複数のβ鎖のエクソンは様々なパターンをとり、同一パターンとしての目印にならず、そもそも、元のSTAP細胞パターンを知る事はできず、キメラで元のTCRの有無のさがしようがありません。

以下のような自然リンパ球と呼ばれる、TCRを持たないタイプのリンパ球が最近、盛んに研究されています。

自然リンパ球 (Innate lymphoid cells, ILCs) とはリンパ球系に属する自然免疫細胞であるが、抗体特異的な応答はせず、B細胞、およびT細胞受容体を持たない。この細胞群は様々な生理的機能を持っており、あるものはヘルパーT細胞類似である一方、細胞傷害性のナチュラルキラー細胞(NK細胞)も含む。従って、これらは免疫系において恒常性維持や炎症反応に重要な役割を持っており、異常な場合にはアレルギーや自己免疫疾患のような免疫疾患を引き起こす。
引用終わり

T細胞は、人のあるゆる病気にかかわりあっていますが、しばらく前までは、T細胞の代表的なものはヘルパーT細胞で、これが免疫の司令塔といわれていました。
つまり、T細胞がB細胞も動かし、病気の場所に炎症を起こすと考えられていました。

以前から、自然免疫という考え方はありまして、人が生まれながらに祖先から引き継いで持ち合わせている免疫系を自然免疫系と呼んでいました。
一方、T細胞は、獲得免疫系と呼ばれていました。
こちらの方が高等な免疫系とされ、研究がアクセスしやすかったため、解明が進みました。リンパ球といえば、獲得免疫系、T細胞が大事だと長い間、考えられてきました。

しかし、近年、自然リンパ球の解明が進み、今まで説明不明だった機序の一部が明らかになりました。たとえば、ステロイド剤の治療がうまくいかない病気には、この自然リンパ球による免疫系がメインの炎症ではないか?とかの最近の知見があります。

ですから、自然リンパ球というものを知らない学者は、そこから一歩も出れません。
あくまで病気を、免疫の司令塔とされたT細胞にこだわります。
知らないということは、こういうことなのです。

このブログで、TCRなるものが、DNA情報か、蛋白レベルかとの区別の説明から一歩も進めない〇〇氏と、似た状態と同じです。
相手(学とみ子)が、DNA情報か、蛋白レベルかなどの区別よりもっと先の現象を語っていることを、〇〇氏は気づくことができないのです。
ご自身が理解できないことは、相手が間違っていると考えてしまうのです。

T細胞が司令塔と考えていた頃 (今でも、間違いではないが) 当時の医者たちは、おおまじめに、ヘルパーT細胞で病気の原因を説明しようと必死になっていました。
複雑な人の病気の現象は、T細胞で説明できないことはたくさんありましたが、医学者たちはそれ以上を知らなかったのです。
他にもさまざまな免疫反応があり、それらを組み合わせたら、もっと良く病気を説明できるようになることを知りませんでした。
上記にあげた自然リンパ球の役割なども、多様な免疫系の機序解明が進んだ代表的なものです。

自然リンパ球は、体内に侵入した危険物を見分けるためのTCRを持ちません。ですから、歯止めがきかない免疫異常がおきる危険があるわけです。

一方、分化したT細胞が体内へ侵入した危険物を見分ける時には、T細胞が自らの細胞表面に持つTCRを必要とし、T細胞はTCRを介して、情報を受け取ります。
ここで大事なのは、T細胞はその人自身の細胞である抗原提示細胞から、情報 (例えば、危ない菌が侵入しましたとか、がんができましたとかですが) をもらう必要がありました。

他人(の細胞)から、
「この菌は危ないですから、免疫を発動させて体を守る活動を開始しでください」
と言われても、T細胞は決して動いたりはしなかったのです。
T細胞への情報が正しいものと判断ができるまでは、T細胞は知らん顔をしていることが求められました。
沈着で思慮深い態度がT細胞に求められました。
これがあるからこそ、T細胞の働き方を人が研究対象にできたのです。

一方、人間の体内で、その人が知らないうち免疫反応が進行し、自然に治まってしまうような自然免疫系は、その働きの実態をつかむことが難しかったのです。

戦争時でもないのに、勝手に軍隊が動いたら大衆にとったら大変な状況になります。
まして、自国の軍隊が大衆に向かって行動したら、とんでも状態です。

つまり、過剰な炎症が起きないために、T細胞の働きは制御されています。そのしくみはTCRを介して、自分の細胞から正しく情報をもらうという事が必要で、正しい情報があると、T細胞の増殖と活動は開始されます。

T細胞は体中にはりめぐらされていますが、その駐屯地がいわゆる皮膚のぐりぐり(リンパ節)です。
首のまわり、わきの下、鼠径部などは手で触れてますが、内臓にも多数存在し、特に腸管は多くのT細胞がいます。

体中のさまざまな物質に対し、T細胞はTCRを使って探り続け、危険か?安全か?を見分けます。
ここで大事なのは、TCR(DNA情報、蛋白共に)は全部、別々の異なった構造体の姿をしている事です。
異なる物質を探り当てるためのTCRは、別々の構造体になる必要があるために、TCR再構成というDNA上のイベントが起きます。
ここも誤解している人がいるようで、一旦、TCRが作られてから、再度、作り直されることを再構成と呼ぶと誤解している人がいるようです。

今回、TCR遺伝子上のイベントの進み方について、誤解している方が多くいました。STAP細胞が偽物と信じる事ができる人たちは、情報操作されたTCR知識を理解していたのです。
もう、すでにTCR問題は解決したと言うES派の人がいますが、間違ったまま世論が構成されてしまいました。

以前に理研のがん研究の時に、TCRがピンク飾りのT細胞は、がんを殺す力があるという話題がでましたが、TCRはピンク以外にも、緑や黄色がありましたが、実はこの色は、無数に用意されています。
TCRの種類は10の10乗個以上のオーダーに増えてことが可能です。ですから、例えば、末梢を廻っている血液からT細胞をとってきてTCRを調べても同じ種類が見つかる事はほとんどありません。体内のさまざまな危険物質に対し、T細胞は異なるTCRを作らないとそれぞれの危険物質をみわけられないのです。

こうした抗原補足のためのTCRの機能というものをきちんと理解できていない学者層が一部にいました。TCR実験は、ES派の人達の誤解要因のひとつとなり、STAP偽物説の蔓延の原因を作りました。

STAP細胞も最初の頃の論文では、(たとえばサイエンスバージョン)キメラはT細胞から出来てきたのではと著者らは想定していたようです。

そのために、著者らは、STAP細胞でTCR(DNA情報)がを調べ、ゲル図でTCRを見つかったため、尻尾細胞でもTCRがみつかるのかもしれないと考えたようでした(想像です)が、この実験は明らかに考え方そのもののミスでした。

著者らは、TCR再構成というのは、T細胞に同一の遺伝子変化が入るはずと誤解したかもしれないのです。ですから、それから複製されてできたキメラもこの同一DNA変化が見つかるのではないかと考えたのだろうと思います。

さらに言えば、著者らは、CTR再構成というのは、T細胞に共通につくDNA配列上の限定的な変化(Jエクソン)であると誤解をしてしまったのではないかと思われます。
そして、この論文を読んだかなりの人たちも、TCRの意味を誤ってしまったのです。

これは、この時の論文作製にかかわった小保方氏以外の人もTCRを誤解していたと想像できます。その結果、T細胞からキメラができたなら、その尻尾細胞でもDNA配列上の限定的な変化(Jエクソン)の変化が確認できるはずと考えたのではないかということです。

T細胞レセプターβ鎖の遺伝子構成に関しては、ヒトゲノム遺伝子配列情報データベースによれば、T細胞レセプターβ鎖の遺伝子は約30種類の亜族(遺伝子自体は約70種)からなるV遺伝子、2種類のD遺伝子、14種類のJ遺伝子、2種類のC遺伝子によって構成され、Vβ中に2つの可変領域(CDR1、CDR2)が存在することも知られている。これらの中からVβ、Dβ、Jβが各1つずつ選ばれて結合し、T細胞レセプターβ鎖をコードするDNAが構成されている。この際、Vβ-Dβ-Jβの結合部にはランダムな塩基の挿入や欠失が起こり、無限に近い多様性が生みだされている。このVβ-Dβ-Jβの結合部位(連結部分)は、CDR3(相補性決定領域3:third complementarity determining region)、結合部(junctional)領域と呼ばれ、T細胞レセプターの中で最も多型性に富む部分であり、塩基の挿入・欠失が起こるため、各遺伝子構成が同じであっても連結部分も含めて同一配列になることは極めて稀である。

また、T細胞レセプターα鎖の遺伝子構成に関しては、ヒトゲノム遺伝子配列情報データベースによれば、T細胞α鎖の遺伝子は約40種類の亜族(遺伝子自体は約50種)からなるV遺伝子、約60種のJ遺伝子、1種類のC遺伝子によって構成される。T細胞の分化の過程で起きる遺伝子組み換えによって、前述の中からVα、Jα、Cαが各1種ずつ選ばれて結合し、染色体上でT細胞レセプターα鎖をコードするDNAが構成される。染色体上で構成されたT細胞レセプターα鎖遺伝子は発現してそのタンパク質が細胞表面に表出する。T細胞α鎖のVα-Jαの結合部位(連結部分)は、多型性に富む部分であり、塩基の挿入・欠失が起こるため、各遺伝子構成が同じであっても、連結部分を含めて同一配列になることは極めて稀である。
引用終わり

TCR遺伝子構造は、類似機能をもつ遺伝子がVDJ領域それぞれに、数十個づつ並んでいて、その中からたった1個づつの遺伝子が選ばれ、(選ばれなかった遺伝子は捨てられる)、もう一度、並べ直されてできあがります。TCR再構成の時に、多くの遺伝子機能を持つDNA配列が切り取られてしまいます。上の説明は、TCRのα、β鎖について書かれていますが、さらにTCRの構成にさらなる変異も加わります。

STAP論文は、大きなTCR再構成変化の中のごく一部の部分の Jエクソンと呼ばれる部分だけを取り出してDNAゲル図を作製したのです。
実際のSTAPーT細胞は、特定のTCR遺伝子作製ために、すでに多くの遺伝子情報を失っているのです。つまり、1個のT細胞は1つの形のTCRを作りますが、周りの抗原状況に依存して、その抗原を補足できる形を作り上げているのです。抗原情報があれば、そのTCRを持つT細胞は増え、抗原情報がなくなると、T細胞は死にます。

こうしたことを知らない人は、STAP細胞はJエクソンが変化しただけだから、生存なんて関係ない、初期化したら他の細胞と何らかわりないはずだと言い張ります。
そう思い込んでいることに間違いがあるなどと考えることができないからでしょう。
TCRを理解できない人たちが、著者らが尻尾細胞のTCRゲル図を最終論文から除いた原因を理解できず、ただただ、ごまかしたと指摘し続けるのです。

TCRについて間違っていることを認識できない人たちは、こともあろうに、学とみ子の方が間違っていると攻撃してきます。
そして、TCRができてくる仕組みなんて、関係ないじゃないか!と言ってきます。
ここがわからないと、キメラができた時に、元のSTAP由来を見出す手段として、TCRを持ち出すの大失敗をしていますのです。

TCRについて間違っていることを認識できない人たちは、実験のどこが間違いであるかをいまだにわかりません。それは、TCRの形が、T細胞ひとつひとつで違っている事を知らないからです。
そして、何を目的としてTCRの多様性があるのかについても考えることができません。
生き物の免疫制御というものに全く興味がないからでしょう。

STAP細胞には、TCRがありました。しかし、細胞一個一個でみることができればそのTCRはさまざまに異なっています。
今は、レパトワ解析という新しい解析法が一般化してきて、それぞれのT細胞がどんなに多様なTCRを発現しているのかわかる検査法があります。、

ひとつひとつ異なる形のTCRを目印にしたら、それがどこにあるのかを見つけることはできません。生きた動物の中で、元STAP細胞のもっていたTCR(DNA情報)が、どのような形であったかがわからないのですから、次のキメラ動物でみつけることができません。

STAP細胞はもともと、さまざまな姿のTCR(DNA情報)であり、元STAPの遺伝子情報を持った細胞がキメラで増殖できたとしても、元の形のTCRは同一ではありませんから、どれかが増えたとしてもキメラの細胞として見出せません。

くり返しになりますが、元STAPの複数のβ鎖のエクソンは様々なパターンをとり、同一パターンとしての目印になりません。そもそも、元のSTAP細胞パターンを知る事はできず、キメラで元のTCRの有無のさがしようがありません。

STAP細胞だった時の元の形を知るためには、一つの形のTCRに限定する必要があり、そのためにクローン化した単一TCR(DNA情報)をもつT細胞を増やした後にSTAP細胞化する必要があります。

しかし、この単一TCRを持つT細胞が実際にキメラを作れるかの実験はだれもしていません。
学とみ子は、T細胞は生存不利説なので、キメラの構成細胞にはならないと思います。
つまり、キメラはできません。
しかし、ES派は、学とみ子がTCRたんぱくと混同していると言い続けています。


実際のSTAP論文ではキメラができたとされ、その説明として、T細胞以外の他のCD45陽性細胞からでもキメラは成功しうるとなっています。この考えは、ごく自然にかんがえられることです。

遺伝子に組み換えのある細胞は生きて増殖する胚では生き残れないと思います。
キメラ動物の中で単一TCR蛋白しか発現できないT細胞のみになれば、胎児であっても、生きた動物のさまざまな抗原補足に圧倒的に不利になります。つまり生き物として不完全です。

STAPの場合は、あくまでCD45細胞を集めてきただけのもので、ここには分化T細胞以外のものが多数含まれています。
著者らも、最終論文でCD45細胞からSTAP細胞を作製したと言っています。

STAPはT細胞でなければ、いけないとの噂が広がり、著者らがそこをごまかしたとの世論にすりかわったのです。
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コメント

No title

m
記事とはあまり関係が無くて申し訳ありませんが、
最近は、卑劣なハンネ投稿が減ったように思いますが学さんが抑えているのでしょうか?

某ブログに、このような卑劣なハンネ投稿が有ったようですが、自分は援護ブログではよく見ました。

→「投稿者は何を考えているのだか(-_-;)」

何なのか、全く意味不明です。
批判派のおかしなところはそういう所です。

No title

ため息
学さん

今回の記事は、この前の記事の当方のコメントの答えになっていません。
学とみ子説「TCR再構成が生じたT細胞は初期化されても、他の同様に初期化された細胞との競争に負けて死んでしまう」の根拠をお願いします。
ぐちゃぐちゃ同じことを再度書いていますから、学さんはご参考に;
ttp://seigi.accsnet.ne.jp/sigh/blog/?p=12320
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