STAP細胞が単にESにTSが混じったものだけであったなら、それぞれの培地条件の違いにより、増殖できなくなるのではないでしょうか。

何を言ってるやら様より以下のコメント(青字)をいただきました。
他にも有用なコメントをいろいろとありがとうございます。
本日は、これをお題といたします。

調査委員会がletter論文をスルーしているという認識は誤りです。石井調査委員会はletter論文の調査はしませんでしたが、桂調査委員会はletter 論文の調査も行いました。調査報告書ではarticle とletterを分けて書いてないのでわかりづらいのですが。調査したからこそletterにしか出て来ないFI幹細胞もES細胞であるとほぼ断定できるという調査結果がでているのです。

確かに、桂報告書は、レター論文にも言及しています。
何を言ってるやら様のご指摘の通り、FI細胞も、ES1がまじっていたのではないか?と言っています。

しかし、桂報告書でも書かれていますが、若山氏は、レター論文で使われたOct4入りマウスからは、FI細胞を作っていないと言っています。
桂報告書(青字)の下から2行目に、“GOFマウス由来のSTAP細胞から樹 立されたFI幹細胞に”との記載があり、桂報告書は、若山氏が否定しているにもかかわらず、GOFマウス由来FI細胞が存在していた可能性を書いています。

論文で使用したマウス由来のFIがみつからないと、桂報告書は、レター論文の問題点を指摘はしているものの、レター論文のストリーそのものを否定していないのです。
“図表がねつ造と断定する”などの強い言葉も使っていません。

Oct4+のFI細胞が無いとの若山発言には、がっかりしますが、研究者たちがこれだけ、苦労して完成させた世界初の細胞をなぜ、つぶしてしまうのでしょうか?
ESとTSを混ぜて作った細胞では得る事のできない実験結果だと思いますが・・・。

使用マウスが違っていたからの理由で、論文撤回するのは仕方無いとおもうのですが、なぜ、世界初の細胞を生み出す努力を止めてしまうのでしょうか?

若山氏は、レター論文で得られた実験結果を、どのように考察するのか、何年先でも聞きたいものです。

学とみ子の勝手に想像では、遺伝子構造の痛んだ細胞を用いると、遺伝子の柔軟性がでてくるのではないか?です。(学とみ子は、STAPはクローンマウス由来の可能性を書いています)。

話しが飛んで恐縮ですが、がん細胞を考えてみます。
私たちの遺伝子は、ひとりひとり違っていますが、体内にできたがん細胞の遺伝子異常も、患者ひとりひとりで違っています。ですから、各患者ごとのがん細胞の遺伝子異常をみつけて、そこを攻撃できる(その患者用の)免疫細胞を活性化することができれば、がんを消退させることにつながります。つまり、患者ごとに、攻撃細胞を人工的につくります。今はそこまで詳細に、免疫細胞を人工的に操作することができないので、がん治療の難しさにつながっています。
がんからの知見でも、体細胞の遺伝子の機能は、条件では変わりうるものだと思うのです。
この方面の新規の遺伝子操作の研究は、ねつ造騒ぎでつまづいていないで、玉石混交でも、進んでほしいものです。

元の話題に戻ります。
レター論文の否定は、今後の若山研究室の仕事へのダメージの大きさは、計り知れないものでしょう。
しかし、実験を行った当人がFI細胞を作っていないというのだから、桂報告書では追及を進めていません。

それでは、レター論文で書かれたSTAP、FI細胞を用いた実験を、桂報告書ではどのように扱っているのでしょうか?桂報告書は、レター論文の軸となる根幹部分には触れていないのです。
そして、ありがたいことに、桂報告書では、レター論文の図表がねつ造であるとは言っていないのです。
唯一、ESが混じったかも・・・?と言っているだけです。
桂報告書は、末梢的でしかない、小保方未熟性についての追及に熱心です。
桂報告書23頁10)で、レター論文のFACS画像への言及があります。
小保方氏のFACSの操作に慣れないためのミスが起きていると指摘しています。

レター論文は、STAP細胞が培地を変えるごとに細胞機能を変化させていく過程を研究したものです。
このような性質を持った細胞は他にありません。
この世に存在する細胞では、レター論文に書かれたSTAP細胞の動態と類似させることができません。

以上、今まで述べてきたことについて、実際の桂報告書を紹介します。

桂報告書24頁には、論文で使用された細胞(Oct-4の入ったFI細胞)はみつからないと言っています。
レター論文のFig2(aからkまで10種類と、Fig3(aからfまでの6種類)等の、主要な実験で使用されたFI細胞は、無いのではなく、みつからないのです。その部分の桂報告書の一部です。

実際の桂報告書 青字
10)Letter Extended Data Fig.5g、Letter Fig.3c-d について  GFP 蛍光と integrin alpha7(PE)蛍光の漏れこみの補正が行われていない(もしくは、 加えて、検出器の感度設定がサンプル間で異なる)ことが疑われる点  Letter Fig.3c、3d では FACS-Sorting 法で integrin alpha7a+と dim の FI 幹細胞を分 取しているが、上記の疑義により、これらの細胞集団の解析結果の信頼性にも疑問が 生じる点
23
 
(調査結果) 小保方氏と関係者への聞き取り調査から、小保方氏は主に CDB に設置されていた装置 (FACS Aria)を用いて FACS 解析を行っていた。しかし、装置と技術に習熟する機会が ないまま、実験を行っていたことを確認した。 上段と下段のプロットでは、右 45 度方向に多くの細胞が分布していることから、死細 胞除去が適切に行われていなかった、あるいは GFP とインテグリン抗体に付与した蛍光 色素の間で光の漏れ込みがあったと考えられ、十分な条件測定がなされていなかったと 考えられた。・・・・・・この点で不自然なデータと考えられた。 このように問題を多数含む FACS データについて、共同研究者から問題点を指摘された ことはないと小保方氏は説明した。 使用された装置に残っていたデータを再解析したが、論文の図に合致すると思われる ものを特定することはできなかった。
 
・・・・・・・の実験についても適切な測 定条件のもとに実施されたのか、疑問が残るが、オリジナルデータを調査することはできなかった。よって、調査により得られた証拠に基づき認定する限り、研究不正とは認められない。
 
 
11)Letter Fig.2b-e、Fig.3、Extended Data Fig.5、 Fig.6について Oct4-GFP の FI幹細胞が保存されておらず、作製されたとされるこの幹細胞の実在が 確認できない点(Oct4-GFPの挿入を持つFI幹細胞がLetter Fig.2b-e、Fig.3、Extended Data Fig.5、Fig.6で使用されているが、小保方研とCDB若山研のストックのFI幹細胞を調査した限りでは、Acr-GFP/CAG-GFP遺伝子を持つものしかなく、Oct4-GFPを有するFI幹 細胞が見当たらない。系統として樹立されなかったのではないか)
 
(調査結果)  若山氏と小保方氏への書面調査により、FI幹細胞CTS1は、若山氏が渡したCAG-GFPを有 する129X1とB6Nを掛け合わせて誕生したF1マウスを材料に小保方氏が作製したSTAP細胞 から、若山氏が2012年5月に樹立したもの(5月21日に作製開始してより5月28日樹立完 了)であることが判明した。  また若山氏の実験ノートから、上記のあと(2012年7月9日)にも若山氏がFI幹細胞株 を作製していることも判明した。このときは使用したマウスの記載がなく、遺伝的背景 は不明であった。ただし、若山氏の聞き取り調査から、CAG-GFPを有する129B6F1マウス 以外(論文記載のOct4-GFPの挿入を持つマウスを含む)からFI幹細胞を樹立した記憶は ないことが明らかになった。なお、小保方氏は論文に使ったFI幹細胞を樹立したことは なく、以上のFI幹細胞株の樹立はすべて若山氏が行ったことが明らかになった。  以上の2回に分けて作製されたFI幹細胞株は、CDB A棟のフリーザー内に「Call TS-1」、 「Call TS11〜TS13」として保管されていた。またこれらは、若山氏の実験ノートの記載 「2012年5月25日作製(1ライン)」と「2012年7月9日作製(3ライン)」に一致してい た。  このうち論文(Fig.2など)に使用されたFI幹細胞CTS1(Call TS-1)に対して理研が ゲノム解析を実施した結果、論文に記載されたOct4-GFPの挿入は確認できず、代わりに Acr-GFP/CAG-GFP遺伝子が挿入されていることが判明した。またFI幹細胞CTS1のゲノム配 列パターンは、それ以前に作製されていたES細胞FES1(2005年にAcr-GFP/CAG-GFPマウス より樹立)とSTAP幹細胞FLS3(2012年1月28日~同年2月2日にAcr-GFP/CAG-GFPマウスよ り樹立)と完全に一致することが判明した。  なお小保方氏への書面調査で、小保方氏はSTAP細胞を作製する際に若山氏から渡され たマウスの遺伝的背景を把握していなかったこと、また、若山氏から(Oct4-GFPを有す る)GOFマウスを渡されたものと思っていたことが明らかになった。
 
(評価)  Letterに使用されたFI幹細胞CTS1にOct4-GFPの挿入がないことが実証された。またこ の細胞株以外にOct4-GFPが挿入されたFI幹細胞が作製された事実も明らかにできなかっ た。  一方、2回目のFI幹細胞作製の際の若山氏の実験ノートにマウスの遺伝的背景の記載は なかったことから、2回目に作製されたFI幹細胞株は、GOFマウス由来のSTAP細胞から樹 立されたFI幹細胞にES細胞FES1が混入し、これが残存した可能性は否定できなかった。
引用終わり

レター論文の一部はこんな感じです。

STAP細胞はES細胞とは異なり、胚および胎盤組織の両方に寄与する。マウスSTAP細胞はACTHとLIFの培地で胎盤に寄与する能力を失う。FI細胞をLIF培地で培養するとES様になり、STAP細胞をACTH+LIF培地で培養するとSTAP幹細胞となり、この細胞はもはやTS細胞様の遺伝子は発現せず。細胞が培地の条件に依存して、形態機能が変化し、遺伝子発現も変化する。
STAP細胞をFgf4培地で培養すると、FIとなる。FI細胞は胚および胎盤組織の両方に寄与する。
定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)分析において、STAP細胞は、ES細胞とは異なり、Cdx2(図1d)などの栄養膜マーカー遺伝子を発現する。

STAP細胞とは対照的に、STAP幹細胞は胎盤組織に寄与する能力を示さない(図1e、レーン2~4)。STAP幹細胞は栄養膜マーカー遺伝子の発現をほとんど示さない(図1f)。STAP細胞クラスターを培養すると図2、 Fgf4誘導細胞は、インテグリンα7(Itga7)およびEomes(図2c、d)およびマーカー遺伝子(例えば、Cdx2;図2e)を強く発現した。

実験は多岐にわたることがわかります。細胞にコロニーをつくらせたりしているので、2種類の細胞が混じったものではないはずです。STAP細胞が単にESにTSが混じったものだけであったなら、それぞれの培地条件の違いにより、増殖できなくなるのではないでしょうか。

STAP細胞は、CD45という体細胞から作られています。すでに体の一部となって体内に無数に存在する細胞から作ることができます。病気になった時、再度、体細胞から初期化させて、臓器を再生する道を開く研究です。

受精卵はすべての細胞になる能力がありますが、細胞分裂をくりかえすにつれ、それぞれの臓器しか作らなくなって行きます。
胎盤をつくように分化したTS細胞は、もはや胎児をつくることができません。しかし、STAP細胞は、培養条件を変えると、胎盤胎児をつくるFI細胞になったり、ES様細胞になったりもできます。

それについて、一般人でもわかりやすく書かれたものが、レター論文の図4です。下記に引用しました。
胎児の細胞のように自由に人工的に臓器を操作できるようにするのは、人類の夢でしょう。
がんの治療だって、遺伝子操作で解決できてしまうかもしれません。


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