人々はなぜ、STAP細胞がESとの非常識な説を信じてしまったのかに興味があります。

2018/6/21(木)の当ブログタイトルは以下であった。
「吉村氏は、「T細胞以外からできたのは認める」とのお立場ですが、それが、「T細胞からできたのでなければ、おかしい」との世論になってしまった例ですね。」
本日は、もう少し、この続きを書きたいと思う。

学とみ子にとって、TCRは思いもかけない大変な発見でした。
当ブログでは、この部分をもう少し攻めてみたいと思います。
当ブログに来られるES派の方々は、TCRが不得意のようなので、私がこの部分に触れることは、私が安全地帯にいられるということかもしれません。

昨今、学とみ子が皆さまからのコメントを止めているわけではないですが、このところ、学とみ子ブログは静かです。

学とみ子を罵倒する人たちは、当ブログを、認知症の老婆がでたらめばっかり書いているだから相手にしないぞ!かもしれないです。
でも、現実生活で、認知症と言われたことは一度もないし、本日は、ヒールのある靴を履いていることをなんと!ほめられてしまいました。学とみ子にとって、ヒールの無い靴は靴ではありません。
外野が静かだと、ますます、学とみ子にとっての安全地帯のテリトリーが広がります。
TCRについては、ES派の方々は、さんざん、間違った記述を残しているので、きっと、もういらっしゃらないでしょう。

そいうわけで、学とみ子はTCRで勝負して、世論の誤解にチャレンジして行きます。
「お前のかあさん、でべそ!」的なコメントでは、恥ずかしいですよ・・・・。

学とみ子は、人々はなぜ、STAP細胞がESとの非常識な説を信じてしまったのかに興味があります。

生物学の学者世界は、実にスモールワールドで成り立っている事を知りました。
STAP事件のように、個人の冤罪疑惑があっても、皆、関係者が黙っているという世界でもあります。

一方、医学界はもっと多数の人々がひしめき合う場所であり、多彩な価値観の有象無象の集団であり、なにより、属する人々は自由人です。
学閥派閥も多彩なので、STAPのようなおかしな裁定が出たら、業界の人々が黙るとはいうことはないと思います。

一般の人々が何も言わない理由は、生物学業界の人々の科学知識を信じているからです。

所詮、ES説はむりくりです。この先、科学知識が進歩すれば、STAP細胞がES混入だと業界が決めたことが間違いであったと皆が気づいてしまうでしょう。
小保方氏は、そうした時がくるまで、たっぷりある時間を使って、少しづつ身の潔白を証明していけば良いと思います。

もう一度、吉村教授がどのようなことを言っているかを振り返ってみましょう。
吉村教授の解説 青字
http://n-seikei.jp/2014/03/stap-1.html
STAP幹細胞にはTCR再構成のあとはありません。予想はしていたけれどこれは(少なくとも私にとっては)衝撃的だ。これは論文のabstractの”induction”説を否定して結局cell-type-dependent=selection説を肯定するものではないか?少なくとも終末分化した細胞のリプログラミングに成功したとは結論できないのではないか。selectionであっても何らかの細胞からマウスにまでなる幹細胞を生み出したことは画期的なのかもしれない。だから西川先生はTCRデータを『重要とは思っていないのでしょう』と回答されたのだろう。ともかくも私の疑問は解消された。T細胞(somatic cell)は酸処理くらいでは(増殖可能な)万能細胞にはなれません。それってやっぱりselectionを示唆しているのでは? 引用おわり
・・・・


細胞学者、基礎免疫学者であれば、細胞を酸につけただけで、それまでの細胞が築き上げてきた内部情報が全く変化するという想像はしないと思います。そうした意味で、吉村教授がSTAPを疑ったのは当然と思います。
願わくは、まず、T細胞で、キメラができるのか?の視点から、議論を始めて欲しかったと思います。
その類の近辺の論文は、吉村教授はいろいろ知っているはずです。

赤字部分は一番大事な点です。しかし、ここが強調されることはありませんでした(涙)。
STAP論文はこれだけで十分、画期的といえるものです。

メチル化実験も、増殖曲線も、STAP論文の主旨とは無関係でした。
しかし、図表のねつ造と言えば、ねつ造であり、ねつ造は独り歩きを始めます。
「ねつ造」という言葉を一般人に印象付けたいがために、メチル化実験も、増殖曲線も、その問題点が利用されたのだと思います。

ねつ造はどのようなタイプでもねつ造であり、許しがたいという意見は尊重されるべきです。
図表の改変を擁護するような言い方は、科学者は嫌うでしょう。

しかし、何の論文も書いていない科学者(科学を生業としている人)が図表のミスを指摘しても、その資格は無いと私は思います。
自らが、価値ある論文を書き、図表に一切のお化粧をせず、実力で勝負できる研究者であれば、メチル化実験も、増殖曲線も非難する資格があろうというものだ・・です。
恐らく、その人の周りには優秀な研究者が集まるでしょうし、他人のミスをいじくっている時間はありません。

この吉村教授のTCRの解説は実に都合よく、ES派に利用されたと思います。
吉村教授自身が、派閥学閥的な立場でのSTAP批判論者、プロiPSの学者なのかどうかは別にして、上記文章は、やはり、T細胞からSTAPができることが第一義的と位置付けられる世論づくりに貢献したでしょう。

一義的なことは、T細胞からキメラマウスができるのか?という部分だと思います。それが可能であろうとの方向で議論が進み、その次にキメラがT細胞であるかもしれない、その証拠を探そうとの方向に進むべきだったと思います。

吉村教授も、酸につけただけでそんなにすごいことが起こるはずはないという疑心半疑の思いがあったのでしょうが、その思いをぶつけるべきは、若山氏であったのではないのか?
吉村氏が教授という立場であれば、小保方氏に直接、メイルで事情を問い合わせられるだろうし、小保方氏は、「若山先生に聞いてほしい」と答えたのではないだろうか?

ES推進をしていたジャーナリスト詫摩氏が書くブログに、吉村教授が上記の文章を書き込んだということは、アンチSTAPの人を大いに増やしたであろう。

吉村教授の影響力についてはこの位にして、彼がていねいにTCR実験の説明をしてくれたのは、大変、ありがたいことでした。
その理解を深めるためにも、本日、類似の論文を紹介します。

この論文は、以前にヤッパリ氏から紹介された論文の一部だと思うが、この論文は、胸腺細胞(一部にTCRを持つ)に、ESを人工的に融合させて、できたハイブリッド細胞でキメラマウスを作ってみたとの研究です。


上記論文では、胸腺細胞(一部にTCRを持つ)+ESで作製した合胞細胞を胚盤胞に注入して、キメラマウス(胎内)を作製しました。その写真が論文中にあるが、およそ、STAP論文のようなきれいなキメラマウスにはなっていません。

この実験で興味深いのは、STAP論文ではわかりくかったTCRについて、良くかかれている点です。TCR再構成とは何か?を理解するに適した論文と言えます。
この論文では、胸腺細胞のTCR再構成のきれいなゲル図が見れます。
PCRで増幅しているDNA部分(D2J2)はSTAP細胞と共通なのですが、STAPはポリクローナルな細胞であったのに対し、この論文では、ひとつひとつの胸腺細胞はそれぞれクローンであるので、ゲル図がシンプルでシャープなパターンを示しています。

ESと合体させられて合胞細胞にされてしまったものの、元の胸腺細胞自体に、TCRを持ったT細胞があり、それが単一TCRを示していることに注目できます。
つまり、STAPの時のTCR再構成のゲル図との違いに注目してください。

さらに、この合胞細胞は、キメラ胚の中で三胚葉を形成したが、元の胸腺細胞由来の遺伝子が残っているかは確認できませんでした。

イメージ 1


Dβ2からJβ2までのTCR遺伝子のDNAゲル図が(a)の上図に示されている。
距離は、DJβ2.1から2.6までの1.8キロbpである。

このDβ2からJβ2まで限られた領域だけをみても、モノクローナル細胞集団でTCRのパターンがそれぞれの細胞ごとに異なることが理解できると思う。
TCR再構成の一部、DJβ2.1から2.6までで、どのタイプの遺伝子集団を選択したのかの違いが示されている。

ゲル泳動図の(a)上部図、M、T、ESに続いて、1,2,3,4,5,6の各胸腺細胞のゲル図パターンが違う原因が理解できたであろうか?
それぞれ1,2,3・・・のESハイブリット胸腺細胞は、それぞれの隣り合う遺伝子集団の中から1個を選んで再構成した結果、ゲル泳動が上図のようにDJβ2.1, 2.2, 2.3・・・と並んでいくのである。
つまり、TCR再構成のために選択した遺伝子部分が、それぞれのT細胞ごとに、異なることを意味している。

STAP論文Methodでは、以下のように記載されています。
TCR遺伝子群のうち、DJ塩基部分2.1-2.6を増幅するプライマーを用いています。
Db2:5’-GCACCTGTGGGGAAGAAACT-3’ and Jb2.6:5’-TGAGAGCTGTCT CCTACTATCGATT-3’ that amplify the regionsofthe (D)J recombination.

丹羽先生の説明では、分化したTCRをもつT細胞は全体の1%程度とのことでした。

今回、ここで紹介した論文ゲル図において確認できるように、部分的DJ遺伝子レパトワですら、このような多様なTCR再構成となっています。
 
全体の再構成は、VDJやC領域を含んだ広範な遺伝子部分で起きてる、T細胞分化の一大イベントです。
STAP細胞は、いろいろな細胞が雑多に混じったものであり、そのうちのT細胞のTCRもひとつひとつ異なっているはずなので、ゲル図パターンが異なります。
たとえ、T細胞が生き残り、キメラの体内で増殖に成功したとしても、どのTCRを持つT細胞なのか?はわかりません。

STAP-T細胞がキメラマウスの一部となったとしても、どのTCRを持つT細胞が貢献したのかは、キメラマウスの構成細胞から検出することができません。

STAP論文のこの部分を貼っておきます。
イメージ 2
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