STAP事件は、興味を持つ人自身で、考えていくことが大事であると思います。この作業を、“STAP考”と名付けましょう。

本日の記事のソースです。
https://blogs.yahoo.co.jp/solid_1069/15554962.html
の当ブログにて、TCRの記事を載せています。
以前、TCRの議論について、書きましたが、再度、ここで、検討してみたいと思います。



STAP論文は、非専門家の人たちによって、ずたずたにされた実態が、TCR問題でも象徴されています。
そもそも、TCR実験は、小保方氏がおこなったのではないと、「あの日」にあります。
その他のSTAP実験についても、小保方氏はどの実験をやったのか?は明らかにされていません。一切の実験責任者が明らかにされていません。

都合のつかない実験の多くは、小保方氏のミスとされました。
小保方氏自身も「それは私がやった実験ではないので、一切の実験データは持ち合わせません」とは言いませんでした。

何度かの調査でも、小保方氏は、実験の責任者を明らかにしてきませんでした。
調査員からの質問は、はい、いいえの質問形式であったからとされています。
又、理由のひとつとして想像できるのは、小保方氏は、最後は若山氏がかばってくれると信じていたからではないか?です。
小保方氏は、若山研究室に不利になることを言わずに調査に応じていたと想像されます(私見)。

それにしても、小保方氏は、大変な他人思いの人であることは確かで、それが災い
し、彼女は利用され、築きあげたものの多くを失ってしまったと言えます。

しかし、今の小保方氏は、「あの日」を書いた頃の小保方氏とは変化しているでしょう。
「あの日」を書いた頃の彼女は、かなり追い詰められていて、自らの無罪を主張し、若山氏に対し、疑惑説明を強く要望していた感がありました。
これは、小保方氏の当然の要望ですが、それにしても、小保方氏の自己犠牲の精神は大変な高みにあると言えます。

普通の研究者なら、ねつ造実験を疑われたら、実験責任者は誰であったか?の真実を暴露し、他人の実験結果をねつ造したら、実験者にばれてしまうと主張できます。他人の実験で出た結果から、別の人がねつ造図表を作ることなどできないと主張し、実の実験者の間で、やり合えば良いのです。

桂調査委員が、質問にだけ答えるようにと言っても、疑惑を向けられた研究者は、自らの無罪をあらゆる手段で主張するでしょう。
それが研究者と言うものです。ES説では説明できないと、研究者自らの疑惑を晴らすために、その研究者が経験した多くの事実を話すでしょう。

しかし、彼女は、今になっても、無罪につながる作業をしていません。ES派の人の中には、(弁明をしない)小保方氏は、ESを混ぜた張本人であるなによりの証拠だ!と言っています。

理系文系を問わず、思慮深い人であれば、STAP調査のこうした問題点に容易に気づきます。
文系の人には、STAP理解は、若干の困難を伴うかもしれませんが、この事件の本質を理解するには、それほどのギャップはないはずです。

ある程度に用語を理解すれば、この事件の理解は可能です。長く社会問題化させ議論を続けていくには、文系の思考過程が必要と思います。

学とみ子は、文系理系、年齢を問わず、この事件に対して人々の関心が維持するような情報を出していきたいと思っています。STAP事件は、興味を持つ人自身で、考えていくことが大事であると思います。この作業を、“STAP考”と名付けましょう。

学とみ子は、若山研究室の論文を紹介していますが、これらの情報も、“STAP考”には大事なポイント要素です。論文内容を読み、若山研究室では、どのような目的をもった研究をしていたのか?、若山研究室がどのようなテクニックを用いていたのか?得意の分野科学の何を追及していたか?を、当ブログ読者の“STAP考”の参考になればと思います。
当時の実験の実態を、多くの人に知って考えて欲しいと思います。

STAP事件の疑惑が出てきた初期の頃には、いろいろな周辺の科学畑の人たちが議論しました。そこには、たくさんの誤解がありました。
そうした誤解の実態を知るのは、やはり、TCRです。
イメージ 1

この写真は、以前に紹介しましたが、M(マーカー), T細胞, ES細胞、1,2,3と横軸で並んでいる各細胞のTCRのゲル図です。1,2,3と横軸に並ぶ各モノクローナル細胞です。
それぞれ細胞は、モノクローナルな証拠として、TCRは1種類で持っています。
(STAP細胞はポリクローナルな細胞ですから、各TCRは多種類です)。

上記の図では、1,2,3と横軸に並ぶ各モノクローナル細胞は、それぞれ1種類のTCRの型のゲル図を示しています。
それぞれのモノクローナル細胞は、β2.1,2.2,2.3・・・と順に並んだ複数の遺伝子から一つづつ順に選んでいます。

細胞2はβ2.1を選び、細胞3はβ2.2を選んでいるのです。この並んだ遺伝子の中から順に選び取った結果として、ゲルに流すと高さの違う階段状のバーとなります。

一方、Tと書かれたT細胞は複数の遺伝子を持つので複数のバーを持つことになり, ES細胞はTCRを持たないのでバーは太い1本のみです。

1,2,3・・の各細胞は、それぞれが隣り合った異なる遺伝子を選んでいるので、各細胞ごとには、きれいにゲル図が階段状に並ぶことになります。
何度も過去でも説明していますが、意味が通じるでしょうか?

(この理屈が理解できない人たちが大勢いたのです。TCRとは、単に1か所程度で起きている痕跡のようなものと誤解されていました。オホホポエムさんもそうした人でした)

STAP細胞の場合には、脾臓から取った細胞なので、細胞2,3、4のような人工的なモノクローナルな細胞ではありません。ですから、TCRゲル図では、元の細胞がわかりません。

さて、ここをふまえて、詫摩氏の解説サイトを見ていましょう。

2014年3月20日 20:02
ともさん
・・・・
あ、キメラマウスでTCRの再構成を見て証明にする、ってのはご指摘の通り、キメラマウス由来のT細胞がコンタミしたら何も言えなくなるでしょう。でも、どこかT細胞がコンタミしないような組織(そんなのは難しいけど、血液を還流して血液を減らすことができるはず)を使ってれば、僕はSTAPを信じます。それか、キメラマウスから何らかの組織の細胞のプライマリーカルチャー(簡単に言えば単離細胞)を作ってPCRで確認してくれれば良いのかなと思います
いずれにしても、一つの細胞から分化した細胞ならTCR再構成で見えるバンドは1つ(または2つ?)のはずなので、こんなにいっぱいバンドが見えるのが何故かは私にはさっぱり判りません。最初にキメラマウスを作るために胚盤胞にいれたSTAP細胞が1つの細胞じゃないから、いっぱいバンドがあってもいいんだよ!、ていわれたらそうなのかな、と思ってしまいます(ここらは専門ではないのでよくわかりません)。
理研の中間報告のデータについて、切り貼りしたのはTCR再構成のバンドがよく見えなかったから、なんて言ってましたが、そんなもの全くウソでしょう(多分、石井委員長も判っているはず)。CD45+ cellのレーン(いろんなリンパ球が混在している状態)と、sorted-Oct4+ 1のレーン(緑色に光ったものだけを集めたはず、つまり、TCR再構成のパターンが異なったクローンが分別されているはず)の電気泳動バンドのパターンが全く同じなので、これではOct4+で分別したはずなのにちゃんとクローン化できてないように見える、ってのが論文掲載には不都合だと思ったから切り貼りしたのでしょう。
ちょっと踏み込んで推測すると、石井委員長は会見で、切り貼りに使ったCD45+/CD3+と、もとの図にあるCD45+の細胞はどちらも同じリンパ球のことです、なんて言ってますが、分離するときに使う抗体が1つだけのCD45+のリンパ球と、CD45とCD3の抗体2つを使って分離したリンパ球では、リンパ球の純度が違うはずです(2つの抗体を使った方が純度が高いはずでしょ?)。
STAP細胞を作るのに使ったCD45+細胞のPCRのレーンに、純度の高いと思われるCD45+/CD3+のPCRの泳動レーンを切り貼りするのは何らかの意図があるとしか考えられません。そのあたりを石井委員長ははっきり言明するのを避けたのではないでしょうか(理研ぐるみで問題を隠そうとしてるんじゃないの?、なーんちゃって思いました)。
実際にCD45+/CD3+のレーンではGLのバンドがほとんどないので、分化したリンパ球細胞の割合が多いと思いますから、ここからSTAPが出来たならそれはすごいことだ!ってミスリードされてしまいます。でも、STAP細胞でまたGLのバンドが復活しています(ゲノムが短くなったはずなのに、なんでまた長くなるんじゃ?)。実はこのデータを見て、なんか実験がおかしいんじゃね?と思ったのが、最初に論文を読んだときの違和感でした。多分、論文を読んだ生化学の専門家たちはみんなそう思ったんじゃないかなと思います。

吉村 より:
2014年3月21日 00:57
・・・・・。しかし今回のようにSTAP細胞と呼んでいる細胞のかたまりにしかTCR再構成が見つからない場合(幹細胞やキメラには見られない)、現在の知識で一番合理的に説明可能な『ESの混入』あるいは『未同定の組織幹細胞』の可能性を排除しない理由は考えられません。それらの混入の可能性を実験的に排除するためにTCRを持ち出したのに結局それに答えていないのでさらに疑惑が深まるという構図になっています。CD45陽性分画からスタートしたのだから組織幹細胞は入らないというのは幻想で、FACSの純度は不明ですし、未知の幹細胞はCD45陽性かもしれません。
もとさんの『一つの細胞から分化した細胞ならTCR再構成で見えるバンドは1つ(または2つ?)のはずなので、こんなにいっぱいバンドが見えるのが何故かは私にはさっぱり判りません。』は完全に正しい推論です。胚盤胞に入れられる細胞はせいぜい20個でそのうちマウス組織になるのは数個なので、この方法で見れるバンドはせいぜい1本です。この2Nキメラの解析結果が不自然であることを理研の先生たちは理解しているからこの図をもって『キメラにTCR再構成がある』と言わないのだろうと思います。
こんな形而上学的な議論は実はたいした意味がなく、純化したT細胞から作ったSTAP細胞でキメラを作製するとか、4Nキメラで解析するとか、キメラの子孫でTCRの解析をするとか、不確実性を可能な限り排除した感度の高い方法で実験すれば何の問題もないはずです。現在丹羽先生が再現実験をされているそうなので次回ぜひこのような疑問点を解消していただければと思います。
なおTCRが単一の4Nキメラマウスでは免疫不全になるかもしれませんが、通常の動物実験室の環境でしたら生存できます。TCRトランスジェニックマウスと似たようなものです。

(補)学とみ子がコメントを臨時挿入します:
核移植でモノクローナルなT細胞由来株で作ったT細胞のES化の話とは、STAP酸浴細胞は、条件が全く違います。吉村先生の頭の中では、いろいろ区別ができていても、一般人では、区別できずにSTAPねつ造論になってしまうのです。

とも より:
2014年3月22日 00:22
吉村先生・・・・
完全に分化したTリンパ球にはallelic exclusionでもとのゲノムって残ってるのでしょうか?もしまだご覧になってたら教えていただければ幸いです。
あと、吉村先生の論理的な考え方は、アラ探しなどと批判されるようなものではなく、科学という学問に対する真摯な姿勢として後に続く研究者たちへの規範となるものだと尊敬しております。

一般人 より:
2014年3月22日 12:27
一般人です。ここで行われている、専門研究者同士の議論こそは、stap論文の著者達との間でなされてほしかった、と思うのは私ばかりではないと考えます。著者達の直接的な弁明がなく、出てきたコメントが、論文撤回を含む「お詫び」とは、何か不明朗なものを感じます。著者達は、修正案をネイチャー送ったようですが、その内容が分かればある程度著者達の考も分かりますが、撤回が問題になっている以上、修正案が載るとは思われません。加えて、文部科学大臣が、論文の撤回・再提出に言及する珍現象(これ重大な問題だと、私は思いますが)まで表れました。このような科学的・専門的な問題に対して「しばらく、専門研究者同士の議論にゆだねる」という余裕のある社会では、日本はないのでしょうか?

学とみ子がコメントを臨時挿入します:
以上の一般人さんからのコメントはとても常識的と思います。


吉村 より:
2014年3月22日 20:48
とも様
・・・・
理論的な組み合わせは相当数ありますが、実験的にはD2J2のプライマーで検出されるGLをもつT細胞は10%程度ではないかと言われています。もし1個のT細胞がマウスになったとすると、可能性としてはGLもしくは組み換えの1本のみ、GLと組み換えの2本、組み換えの2本、あるいは全く検出できない、となります。よってバンドが見えるとすれば1つか2つでともさんの考えは正しいと思います。それぞれの可能性の確率がどれくらいなのかは原著をあたらないとちょっとわからないのですが、明らかにこの方法ではTCR再構成が起こっても全く検出できない不確実性がついてまわります。もしTCR再構成をT細胞由来の染色体のマーカーとして使うのであれば、さらに確実な方法で確認したほうがよいと思います。例えば汎用型のVDJでのPCRプライマーで検出する方法、サザンブロッテイングを行う方法、あるいはwholeゲノムシークエンスシングを行う方法、TCRβレパトア特異的抗体によってFACSで解析する方法などいくつか考えられます。いづれにしましても出発細胞を純化したT細胞やB細胞にすることでCD45+よりも検出感度が格段に上がるはずですのでぜひ再試験ではそうしていただければより確実だと思います。

(補)学とみ子がコメントを臨時挿入します:
バントの数がおかしいとの話になっていますが、誤解を呼びやすい文章です。あくまでここでは、1種類のT細胞からキメラができたという仮定の話になっているにもかかわらず、こうした前提条件を飛ばして、素人たちが勝手にSTAPねつ造論につなげていったのです。

返信 
とも より:
2014年3月26日 08:10
吉村先生
また、今回のやりとりの中で気づかされたことは、私は細胞というものを一つの遺伝子バックグラウンド(モノクローン)として扱う必要がある場面と、雑多な細胞集団(ポリクローン)としてとらえる必要がある場面の使い分けがきちんとできていなかったんだな、と感じました。うまく表現できていないかもしれませんけれど。いろんな機器の検出感度が向上するとともにごく微量なサンプルから膨大な情報が得られる時代になり、結果の解釈は慎重にしなければならないと、あらためて認識しました。


とも より:
2014年3月19日 21:17
詫摩さま
判りやすい解説記事でありがとうございました。私も1人の生化学者の端くれですが、大変参考になりました。
最初に論文を読みながら違和感を感じたのが、キメラマウスに使った細胞(cag-gfp)と、STAP細胞(Oct4-gfp)が違っている点でした。GFPを目安に実験する手軽さについつい流されがちですが、キメラマウスでTCRの再構成を確認していない点は、レフリーが指摘していないのかな、と不思議でした。レフリーの意見を無視して、natureのエディターが掲載した可能性も高いですが、こんな実験はPCRを一回やるだけだし、なんでやってないんだ?、と思いました。慶應の吉村先生のブログを見て、その考えが間違ってないんだなー、とちょっと嬉しかったり。
そのうち、TCRのPCRの写真で切り貼りが発覚して、ああ、こりゃダメだと思い、もう疑いの目でしか見られません。今となってはキメラに使ったのがSTAP細胞に由来するものじゃないんだろう、と思っています。
一つ、世間でみんながあまり指摘していないことについてご意見を聞かせて下さい。
理研の会見で石井委員長がTCRの電気泳動図を見せながらしゃべったときに、この電気泳動はパルスフィールド電気泳動の図です、と言われてました。ん?、そんな面倒なことしてんの?と思ったんですが、サイズの大きいDNAの電気泳動ならしょうがないかな、と考えました。でも、原著論文を見るとこのPCR産物の電気泳動はGLのバンドでもせいぜい2kbくらいの短い断片です。多分、こんなDNAの解析にパルスフィールドなんて面倒な装置、使わないですよね。どう思いますか?
誰がパルスフィールド電気泳動だって言い出したんでしょう?(小保方さんかしら)。参考文献を見て適当にパルスフィールドです、って言っちゃったんじゃないの?、なんて思ってしまいました。小保方さんのラボにパルスフィールドの泳動装置(結構、高価な代物です)があるかどうか、誰か知ってませんかね。

 

>(補)学とみ子がコメントを臨時挿入します:
このゲル図の方法では、キメラマウスで、再構成されたTCRを確認できない事を、レフ リーは知っています。レフリーは1つのT細胞からキメラが出来たと考えていません。T細胞からできた事を証明する必要が無いのです。
T細胞から出来ているべきは、ともさんの思い込みに過ぎません。
パルスフィールドの泳動装置の話は、石井氏が言ったことです。

小保方氏がマウスを選んだわけではありません。小保方氏は渡されたマウスで、毎回、精魂こめてSTAP細胞を作ったのです。
後から、解析されたのは、その一部に過ぎません。
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