再  科学未来館 詫摩コメント合戦記録

吉田 より:
冷静な論考ありがとうございます。
生命科学分野で研究をしている者ですが、一点お伺いしたいことがあります。
「脾臓にもともとあった別の万能細胞や、何らかの理由で混入したES細胞などである可能性を捨てきれません。」
この点についてですが、おっしゃる通り本当にT細胞由来か証明するにはキメラ個体を取ってきて、血球系以外の組織のTCRのPCRを確認するとか、単一細胞で培養を始めてTCRを確認した上で実験全部やり直す事が必要になるかと思います。
ただCD45陽性、GFP陰性で選別した細胞を使っているので、当初Oct4陰性であり、その後Oct4陽性になった細胞であると考えられます。であればT細胞以外の血球系細胞由来の可能性はあっても、別の万能細胞の可能性というのは考えにくく、再プログラム自体は起きていると考えられるのではないでしょうか?
私もこの件に関してはそこまで詳しくないので、ご教授頂ければ幸いです。
詫摩さん
ネイチャーの仕事を離れて、別の筋から、この話をよくフォローする必要が出てきて、ここを見つけました。わかりやすい説明、ありがとう。
要するに、T細胞から多能性を獲得したOct4陽性細胞ではなく、CD45陽性細胞でキメラができた。さて、それはT細胞から多能性を獲得した幹細胞(STAP細胞)由来なのか、それとも未知の幹細胞由来なのか、ということですか? う〜ん。後者だとしたら、酸の処理に負けないタフなやつ。
詫摩様
返信ありがとうございます。
CD45陰性の細胞がコンタミした件ですが、フローサイトメーターの信頼性は99.5%と言われており、CD45については非常に感度がいい抗体があるため一般的にはコンタミは無いと考えられます。ですので論文の査読の時にこれに対する突込みがなかったのは無理のないことと思います。ただ一個も含まれていないことを要求されるような研究では二回かけて100%陽性であることを確認することをやったりするそうです。
体細胞中の他の幹細胞の関与ですが、基本的に体細胞ではOct4陽性の細胞はなく、そのままの状態で万能性を持つ細胞は存在しない(いろいろやられてるけど見つかっていない)というのが現在のコンセンサスなので、もしそういう細胞がいるのであればそれはそれでSTAP級の発見だと言われています。
やり取りの中で改めて考えましたが、まず酸処理で万能性を獲得する細胞を確認し、そのあとでこの細胞がもともとどんな細胞であったかを確認するのがいいのかもしれません。STAPでなくとも万能性を示す細胞があればいいわけですので。
キメラ動物におけるSTAP細胞の関与の確認ですが、T細胞以外の体細胞ではTCRの組み替えは起こらないので、2Nキメラであっても体細胞サンプルにTCR組み換えのバンドが検出できれば問題ないと思うのですが、血球のコンタミの可能性を否定するのは難しいですね。
いずれにせよ不正が発覚した時点でこれらのことを敢えてやろうとする他人はいないと思いますので、著者の方々が行うしかありませんね。
詫摩さま
判りやすい解説記事でありがとうございました。私も1人の生化学者の端くれですが、大変参考になりました。
最初に論文を読みながら違和感を感じたのが、キメラマウスに使った細胞(cag-gfp)と、STAP細胞(Oct4-gfp)が違っている点でした。GFPを目安に実験する手軽さについつい流されがちですが、キメラマウスでTCRの再構成を確認していない点は、レフリーが指摘していないのかな、と不思議でした。レフリーの意見を無視して、natureのエディターが掲載した可能性も高いですが、こんな実験はPCRを一回やるだけだし、なんでやってないんだ?、と思いました。慶應の吉村先生のブログを見て、その考えが間違ってないんだなー、とちょっと嬉しかったり。
そのうち、TCRのPCRの写真で切り貼りが発覚して、ああ、こりゃダメだと思い、もう疑いの目でしか見られません。今となってはキメラに使ったのがSTAP細胞に由来するものじゃないんだろう、と思っています。
一つ、世間でみんながあまり指摘していないことについてご意見を聞かせて下さい。
理研の会見で石井委員長がTCRの電気泳動図を見せながらしゃべったときに、この電気泳動はパルスフィールド電気泳動の図です、と言われてました。ん?、そんな面倒なことしてんの?と思ったんですが、サイズの大きいDNAの電気泳動ならしょうがないかな、と考えました。でも、原著論文を見るとこのPCR産物の電気泳動はGLのバンドでもせいぜい2kbくらいの短い断片です。多分、こんなDNAの解析にパルスフィールドなんて面倒な装置、使わないですよね。どう思いますか?
誰がパルスフィールド電気泳動だって言い出したんでしょう?(小保方さんかしら)。参考文献を見て適当にパルスフィールドです、って言っちゃったんじゃないの?、なんて思ってしまいました。小保方さんのラボにパルスフィールドの泳動装置(結構、高価な代物です)があるかどうか、誰か知ってませんかね。
軽口はこれくらいにして、これからも科学的な観点からの情報発信を続けて行ってください。今回の記事で初めて読ませていただきましたが、ブックマークに登録させていただきました。
詫摩様
ご返信ありがとうございます。
こちらこそ大変お世話になりました。
今後のご活躍をお祈り申し上げます。
詫摩さま
ご返信ありがとうございました。理研の中間報告のスライドが公開されていたのは知らず、見ていませんでした。教えていただいたファイルを拝見いたしました。ありがとうございます。
まず、特許の申請書の方の写真ですが、若干、老眼が進行しつつあることと画像も圧縮されていることもあり、小さすぎてよく見えませんが、Fig20の泳動の写真は左から5レーン分はnatureの論文と全く同じものなので、切り貼り加工されているはずです。なので、他のレーンのデータも信用できません(笑)。ただ、それではミもフタも無いので、よく見てみましたがレーンの説明の文字がつぶれて見えなくて解析できませんでした。スミマセン。
Gel2の2Nキメラのレーンってのは、どの組織のどの細胞のTCRを見ているのか、判らないので、私も何とも言えませんです。
あ、キメラマウスでTCRの再構成を見て証明にする、ってのはご指摘の通り、キメラマウス由来のT細胞がコンタミしたら何も言えなくなるでしょう。でも、どこかT細胞がコンタミしないような組織(そんなのは難しいけど、血液を還流して血液を減らすことができるはず)を使ってれば、僕はSTAPを信じます。それか、キメラマウスから何らかの組織の細胞のプライマリーカルチャー(簡単に言えば単離細胞)を作ってPCRで確認してくれれば良いのかなと思います
いずれにしても、一つの細胞から分化した細胞ならTCR再構成で見えるバンドは1つ(または2つ?)のはずなので、こんなにいっぱいバンドが見えるのが何故かは私にはさっぱり判りません。最初にキメラマウスを作るために胚盤胞にいれたSTAP細胞が1つの細胞じゃないから、いっぱいバンドがあってもいいんだよ!、ていわれたらそうなのかな、と思ってしまいます(ここらは専門ではないのでよくわかりません)。

理研の中間報告のデータについて、切り貼りしたのはTCR再構成のバンドがよく見えなかったから、なんて言ってましたが、そんなもの全くウソでしょう(多分、石井委員長も判っているはず)。CD45+ cellのレーン(いろんなリンパ球が混在している状態)と、sorted-Oct4+ 1のレーン(緑色に光ったものだけを集めたはず、つまり、TCR再構成のパターンが異なったクローンが分別されているはず)の電気泳動バンドのパターンが全く同じなので、これではOct4+で分別したはずなのにちゃんとクローン化できてないように見える、ってのが論文掲載には不都合だと思ったから切り貼りしたのでしょう。
ちょっと踏み込んで推測すると、石井委員長は会見で、切り貼りに使ったCD45+/CD3+と、もとの図にあるCD45+の細胞はどちらも同じリンパ球のことです、なんて言ってますが、分離するときに使う抗体が1つだけのCD45+のリンパ球と、CD45とCD3の抗体2つを使って分離したリンパ球では、リンパ球の純度が違うはずです(2つの抗体を使った方が純度が高いはずでしょ?)。
STAP細胞を作るのに使ったCD45+細胞のPCRのレーンに、純度の高いと思われるCD45+/CD3+のPCRの泳動レーンを切り貼りするのは何らかの意図があるとしか考えられません。そのあたりを石井委員長ははっきり言明するのを避けたのではないでしょうか(理研ぐるみで問題を隠そうとしてるんじゃないの?、なーんちゃって思いました)。
実際にCD45+/CD3+のレーンではGLのバンドがほとんどないので、分化したリンパ球細胞の割合が多いと思いますから、ここからSTAPが出来たならそれはすごいことだ!ってミスリードされてしまいます。でも、STAP細胞でまたGLのバンドが復活しています(ゲノムが短くなったはずなのに、なんでまた長くなるんじゃ?)。実はこのデータを見て、なんか実験がおかしいんじゃね?と思ったのが、最初に論文を読んだときの違和感でした。多分、論文を読んだ生化学の専門家たちはみんなそう思ったんじゃないかなと思います。
長文で失礼しました。
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