TCR再構成後のT細胞から核移植でつくられたマウスにおいて、T細胞レセプターはリンパ腫を作る

「キメラマウスはT細胞からできたはず、できたのでなければおかしい」
と騒いだ人たちは、いろいろな科学的背景を考慮せず、ただただ、STAP偽物論の証拠をあげたつもりで、ES説の論拠として問題化させようと狂奔したと思います。

STAP論文の内容についての実質的な議論がないまま、STAP細胞はつぶされてしまいました。

「STAP細胞は、最初から存在しないのだ!」
との見解は、限られた分野の研究者の認識から出てきたものです。
彼らは、自らが属する限られた研究分野の知識を駆使して、STAP細胞の質を判断したのです。

しかし、専門家たちというのは、そうしたものかもしれません。
だからこそ、科学の領域では、攻撃を受けたら、正当性を証明してく闘いとなるのでしょう。

研究者自身が勘違いをして実験を行ったり、最悪、ねつ造することもあり得ますが、それ以外にも、他者による研究妨害があります。

論文発表後に、他者が内容に反論した時には、著者らは、反論者に答える必要があります。
しかし、STAP事件は、一方的決めつけによる反論が極めて強力で、広い領域の知識を必要としたSTAP細胞の質は評価されず、一方的に研究が否定されたしまったようです。これは、驚くべきことです。

学とみ子が、TCRを理解していないというES派の決めつけもひどいものでした。
私は、この経験を通じて、ES支持者の志向を知ったなあ~と感じました。
ES支持者には、自らの自我を通すという意図が強いという印象があります。

「議論の相手(学とみ子)は、柔軟に用語を使っているのではないか?」
「分野が違えば、科学知識のアプローチも違うから、まさか、相手はそこを間違えたりはしないだろう」
と、議論の相手(学とみ子)の頭の中を想像するという作業は、ES派はしないようです。

科学的議論をしている時、相手が知らないことを知っているふりをする人であるとは、最初から思わないと思います。
でも、ES派は、そうした思考を平気でしてしまう人たちのようです。
わかっているのは俺だけ(ES派)、相手(学とみ子)はわかっているはずが無い・・・・。

想像力が無く、一方的に決めつけるES派の思考回路は、小保方氏によるねつ造を最初から強く主張していた行為にも表れています。
ES派の志向と言えるものでしょう。

つまり、他分野の人たちを理解することができないのが、ES説に凝り固まっている人たちのメンタリティーなのでしょう。

ES派は、自らの考えのみに執着し、相手の知識の範囲や立場を考慮するということができない人たちのようです。
研究所内で研究室がお互いに激しい競争にさらされていて、著者間で足をすくいあうような状況であったら、内部の研究員同志の融和は望めないのでしょう。

同じように、ES派の人たちは、ES説を否定する学とみ子を無学の人と位置付けました。
そして、ES派の人たちは、相手(学とみ子)は何も理解できていない!との思い込みから一歩も出れないままで議論を終わりにしました。
彼らは、ここに来なくなったのですが、このことは、一方では有難いことではありますが、一方では、ES派の人たちを理解する機会もなくなりました。
世の中の出来事、全て表と裏の側面がある・・・ということでしょうか?


STAP事件では、まず、マウスの遺伝子の型が違っていたことは、重要な問題だったのですが、なぜ、そのような行き違いが起きたのか?どのような可能性が考えられるのか?すべての調査はそこから始めるべきだったのに、実際の展開はそうではありませんでした。

そして、驚くべきことに、不可解な出来事のすべて、小保方氏の不正につなげられてしまったのです。

科学的な実質的検討もされませんでした。
例えば、STAP細胞の初期化は、どこまで達成できたのか?とかは、科学的にも大事な課題でした。
 ESとの比較実験に至っては論じられることなく、STAP細胞は闇にほうむられてしまいました。
今後の研究発展として残った展望課題が全く論じられることなく、研究が終わらされてしまったのです。
こうした事実から、STAP事件が単なる研究不正事件ではなかったことに気づくべきだと思います。

免疫の研究者たちは、それまでに発表されたいろいろな論文を読んでいますので、キメラマウスがT細胞からできたのではないだろうと考えていたと思います。
桂報告書の出る前には、そうした意見も少なくなく出ていたと思います。
遠藤氏のスラドにも、そのようなコメントがありました。

元々、キメラマウスとは異常な生き物と言えるもので、異なる遺伝子構造の細胞が同一の動物に存在しているわけです。異常動物なので、なんでもありの世界かもしれません。

STAP実験の場合は、キメラ作成にあたり、T細胞以外にももっといろいろな種類の細胞が注入されたので、どの細胞がキメラを構成したかはわかりません。

今日は、この点にちなんで、こんな論文を紹介します。
以下の論文は、T細胞をもちいた核移植でつくられたマウスは、生き物として重大な欠陥があることを示した2010年の論文です。

STAPとの違いは、今回の論文では核移植である点です。核移植の場合は、マウスの体細胞を構成する細胞のTCRはすべて同一の型です。

一方、STAPの場合は、注入したT細胞のTCRの型は同一ではありません。そのため、一旦、生き物になってから元のTCRの型をさがす作業が難しいのです。

Proc Natl Acad Sci U S A. 2010 Nov 2;107(44):1893
9-43. doi: 10.1073/pnas.1013230107. Epub 2010 Oct 18.
PMID: 20956329 PMCID: PMC2973852 DOI: 10.1073/pnas.1013230107
PubMedで検索する場合は、PubMedホームページで20956329の番号を入力すると、論文が読めます。無料論文です。

T-cell receptor-driven lymphomagenesis in mice derived from a reprogrammed T cell.
タイトルは、「TCR再構成後のT細胞から核移植でつくられたマウスにおいて、T細胞レセプターはリンパ腫を作る」です。

Serwold T1, Hochedlinger K, Swindle J, Hedgpeth J, Jaenisch R, Weissman IL.

核移植、および「再プログラミング」遺伝子導入の手法により、成熟体細胞から多能性幹細胞への変換は、再生医療における大きな進歩を意味する。再プログラミングされた動物において、起源細胞の生物学的特性はマウスにどのような影響を与えるのであろうか?

 T、B、NK、および骨髄性細胞を含む末梢血は、再プログラムを可能とさせる潜在的な供給源の1つである。この研究では、T細胞を核移植して再プログラムされたマウスを調べた。これらのマウスは、すべての体細胞において、すでに再構築されたT細胞レセプター(TCR)遺伝子を有する。

驚くべきことに、再調整されたTCR遺伝子を有するマウスの約50%が、自発的に胸腺に由来するT細胞リンパ腫を発症する。
リンパ腫は、T細胞から生じ、ほとんどのヒトおよびマウスのT細胞急性リンパ芽球性リンパ腫と同様に、活性化されたNotch1を含む。
リンパ腫は、予め再構成されていたTCRαおよびTCRβ遺伝子の両方の発現を必要とする。
さらに、TCRシグナル伝達阻害剤は、リンパ腫の増殖を抑制できることから、TCRシグナル伝達はリンパ腫の増殖に不可欠な因子である。

再プログラミングされたT細胞由来マウスにおいて、高率にリンパ腫形成がみられる事は、TCRの同一性やTCRシグナルの誤りがもたらす有害な影響と言えるものだ。

細胞を再プログラミングする場合、元の細胞の起源がどのようなものかあったかにより、マウスは深刻な影響を受けることがわかった。



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コメント(1)

ここで、学とみ子は、TCRと単に書いていますが、タンパクとDNA配列を区別しろ!、とのお叱りがあるかもしれません。しかし、DNA配列があってのタンパク合成なので、両者を毎回区別して説明する必要は無いのです。

おそらく、ES派の人にとっては、実験方法の違いの視点で、TCRを考える習慣があるため、異分野の人の考え方を理解しないのでしょう。

学とみ子にとってのTCRとは、つねに病気とのからみでとらえています。 削除
2018/7/27(金) 午後 3:08 学とみ子
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コメント

No title

学とみ子
ここで、学とみ子は、TCRと単に書いていますが、タンパクとDNA配列を区別しろ!、とのお叱りがあるかもしれません。しかし、DNA配列があってのタンパク合成なので、両者を毎回区別して説明する必要は無いのです。

おそらく、ES派の人にとっては、実験方法の違いの視点で、TCRを考える習慣があるため、異分野の人の考え方を理解しないのでしょう。

学とみ子にとってのTCRとは、つねに病気とのからみでとらえています。
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