マイクロRNAの過去の記事


2011年に書いた記事です。
マイクロRNAと病気との関係について、論文を紹介しています。
論文を読んでみるとわかると思うのですが、論文著者というものは、ご自身の研究をできるだけ大きく見せるように論文で語ります。
ご自身の研究は、重要性が高く、将来性が大きいと論文に書くのです。
これは当たり前のことです。
著者が論文を書いた時は、そう思っているのであって、著者は嘘をついているわけではありません。
後で、著者が理論の間違いや実験ミスに気づくこともあります。
しかし、その後、研究がどう評価され、他の研究者によっても類似研究が発展していくかは、論文発表時点の著者にはわかりません。

STAP論文は、マスコミの介入によって、過剰な期待とドラマ性が付加されました。
結果、科学としての評価がめちゃめちゃにされました。
STAP細胞は、新規性が高く、不安定であいまいな部分が多かったと思います。
著者らは、共同研究であるが故に、自らの実験のみでなく、他の研究者のミスについて、語ることができませんでした。
新規的な自然現象を解説できないという側面もあったと思います。
しかし、共同研究者、それも研究室責任者の突然の翻意は致命的でした。
研究室責任者が、ここが間違いであると指摘すれば、すべてそれが正しくなります。

結果、多くの人たちがケチをつけ、結論と関係のない図表のミス (一部は不正)を根拠に、著者をねつ造者と決めつけた事件でした。

今でも、ES捏造を騒ぐ人は、自らの無理解を省みる事なく、STAPを熟知していると勘違いしたままです。勘違いを勘違いだと気付く事なく、反省などできません。
気付いても、反省できない人たちでしょう。
そして、新たなる勘違いを重ねていきます。

学とみ子は、こうしたES派の一部にいる無理解な方を無視していきたいです、しかし、あまり、ひどい場合は、当方からコメントするかもしれません。

まずは、質問を浴びているLさんの善戦に期待したいです。
Lさんのコメントには、多くの言葉が略されていますので、そこを予想できない人には、Lさんを理解できません。

Lさんの答えが可能となる形式での質問を学とみ子は期待してますよ。
Lさんのコメントは、直接的な答えより、付加的な部分で刺激的ですからね。皆さん、そこに気付いてくださいね。


このブログを読んでおわかりと思いますが、STAPねつ造論を訴えている人のたちにおいては、科学知識のレベルにおいて、質の格差が大きいと思います。

それぞれの方ごとに、STAP否定のスタンスが異なります。
ご自身の理論根拠をしっかり持っている方もいますが、そうでない方もいらして、理論を持たない方のSTAP攻撃手段は、説得性がありません。

理論を持たない方の攻撃手段は、個人攻撃的なもので、標的になった人を嘲笑して楽しむということのようです。
他人を嘲笑して楽しむタイプの方が、相手を嘲笑する意図で書いた文章が、逆に嘲笑に値する内容であっても、嘲笑して楽しむタイプの方は、自らの不備は決して認めないというのが特徴のようです。
この理論を持たない方は、何が正しく、何が間違いなのか、判断することはできないようです。
他の読者が持つ気持ちを想像することができず、自らのミスを反省することができません。


追記
アップすると記事の端が切れてしまうので、次の記事で再度、コピーします。

では、以前の当ブログ記事のコピーを貼ります。

マイクロRNAの配列は、相補的な配列を含む標的メッセンジャーRNA(mRNA)に作用して、mRNAからアミノ酸合成(翻訳と呼ぶ)を抑制すると考えられています。マイクロRNAは、1993年、原子動物の線虫や、植物のシロイヌナズナにおいて、遺伝子調節の仕組みとして働くことが発見され、遺伝子発現の抑制にかかわっていることがわかりました。マイクロRNAの基礎知識を知りたい方は、ウキペディアを参照ください。http://ja.wikipedia.org/wiki/MiRNA
 
マイクロRNAがなぜ、臨床医学で大事になってきたかですが、マイクロRNAが、がん細胞の増殖にかかわっていることがわかってきたからです。つまり、人の遺伝子情報から、ある人のマイクロRNAの抑制作用が機能しやすい体質かどうか、すなわち、がんが発症した時に、予後を評価できるツールとして使えるかどうかが話題になっているからです。
 
今回は、肺の非小細胞がんについての、マイクロRNAのお話です。マイクロRNAの働き次第で、がんが増殖しやすい?手術後の予後が良いか?に影響を与えるようです。
 
マイクロRNAは、一連の塩基配列部分から、類似した多種の前駆体マイクロRNAが生じてきます。1種類のマイクロRNAは、何十、何百か所のメッセンジャーRNAに結合しますので、メッセンジャーRNAの転写、蛋白合成に多大に影響を与えるものと思われます。
 
塩基配列の違いにより、前駆体マイクロRNAの働きの効率が異なってきます。うまく、機能するマイクロRNA型であれば、メッセンジャーRNAへの抑制作用により、蛋白合成が進まず、がん細胞の異常な増殖活動を止める事ができます。従って、マイクロRNA塩基変異は、生体の細胞への影響は大きいものです。マイクロRNAによる細胞抑制が、しっかり、働かない人では、がん細胞が増殖しやすく、予後が悪くなるわけです。

中国のがん患者における遺伝子解析結果が、2011年、リリースされました。Am J Respir Crit Care Med. 2011 Mar 1;183(5):641-8. 以下が論文です。
 
マイクロRNAは、がん抑制の大事な遺伝子の働きのひとつとして、予後評価に使えることが期待されています。マイクロRNA(miRNA)の塩基配列に変異のある人では、非小細胞肺がん(NSCLC)の生存率が向上することを以前に報告しました。
 
今回、中国の非小細胞肺がんにおいて、マイクロRNAの塩基配列が、非小細胞肺がんNSCLC患者の予後と関連するかを調べました。中国で発症した923人の非小細胞肺がん患者の遺伝子を調べ、マイクロRNAの一連の塩基配列上に85個の遺伝子多型がみつかりました。 
 
RNA配列の特定部位(miR-30c-1 rs928508)の塩基に変異がある非小細胞肺がんの患者は、がん生存率が向上しました。AA遺伝子型にくらべ、AG/GG遺伝子の型のがん患者では、生存率が向上し、このマイクロRNA遺伝子型は、がんの進展を抑える効果がありました。特に、手術などで治療可能な初期(ステージI/II)がん患者において、rs928508多型AG/GGタイプの人は、死亡率が半分に減り、生存率が良いことがわかりました。
 
マイクロRNAの遺伝子型の違いは、非小細胞肺がんの5年生存率を予想するのに役立ちます。つまり、がんの臨床像に、遺伝子因子を加えて生存率を評価したところ、5年生存率(ROC曲線)が、0.658から0.741に上昇しました。
 
結論: プレマイクロRNAの両端領域に存在するマイクロRNA多型(恐らくrs928508の部位)を調べると、非小細胞肺がんの予後判定の精度が上がると思われる。 PMID: 20889907




次は、別の日の記事です。


マイクロRNAは、がん細胞の発育を止める働きをするという話をしました。マイクロRNAとは、メッセンジャーRNAに結合して、メッセンジャーRNAの働きを止める短いRNA物質です。つまり、メッセンジャーRNAに働き(相補的に結合する)、アミノ酸合成ができなくする遺伝子抑制です。がん細胞にとっては、増殖のための蛋白質が確保できなくなるため、不利な現象ですが、がんをもつ人間の立場になると、がん細胞が育たなくなるのですから、有利です。マイクロRNAの働き如何で、がん患者の生存率が上昇するわけです。
 
実は、マイクロRNAは、がん細胞に限らず、体の細胞のあらゆるところで働いています。遺伝子発現をとめるのが、主たる作用ですが、細胞が増殖し、機能する時に調節する物質で、生命現象には必須の物質です。
当初、短いRNA構造物が、遺伝子発現にかかわることなどは、人は、想像しませんでした。
 
しかし、近年、マイクロRNAの研究分野は、どんどん広がってきており、2011年のネーチャー1月号にも、二編のマイクロRNAの論文が載っています。ひとつは、心筋梗塞に関する論文で、もうひとつは、脳炎に関する論文です。
 
脳炎に関する論文は、実験的に、マウスに脳脊髄炎をおこす研究で、目的は、人の病気である多発性硬化症を研究するためです。
 
脳にはニューロンと呼ばれる神経細胞と、それを守るグリア細胞が存在します。グリア細胞の一部は、神経細胞ニューロンとは異なり、血液系の白血球に由来します。血液細胞のマクロファージは、肺や、腸管など、どこにでも仲間がいます。マクロファージの細胞群は、脳内では、病原体や異物処理に働いています。
 
神経難病である多発性硬化症では、脳内活性化T細胞が増加し、マイクログリアが活性化しています。脳の王様である脳細胞が死んでしまう病気ですが、動物モデルから、そうした自己細胞の破壊がなぜ、おきてしまうのかを研究しているのです。Nature medicine2011;17:64
 
本来、脳内の活性化マイクログリア細胞は、脳内の病原物質を排除する時に活躍するためにあるのです。しかし、多発性硬化症という脳脊髄の病気は、活性化マイクログリア細胞により、神経細胞のニューロンが消えてしまいます。脱髄という病的変化が起きる結果、神経細胞は消えていきます。神経細胞とその神経線維が無くなれば、もはや、頭からの指令が、体に伝わららなくなります。多発性硬化症と言う病気が知りたい方は、ウキペディァです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%9A%E7%99%BA%E6%80%A7%E7%A1%AC%E5%8C%96%E7%97%87
 
 
正常の脳や脊髄では、マイクログリア細胞がおとなしくしている状態が、脳が健康状態にあることを示し、細胞内では、マイクロRNA-124(miRNA-124)が、増加しています。正常な脳のマイクログリア細胞では、マイクロRNAの働きは高まっています。脳脊髄炎を発症しているピーク時には、マイクロRNAが減少しています。活性化したマイクログリア細胞は、MHCクラスIIや、CD45と呼ばれるアンテナ蛋白をたくさん細胞表面に表出しています。こうしたアンテナが多いと、T細胞などの炎症細胞同士が交流でき、炎症を拡大することができるのです。一方、脳では、マイクログリア124の十分量が細胞内に存在していると、転写因子の働きがおさえられ、遺伝子転写がすすみません。
 
マクロファージは、血液中の単球(白血球の1種)に由来して分化した細胞ですが、体内に異物を感知した時、活性化マクロファージとなります。そうした活性化には、C/EBP-αという主要な転写因子が働き、遺伝子活性化がおきます。こうして炎症に向かって突き進む時、マイクロRNA-124は、それを抑制しており、マクロファージの分化に働くPU.1(転写因子)の働きを抑えます。
 
マイクロRNAによるタガがはずれてしまうと、PU.1(転写因子)は、単球の遺伝子に働いて、d45、CD11b、F4/80、MHCクラスIICD86などの表面マーカーを増加させ、その結果、マクロファージは武装化(活性化)します。戦うための勢いを得たマクロファージは、異物を食らいこむ能力が高まり、異物処理役として活躍します。
 
マイクロRNA-124は、脳に存在するマイクログリアの過剰な活性化を抑え込んでいます。正常時は、脳内異物は存在せず、脳細胞のニューロンを死においやる必要はないのですが、何か脳内のバランスが壊れると、タガが外れた武装化マイクログリアが増加してきて、多発性硬化症が発症すると思われています。
 
今回の研究では、マイクロRNAが、多発性硬化症などのような自己免疫を抑え込めることが証明できました、今後は、治療手段として、利用の展望を広げたいと、著者は書いています。まだ、マウスの実験の結果のようですが・・・。




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コメント

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Ooboe
先ほどパートナーより

竹市所長記名解析方針書
2014年6月26日付

non-codingRNA発現解析書

遺伝子発現解析書
この解析に係わる手続き文書の
開示請求に
対し

関連解析書が
届いたとのことです。
しかし

non-codingRNA解析書と
遺伝子発現解析書は
ないとのことです。

このことは

(1)竹市方針書の通り
解析実施がなされなかった?

(2)方針通り解析実施したが
文書として残さなかった?

(3)non-codingRNA解析
遺伝子発現解析
が存在していないということは

竹市所長記名のこの方針書は
理研本部に正式承諾されて
いたのに、本部も竹市所長も この解析方針 の実施、結果など
確認していなかった。
ことになります。

No title

Ooboe
小林先生著書、帯記述です。

(かってはゴミ扱いされたジャンクDNAが生命の謎を解き明かす!)

、、、、、
実はゲノムの98%は、「遺伝子」の
情報を持たない領域だったのです。
いわば「意味のない無駄な情報」と
いえます。

しかし
生物はこんな無駄を許すでしょうか?

(ほんまや~)
(私も腑に落ちてなかったわ)
(絶妙な生物の世界にそんなん変やん)
すみません、()は私

小林先生の帯記述の続き

実はこのジャンク領域、
正式名は「非コードDNA領域」と
呼ばれますが

これこそが
生命を誕生させ、人を人たらしめ
進化の原動力として働いた
重要な装置であることが分かって
きました。

本書では、
この謎に満ちた
暗黒領域「非コードDNA」に
光を当て、最新の情報をもとに
その役割について解説します。

No title

Ooboe
学さん
素人にとって、ホッとするコメント
ありがとう🎵

No title

Ooboe
大掃除がはかどらな~い(笑

小林武彦先生の著書の
帯記述を紹介したいと思います。

猿と人で遺伝子はほとんど同じなのに
なぜ見た目はこんなに違うのだろう?

No title

学とみ子
> Ooboeさん
わからない事は、わからないとの思いをキープしたまま、前に進むというスタンスは大事です。

知り合いの医学部教官(今は実力教授になっているが当時は講師)が言ってました。

当時、ご自身の属する医局教授のところに、どうだ!と思って下書き著作をもって相談にいくと、その時の教授に、わからなそうな部分がある様子でも、次の下書きの相談の時までには、教授はもう完全に理解していた----と言ってました。
プロの世界でも、専門知識は、努力して自らで得て、積み上げるものですね。

専門知識を大事にしない人の周りには、同じく大事にしない人しか寄って来ません。

No title

Ooboe
今回紹介記事で

私が注目した箇所です。

>マイクロRNAは、(中略)
何十、何百か所の
メッセンジャーRNA(mRNA)に
結合しますので
mRNAの(DNAからの)転写、
タンパク質合成に
多大な影響を与えるもの

このことは、DNA上のたったの2%にある
タンパク質を転写コードする
メッセンジャーRNAから
タンパク質を製造する工程の
途中で

メッセンジャーRNAを
制御する機能を
マイクロRNAを始め
non-codingRNAがはたしていることの
研究成果の一例なんだ、と
理解できました。

学さん
ありがとうございました。

No title

Ooboe
学とみ子さん

私がたどり着けなかったので
Upくださり
ありがとうございます

大掃除の合間あいまに
閲覧しています、
ちょっと難しいけど

専門用語を飛ばし飛ばし読み
概略をまず理解する訓練が
素人なりのチャレンジ方法が
いつの間にか
身についてきたみたい

専門用語をいちいち調べながら
読んで行くと、かえって概略もさっぱり
把握できないもので、何のこっちゃ?
、、?になってしまうの

パートナーに素人としての直感的
読み方を教えて貰って来たお陰です。

専門用語は、概略把握の
あとで調べるようにしています。
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