それでも、実験者は最大努力するしかなかった特殊で異常な状況ですよね。ぜひ、読み取って欲しいです。

検証実験の結果をどのような表現で公表するかで、当時の理研の中で議論が噴出しバトルがあったのではないでしょうか?

検証実験は失敗であること前面に押し出すことを主張するグループと、酸浴初期化の頻度が低くてもSTAP現象が証明されたことを社会に示したいグループ(理研内STAP擁護派)の間の駆け引きがあったと学とみ子は想像します。
こうしたコメントを書くのは、理研の方にはご迷惑でしょうか?

理研を管理する立場の人たちは、いろいろな圧力を受けていたと考えられますが、もし、上から失敗とするようにとのお告げが出されていたと仮定すると、理研内STAP擁護派は、どのようにSTAP現象陽性を報告書に書き込むかを工夫したでしょう。

この妥協が、報告書の文章に反映されていると想像できます。

「初期化は一部にあったが、少ないから全体ではあると言えない。」
「キメラ・幹細胞はできなかったから、検証実験は失敗した」
との結論で報告書ができあがっており、ES派とSTAP派の両者間の落としどころと言える妥協のようです。

ES派、STAP派のせめぎあいがよく観察できる報告書の部分を見てみましょう。
http://www.riken.jp/pr/topics/2014/20141219_1/
実際の文章は、以下の青字です。

・・・・55 個の STAP 様細胞塊について、Oct3/4、Nanog、E-cadherin タンパ ク質の発現を免疫染色によって解析した。これらのタンパク質が一部の細胞で発 現する STAP 様細胞塊も認められたが、その数は少なく GFP 陽性との相関も低かった。

・・・・ 53 個について解析できた。 その結果、多能性細胞特異的分子マーカーの遺伝子が発現している STAP 様細胞 塊も確認されたが、その数は少なく、

小保方氏のやった再現実験では、(1)小保方研究員による検証結果
が示されています。

初期化遺伝子の発現は、検証スライド4番目に示されています。免染によるOct蛋白陽性、CD45の減弱のスライドも示されています。

こうしたスライドをきちんと出すことを、STAP擁護派は強く要望したものと思います。

丹羽先生の英文論文(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4904271/)も、ネガティブデータの部分を強調して書いてあるので、読みにくいです。
Oct3/4-GFP transgene expression not detected in low-pH treated cellsとかの説明が邪魔をします。

しかし、しっかり、凝集塊も、蛍光蛋白も、初期化蛋白も「出た!と書いています。
特に出がよかったのが、Alb-Cre GFPマウスで出が良く、以前に何回か当ブログで紹介していています。これは肝細胞とATPの組み合わせですが、このマウスは初期化マーカーにはGFPが入っておらず、もともとマウス細胞がもっているOct蛋白が作られているようです。

ビジネスジャーナルでも、ずいぶんとがんばってここを記事にしていました。
(彼らは復活しないのでしょうか?今は、気が熟したといえると思います)

しかし、いまだに、理研内STAP擁護派の工夫の跡を読み取れない人が多いのは残念です。

以下が丹羽先生の論文です。
Of cell aggregates derived from liver cells treated with ATP, 19% expressed the amount of Oct3/4 comparable to ES cells (Fig. 3c). These data suggest that some proportion of cells in the aggregates express pluripotency-associated genes at comparable levels to those of ES cells.
To examine the proportion of the cells expressing Oct3/4 in the aggregates, we next applied immuno-staining using a specific antibody against Oct3/4 we raised and assessed previously15. Cell aggregates derived from low-PH treated liver cells were fixed, stained by anti-Oct3/4 antibody, and observed using confocal microscopy. We stained morula-stage mouse embryos as positive controls. By comparison with these positive controls, we found that some of the cell aggregates contained cells expressing Oct3/4 at comparable levels (Fig. 4a). In the case of cell aggregates derived from liver cells treated by ATP, 20% of cell aggregates contained Oct3/4-positive cells (Fig. 4b), which is consistent to the proportion of cell aggregates expressing the amounts of Oct3/4 comparable to ES cells detected by QPCR (Fig. 3c).

以下の部分も、学とみ子が以前より指摘している、初期化マーカーを持つ巨核化細胞が出現しています。この所見には、一般人であるOoboe氏も興味を示しているのに、なんで、他の方はここに食いつかないでしょうか?
In cell aggregates derived from ATP-treated liver cells, the Oct3/4-positive cells were typically positioned in the center of the cell aggregates and exhibit large nuclei, and were surrounded by Oct3/4-negative cells with small nuclei at the peripheries of the cell aggregates (Fig. 4c).

英語の丹羽論文は、サマリーで、
As a result, we have concluded that the STAP phenomenon as described in the original studies is not reproducible.
元の論文と同様のSTAP現象は再現できなかった。
と書かれていて、元の論文と同様の表現がまぎらわしいのですよね。
キメラ幹細胞込みのSTAP論文の再現が得られなかったと言っています。

キメラ・幹細胞込みのSTAP論文の時の、材料(マウス)も技術も違うのに、再現実験ではないでしょうけど、それで実験者は最大努力するしかなかった特殊で異常な状況ですよね。
そもそも、問題ある検証実験に踏み切った理由の一部に、残存サンプルの正当性を、理研内STAP派は問題視していたということがあったのでしょう。実際にそうした発言もありました。

残存サンプルの正当性が担保されていない状況で調査がなされ、そこから出た結論が採用されたのですが、外国記者に華々しく暴露される前に、理研は遺伝子発現調査をして、結論を修正してほしいですね。


本日エントリー最後に、北海道の方にお見舞い申し上げます。
電気も水もなくて本当に大変ですね。

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コメント

No title

pon*o_o*_*he_c*if*top
>ここでは、分化細胞が酸浴後に初期化マーカーを出すかどうかの限定した議論だと思いますが、

すなわち、「初期化を証明」ではないということです。

No title

学とみ子
> Ooboeさん
ここでは酸浴後7日間の培養で、STAP細胞凝集塊ができ、その凝集塊1個1個で、それぞれの初期化マーカーを評価した実験です。

若山先生の実験では、STAP凝集塊を、マウスの胚盤胞(受精卵が分裂して内腔を形成した状態)に入れ込む時に、細胞をバラバラにして入れないで、ある程度の塊にしていれたらキメラが成功したとの話です。初期化反応の強い細胞とその周りの細胞を一緒に接触させたまま胚盤胞にいれると、細胞同志のクロストークが起きるということではないかと・・・。想像です。

No title

学とみ子
> pon*o_o*_*he_c*if*topさん
それぞれの細胞が秘める初期化への潜在力は、まだ、未知の世界でしょう。まだ、定義づけは難しい段階と思いますが・・・、もしあるなら教えてください。iPSだって、それぞれの細胞ごとに、初期化は違うパターンになるのでしょし、部分的初期化、一部初期化などの言葉もあるし、三胚葉分化能力とか、およその定義があるものの、実態がわからないのに、定義づけには至ってないと思うのですが・・・。

ここでは、分化細胞が酸浴後に初期化マーカーを出すかどうかの限定した議論だと思いますが、その後の初期化プロセスは若山パートです。

初期化の定義で、この実験の評価は変わらないと思いますけど・・・・。何がいいたのか、もっとはっきりおっしゃってほしいです。

No title

miiiiiiiimiiiiiii
前提 死にそうになる

結果1 死ぬ
結果2 何とか助かって生き残る(以前と同じ、または障害、後遺症あり)
結果3 万能化して「神」になる

No title

Ooboe
学さん

stap細胞塊を単離したら
成果が得られた。
という場合、
若山先生のトリプシン処理の
細胞1個ずつバラバラにして卵に挿入してキメラ失敗し続けた方法とは
別のことですか?

No title

Ooboe
学さん
がんばって!

No title

pon*o_o*_*he_c*if*top
まさかと思いますが、
「初期化」と「Oct3/4 陽性」の区別がついていないのでしょうか?

多能性幹細胞の議論においては、初歩中の初歩、基本中の基本も理解していないのでは?

No title

学とみ子
つづき
これらの結果から、肝臓由来の細胞を ATP 処理して得られた STAP 様細胞 塊においては、少数ではあるものの、Oct3/4 を有意に発現する細胞が含まれてい ると結論した。

上記の記載には、丹羽先生がひらめいた工夫が加えられています。そのままの全体の細胞では、初期化マーカーはでませんでした。ところが、STAP 様細胞塊を一つ一つ単離して調べたところ初期化マーカーがでたのです。
この意味するところは、凝集塊ごとに生き残れるか?死ぬか?の命運が異なるということなのです。優れたリーダーが出てきた細胞塊は生き残り、ヨレヨレ部下たちを励まし再生するが、リーダーの出ない細胞塊では、死に絶える。こうした丹羽論文のストリーを、どの位、読み取れているの?読み取れないと恥よ。

No title

学とみ子
丹羽先生の検証実験の結果です。12月19日の理研発表資料です。

肝臓由来の細胞を ATP 処理して得られた STAP 様細胞塊について、多能性細胞 特異的分子マーカーの発現を、定量 PCR 法と免疫染色法により検討した。培養し た細胞集団全体から抽出した RNA を用いた検討では、Oct3/4 などの多能性細胞特 異的分子マーカー遺伝子の発現を検出することは困難であった。 そこで、STAP 様細胞塊を一つ一つ単離し、そこから RNA を抽出して、定量 PCR 法による多能性細胞特異的分子マーカー遺伝子の発現を検討した。この結果、3 回 の独立の実験において、解析した STAP 様細胞塊の 17%において、ES 細胞にお ける発現量の 10%以上の Oct3/4 の発現を検出した。 一方、免疫染色法による Oct3/4 タンパク質の発現の検討では、9 回の独立の実 験を行ったところ、5 回で明らかな Oct3/4 陽性細胞を含む STAP 様細胞塊を同定 した。

No title

学とみ子
ため息先生、以下のようにおっしゃっています。
>「ATPと肝細胞の組合わせで、初期化を証明」なんかしていません。
いいんですか?そんな断言しちゃって!

>嘘を言うことはなく、言葉を正しく使いましょうね。
いいんですか?そんな断言しちゃって!
これが逆の方向(学→ため息)だったら、ため息→学への又謝罪要求でしょうね?

>科学者の心根を想像した結果、笹井氏も丹羽氏も、結局はだまされた軽率だったと思った・思っているというのが当方の考えです。
いいんですか?そんな断言しちゃって!
oTakeさんに一度相談なさってからでも“当方の考え”の披露は、遅くないのでは・・・。

No title

また捏造?
報告書のどこに、初期化があった、なんて書いてるんでしょうか?
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