カビは、監視の目を逃れて生体にとどまるが、増殖できないと言うミステリー

昨日、記事の続きです。カビが私たちの体内で生き残ろうとする姿は、ミステリー仕立てです。本日の肝炎ウイルスもそうですが、感染因子は、免疫細胞との壮絶な戦いを生き抜いています。カビは、肺内に吸い込まれたとしても、しばらくは、発芽せず増殖体にはならず、チャンスを待ちます。RodAで武装して、免疫細胞の監視から逃れています。この時点では、怪しい奴は発見できません。しかし、カビの細胞膜には、βグルカン、マンナンなどの、免疫細胞を刺激する構造物があります。免疫細胞も、カビの構造をとりこぼしなく
、みつけるように進化してきたのです。カビは、高等動物だけでなく、植物や原始的な動物にもとりつきます。原始生物は、カビと戦闘する能力を、人に与えてくれました。この免疫系をトールと呼びます。
 
吸い込まれたカビは、肺のマクロファージ(抗原提示細胞)に取り込まれます。マクロファージは、自らの細胞内の食胞といわれる構造物の中にカビを閉じ込め、蛋白分解酵素使ってカビを殺しにかかります。しかし、カビは分解を逃れて、表面蛋白構造を保ちます。
 
ここまではうまくいっても、カビが体内で増えようとする時、事件となります。カビが増殖を開始すると、表面蛋白構造の一部が露出してしまい、カビの正体がこぼれてしまいます。免疫細胞の監視の目は、カビの小さなミスをみのがさないのです。私たちの体内物質がすばやく、カビの変化を感知します。デクチンと呼ばれる物質が、カビに取り付きます。これは、カビをマーキングして、マクロファージが見つけやすくするためです。抗体などもマーキングに活躍します。つまり、監視役は、複数的に増えていくのです。
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