、エストロゲンは、女性の加齢を止める物質との認識が強くありました。それが、2002年のWHI発表により、この夢がみごとにくじかれてしまいました。
閉経後、特に60歳をすぎてからのホルモン補充療法は若返りに逆の効果をもたらすことが証明されてしまいました。

一般的に、エストロゲンは女性の気持ちをもちあげ、プロゲステロンは、落ち込ませると考えられています。月経前症候群などで、説明されているように、プロゲステロンが高い時期は女性の体調が悪く、気分が良くない、皮膚にできものができやすい事実があります。エストロゲンは若返り効果が期待され、うつの改善薬としても期待がありました。1990年代には、エストロゲンの抗うつ効果を指摘する論文がでました。
 
現在、中枢神経に、エストロゲンの受容体が発見され、新しい展開となりました。昨日のブログでは、エストロゲンと不安との関係を話題にしました。今後も、エストロゲンと中枢神経とのかかわりは、しばらくトピックスとなるでしょう。
 
こうしたエストロゲン変遷の歴史を追うことは、人の知恵の変化を、垣間見るようで興味深いですね。今日も、この話題にふれます。
 
まず、動物モデルでは、エストロゲン効果がしめされる論文を紹介します。次に、2002年のWHI発表後に続いて継続検討されている追跡調査について、ホルモン補充療法と人の認知機能との関連に関する論文2008年版を紹介します。
 
卵巣摘出してエストロゲンが低下したメスラットでは、気持ちがおちこみ、うつ状態となる。ラットの海馬に抗エストロゲン剤と注入すると、うつ状態を作り出せる。ラットでは、エストロゲンが動物の活動性と関係する。これらは、中枢神経細胞のERβを介するようである。
Neuropsychopharmacology. 2006 Jun;31(6):1097-111.
 
2008年、WHIによるホルモン補充療法に参加した10114人の女性において、4-5年後の認知機能を、ホルモン群、偽薬群で比較した。エストロゲン補充投与群では、偽薬群とくらべると、1年後から中枢神経機能の低下が起き、ホルモン補充療法群(黄体ホルモン+エストロゲン群)の女性では3-4年後から、中枢神経機能の低下がみられた。
Cochrane Database Syst Rev. 2008 Jan 23;(1)
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