T細胞、B細胞の核を移植した細胞を、分割増殖していく受精卵環境に置くことにより、体細胞に多能性を持たせる技術が紹介されています。2002年の話です。

ウキペディアによると、若山氏のクローンマウスの作出は1997年とのことです。
この付近の論文の一部を貼り付けます。

Differentiation of embryonic stem cell lines generated from adult somatic cells by nuclear transfer.
Wakayama T, Tabar V, Rodriguez I, Perry AC, Studer L, Mombaerts P.
Science. 2001 Apr 27;292(5517):740-3.  PMID: 11326103
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=11326103

Mice cloned from embryonic stem cells.
Wakayama T, Rodriguez I, Perry AC, Yanagimachi R, Mombaerts P.
Proc Natl Acad Sci U S A. 1999 Dec 21;96(26):14984-9.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Proc+Natl+Acad+Sci+U+S+A.+1999+Dec+21%3B96(26)%3A14984-9.

Generation of mice derived from embryonic stem cells using blastocysts of different developmental ages.
Ohta H, Sakaide Y, Wakayama T.
Reproduction. 2008 Nov;136(5):581-7. doi: 10.1530/REP-08-0184. Epub 2008 Aug 29.  PMID: 18757504
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=18757504

以下は、若山氏のものではありませんが、2002年にはすでに、T細胞、B細胞から核移植でクローンマウスをつくったとの論文がありました。

この論文では、核移植した細胞を注入してクローン胚(胚盤胞)をつくり、そこから内部細胞塊をとりだして一旦、ES細胞とし、再度、このES細胞を別のマウスの4倍体の胚盤胞に入れて、クローンマウスをつくらせる2ステップ法の説明がなされています。

若山研究室でも、いろいろな手技をくりかえして、目的の成果を得るための努力を続けていたでしょう。受精卵が分割増殖していく環境条件を酸浴細胞にも与え、酸浴細胞に再プログラム力を与えるという実験をくりかえていたと思われます。

幹細胞樹立とキメラ実験は同時進行と思われますが、酸浴細胞のエピゲノムがどのような変化をしていったのか?の検証のための実験も同時進行と思われます。

若山研究室では、こうした技術を駆使して、酸浴細胞を初期化し、かつ増殖させていく方法を確立した可能性があります。キメラも幹細胞化も、若山研究室の技術の粋ではないでしょうか?
小保方氏も、これらの功績に敬意や感謝を感じているのではないでしょうか?

このブログでは、以前からTCRについて書いていますが、核移植技術では、いつごろから
T細胞、B細胞からクローンマウスを作る方法が確立されたのでしょうか?
T細胞、B細胞の核を移植した細胞を、一旦、分割増殖進行中の受精卵環境に置くことにより、体細胞に多能性を持たせる技術が紹介されています。2002年の話です。

今日は、この論文「成熟BおよびT細胞をドナーとして、核移植によって作出されたモノクローナルマウス」を紹介します。
タイトル:成熟BおよびTドナー細胞からの核移植によって生成されたモノクローナルマウス。
Hochedlinger K1、Jaenisch R.   PMID: 11875572
Nature. 2002 Feb 28;415(6875):1035-8. Epub 2002 Feb 10.

体細胞からのクローニングは非効率的であり、ほとんどのクローンは妊娠中に死ぬ。
一方、一旦、ES細胞とするクローニング法は、はるかに効果的であり、ES化で細胞が再プログラムが容易になる。ほとんどのクローンは、実際には、分化した細胞の核からではなく成体組織にまれにある体性幹細胞の核に由来しているのだろうと思われている。

本論文は、成熟リンパ球からの核移植によるモノクローナルマウスの生成を報告する。
核移植後細胞(クローン化とする細胞)を胚盤胞に注入して、内部細胞塊からES細胞を樹立し、さらに、このES細胞を四倍体胚盤胞に再度注入することにより生きたマウスを作製した。

B細胞核からクローン化された動物は、生存可能であり、すべての組織において再編成された免疫グロブリン対立遺伝子を持つ。同様に、T細胞核からクローン化されたマウスは、すべての組織において再構成されたT細胞受容体遺伝子を保持した。

このように、最終分化細胞から核移植された細胞は、再プログラムされて成体クローン動物を作れることがわかった。
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